映画

『マイ・フレンド・メモリー』/監督 ピーター・チェルソム/主演 エルドン・ヘンソン、(『ホーム・アローン』の)キーラン・カルキン

 あまり期待しないで借りたら・・・良かった! 泣きました(;。;) 何とも言えない少年の頃の気持ちがうまく表現されていて、なるべくならぶつ切りでなく、通して見たい作品でした。(りつ)

『クール・ランニング』/監督 ジョン・タートルトーブ/主演 ジョン・キャンディ

 常夏のジャマイカからカナダ・カルガリーオリンピックの ボブスレーに参加した実話の映画です(^o^) 彼らの陽気さとラストの感動はおすすめデスよ(^-^)/ (りつ)

『市民ケーン』/監督 オーソン・ウェルズ/主演 オーソン・ウェルズ

 新聞王ケーンの最期の一言「バラのつぼみ」の謎を解くために生前の関係者に次々と取材を試みるうちに、ケーンの自分本位で、相手から奪うばかりの哀しい人間像が次第に明らかになっていく。しかしそういう人間になった原因が「バラのつぼみ」に象徴されていると私は思う。
 複雑な人物造型に成功しているだけでなく、私のような素人は気づかないかもしれないが、構成面・技術面でも数々の革新的な試みが効果をあげているとのことで、後代に与えた影響も大きい。
 識者の各種アンケートで一位を独占する恐るべき作品。これを制作した時のウェルズはわずか25歳。まさに天才である。(荻野誠人)


『ショーシャンクの空に』/監督 フランク・ダラボン/主演 ティム・ロビンス、モーガン・フリーマン

 無実の罪で終身刑となり、ショーシャンク刑務所へ収容されたアンディーを中心に描かれた人間ドラマ。アンディーのセリフ「必死に生きるか、必死に死ぬか」が示すとおり、必死に生きようとする人間の姿が共感を呼ぶ。希望を持ち続け、自分を見失わないアンディーを見ながら、自分もがんばろうと思えた作品である。
 モーガン・フリーマン演じるレッドは、人間味あふれる、とてもいい役柄だ。もしも僕がアカデミー賞の審査員なら、この作品の彼に助演男優賞を贈りたい。友情や裏切り、生と死、善と悪、えん罪・・・、さまざまな問題を取り上げながら、「生きるということ」を考えさせてくれる作品である。
 このビデオは6回見たが、何度見てもすがすがしい気持ちになれる作品である。(礒ひろし)

『プラトーン』/監督 オリバー・ストーン/主演 チャーリー・シーン

 ベトナム戦争を舞台に名もない兵士たちの壮絶な戦いを描く戦争映画の傑作。極限状態に追い込まれた人間の残虐性や狂気、その中でかろうじて残る正義感や友情。余りにもすさまじい映像の連続に気の弱い人は滅入ってしまうかもしれない。1986年度アカデミー賞作品賞、監督賞受賞。(荻野誠人)

『乱』/監督 黒澤明/脚本/黒澤明、小國英雄、井手雅人/音楽 武満徹/衣裳デザイナー ワダ・エミ/撮影 斎藤孝雄、上田正治/出演 仲代達矢、寺尾聰、根津甚八、隆大介、原田美枝子、井川比佐志、ピーター/1985年

