「模範解答」コーナー

「ベテラン教師直言集」に対するご感想、ご質問等をどうぞお寄せください。

 

 「ベテラン教師直言集」を読んで。
 親も子もみんな忙しすぎるようです。
 人間的なふれあいは希薄になってきましたが、物質的な要求は満たされるばかりなので、ますます子ども達は人工的になってきます。泣き叫んで、ダダをこねる子供にすぐおもちゃを買い与えるような、そんな親の対応が目立ちます。
 親は学校に何を求めているのでしょう。「プロ教師の会」なる人々の出版物が最近本屋で目立つようになりました。合理的な、やや暖かみにかけるような印象を持ちましたが、ここまで自分勝手で放任された子供、非難ごうごうの親が増えてくると、教師の側もそうした対応にならざるを得ないのではと感じます。
 ある学校の職員会議に出席すると、PTAの会長さんもきておられました。会が終わった後、「質の悪い教師が多いので困っている」というようなことを述べられました。それでうちの子供もぐれてきたのだと。
  しかし、その学校の教頭が私のかつての担任だったので、たまたまその晩、食事を共にしたところ、「問題のある子がいて退学させようと考えている。親に買ってもらった数十万のオートバイを乗り回して何度か事故を起こしている。PTAの会長の息子で、全くしつけが悪い」とのこと。このずれは何なのだろうと思いました。(まみ君/1999・12・14)

 

 

◆人間は、部分的でなく、全体的に評価し判断すべきです。表面的なことだけでなく、内面的な人間性まで判断することです。例えば柄が悪いとか言葉づかいが悪いからといって、その人間まで悪いと見下してしまう親がいます。親が教師を評価する時、我が子にとっていい教師かどうか、という狭い見方で誤解しやすいのです。

◆三通りのPTA役員。
1、教師のいい面を見出す方々。
2、何かにつけて教師の悪い面ばかり指摘する方々。
3、余り干渉せず、静かに仕事をしている方々。

◆お話の中のPTA会長に対して。
会長になると、学校を支援して下さるので、校長や教頭さんがまつりあげます。そのために校長よりも上のような言動に走る方がいますが、この方はその一人です。こういう方は、一般の教師から見れば面白くないわけです。 「教養のないPTA会長」と思いたくなるのです。会長が偉ぶるとその子どもがのぼせます。知らぬ間に子供は生意気になっていくのです。勿論こういう方ばかりではありませんが。

◆教師の評価と誤解。
教師は一応大学を出ていますが、それだけで教養があるわけではありません。教養とは思いやりがあるかどうか、相手の気持ちを察することができるかどうか、などと言われます。英語ではカルチャーです。耕作と同義です。つまり心の中も耕されていないといけないわけですね。学歴があっても人間的にできていない人はいくらでもいます。現職教師はなかなか、反省しながら仕事ができないのです。多忙の中で迷走ばかり しているのです。精神的にゆとりもできにくいのです。

◆ この会長さんは、よほど我が子の担任とウマが合わなかったのでしょう。それにしても、 「教師が悪いから、うちの子が悪くなった」とは偏見そのものだと思います。

(鬼島三男/1999・12・19)