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挿絵について

向井五十代

 荻野様の『心の風景』第一集から挿絵を担当いたしておりますが、余白を頂戴しましたので、墨絵について少し触れさせていただきます。

 墨に五彩ありと申します。筆を走らせるときは、濃淡の微妙なモノトーンの中に、にじみ、かすれ、そして筆勢、こういった墨の特色を生かしながら、自分の心を画面に映してまいります。墨絵は油絵のような重ね書きが出来ませんので、一本の線が命となる、まさに一瞬の精神性が高い画法と言えましょう。

 こういった魅力にとりつかれて墨絵を始めた次第ですが、今は「墨絵をやってよかった」の一言に励まされ、お年寄りのグループの指導にも励んでおります。

 今回の第六集の挿絵は、人物が多いこともあってペンを加えて絵にアクセントをつけてみました。筆だけの絵と違った味を楽しんでいただければ幸いです。

 

 (申し訳ありませんが、向井さんが触れていらっしゃる第六集の挿絵は、活字版『心の風景』にしかありません。
  お詫び申し上げます。 荻野誠人)

 



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