「直百五銖」について

「銖(しゅ)」というのは、古代中国の重量単位で、「一銖」は、約 0.67g に相当していました。
この形式の貨幣は、三国時代 (AD 220-280) の蜀国の最初の皇帝である劉備玄徳によって作られたものです。
彼は「三国志」のなかの有名な英雄です。後漢王朝 (AD 25-220) も晩期になると、中国は内乱の時代を迎えます。劉備は、関羽、張飛そして諸葛亮とともに平和を回復するために努力しました。彼は孫権と同盟を結び、揚子江中流域の赤壁で曹操を破りました (AD 208)。後漢の献帝建安十九年 (AD 214)、劉備は益州 (現在の成都地方) の牧となり、同年、この形式の貨幣を鋳造しました。また彼は、三国のなかの蜀国を開きました (AD 221)。
しかし、彼はついに中国の統一に失敗し、彼の王朝も紀元263年に三国のうちの一つである魏国によって滅ぼされました。
それにもかかわらず、彼の行為は、中国人のみならず日本人にも、他の中国のいかなる皇帝の行為よりも、今日にいたるまで深い影響を与え続けているのです。


CGB-1

直百五銖
後漢 (AD 25-220)
三国時代 (AD 220-280)
鋳造時期:後漢の献帝、建安十九年 (AD 214) - 蜀の滅亡した年 (AD 263)
蜀 (AD 221-263)
蜀帝劉備玄徳、後主劉禅
表:漢字銘文:「直百五銖」
「直」は「値」の略字で、「相当する、あたいする」という意味です。また「銖(しゅ)」とは、古代中国の重量単位で、「一銖」は、約 0.67g に相当していました。それゆえこの銘文は、「この貨幣は、(当時一般的だった)五銖銭百枚に相当する」という意味です。
裏:漢字銘文、向かって左:「為」
「為」とはこの貨幣が鋳造された蜀国の益州けん為郡の略号です。
7.6g
D-28.0mm
佳品ながら重厚、大胆なタイプ。
売却済み


CGB-2

説明同上。但し、
7.9g
D-27.8mm
佳品
売却済み


CGB-3

説明同上。但し、
8.2g
D-28.2mm
表:美品 / 裏:並品
売却済み


CGB-4

説明同上。但し、
6.3g
D-26.3mm
佳品
売却済み


CGB-5

説明同上。但し、
6.0g
D-26.0mm
美品
売却済み



山下 秀一
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