やっぱり共感する力荻野誠人 法律家に相談したくなることが起こりました。知り合いの法律家がいないので、ネット上で探してみると、相談のためのサイトがいくつか見つかりました。今は本当に便利ですね。 専門分野の違うAさんとBさんにネット上で相談することになり、すぐに回答の文章が届きました。 質問の内容が異なりますので、回答の中味も違うのは当然ですが、印象も対照的な感じでした。まあ、私の主観ではありますが。 Aさんは、言っては悪いんですけど、どうも事務的ですね。ひとごとのような(実際ひとごとですけど)感じで、こちらの挨拶に対する返礼もなく、少し高圧的なところも感じられます。 Bさんは、なんだかカウンセラーみたいな書き方です。こちらの問題に共感して、一緒に解決しようという気持ちが伝わってきます。 印象は完全にBさんの方が上です。 とは言え、色々事情はあるのかもしれません。たとえば、Aさんはとても忙しくて、文章に気をつかっている暇がないとか、もともと文章が余り得意でないとか。じかに会えば全然印象の違う人なのかも・・・。あるいは、Aさんは法律家としてごく普通で、Bさんが例外的に愛想のいい人だということも・・・。 しかし、私は手元に届けられた文章で判断するしかありません。 問題は解決したわけではないので、私はBさんにはこれからも、場合によってはじかに会って依頼しようと思っていますが、Aさんにはなあ・・・という感じです。私の判断が賢明かどうかは分かりませんけど、そういう気持ちになってしまうのです。 デパートのお客さんなどと違い、法律家に相談する人は、病気の人と同じように何らかの困りごとがあるわけですから、大なり小なり不安・不満・怒り・悲しみといった否定的な感情を抱えているものです。相談すること自体を恥ずかしく思う人もいることでしょう。そういうつらい、苦しい状況まで理解して力になろうという姿勢が感じられると嬉しいし、元気づけられるわけです。そして、そういう法律家にはこれからもお願いしよう、他の人にも紹介しよう、という気持ちも芽生えるのです。ちょうど患者の不安を和らげ、希望をもたせてくれるような医者が慕われ、病院が繁盛するように。 何だかんだ言っても、問題を解決する能力が一番大事なのは百も承知ですが、悩みを抱えるような人を相手にする職業で成功を収めるためには、相手の気持ちに寄り添い、激励する姿勢といったものも不可欠だと改めて感じた次第です。 2012・3・1 |
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