 私が物心ついて、始めて印象に残った黒澤明監督の作品は、『赤ひげ』 だった。正義感溢れた医者が若い医者を、人として医者として成長するまで見届けるヒューマニティーストーリーと、当時は理解し感動した。それ以降黒澤作品に興味を持ち、『酔いどれ天使』『野良犬』『生きる』『天国と地獄』『わが青春に悔いなし』『蜘蛛の巣城』『デウス・ウザ ーラ』『用心棒』『椿三十郎』そして『七人の侍』と、鑑賞してきた。
 数多い黒澤監督作品の中で『乱』が、どのような位置かは、意見の分かれることだろうが、製作された時代の可能な限りの、文化と芸術と技術の集大成を試みた挑戦として、日本の映画史上ひとつの最高峰であることは、間違い無いと私は思う。数々の時代劇を成功させた黒澤だからこそ、製作が実現した贅沢極まりない映画だと思う。だからと言って、残念ながら黒澤作品ナンバーワンでは無いと、私は思う。
 シェイクスピアの『リア王』と戦国武将毛利の『三本の矢』の伝承を重ねた発想からイメージを膨らませたアイデアを、黒澤本人、小国英雄、井手雅人の三名の脚本家の手によって、骨格のしっかりした物語となって、見事に映像化されている。個々の点をチェックすれば、総て満点なんだが、もうひとつ脱皮出来ていない何かを、私は感じた。それは、『映画は娯楽である』が、その範囲を越えようとした匙加減の難しさと、黒澤への期待が大き過ぎたギャップだろうか。
 物語は....戦国を生き抜いた猛将一文字秀虎が、近隣の領主綾部氏と藤巻氏を招いて巻狩りの宴席で、突然三人の息子に家督を譲ると公言したことから、骨肉の争いが起こり、無為と知りつつも相争い復讐に燃え殺戮の悲劇を繰り返し、勝者の存在しない無力感に満ちた人間の愚かさを描くストーリーへと展開して行く。
 ピーター演じる秀虎家臣の狂阿弥(狂言師)を媒介者として、終始神仏の目で人間界を見下ろす客観的な視線で、一貫して描かれる映像は、確かに凄い。また、長男孝虎は黄色、次男正虎は赤色、三男直虎は青色と基本的色彩も分かりやすく、映像、音楽、役者の演技力、考えさせられる台詞など、それぞれが主体となって活かす場面が用意され、贅沢なオペラを味わっているような錯覚に襲われる。井川比佐志、原田美枝子、ピーターの演技、ワダ・エミの衣装演出には、目を見張るものがある。(下町カラス)  

『道』/監督 フェデリコ・フェリーニ/脚本 トゥリオ・ビネッリ他/音楽 ニーノ・ロータ/出演 ジュリエッタ・マシーナ、アンソニー・クイーン、 リチャード・ペースハート/1954年/イタリア

 人は誰でも、人生に躓いたり、振り返ったりすることがある。この映画は、そんなときに観ても良いし、幸せの絶頂のときに観ても良 いと私は思う。生きることの意味を再度自分に問い掛け、萎えた心に灯がともるかもしれない。また、自分の足元を見直すキッカケになるようにも思う。時代や年齢や民族を超えて、人の魂を揺さぶり、長い余韻を残す作品だと思う。
 物語は......貧しい一家の口減らしで、頭の弱いジェルソミーナが、大道芸人のザンパノに売られる。何も出来ない彼女は、懸命に太鼓を叩きラッパを吹き、傍若無人なザンパノに献身する。
 そのジェルソミーナの瞳が愛らしく、表情豊かで、ほほえましく描かれている。世辞でも美人とは思えないジェルソミーナが、だんだん可愛く美しく感じてしまう監督の演出は、特筆すべきことだと思う。
 ある時、ザンパノとジェルソミーナの二人は、サーカスの一座に加わり青年のマットに出会う。彼はジェルソミーナに優しく、バイオリンを弾きながら、彼女にラッパの吹き方を教える。ここで使われるニーノ・ロータ作曲の哀調を帯びたメロディが、この映画の主題曲である。
 マットと肌が合わないザンパノは、ナイフを振りかざして襲いかかり、二人は警察に逮捕される。サーカスの座長からザンパノと別れる良い機会だと誘いを受けるが、ジェルソミーナは断り、ザンパノを待つ。
 先にマットが釈放され、二人はとつとつと語らう。ジェルソミーナが、始めて生きることの意味を意識する。数日後ザンパノが出獄し、ドラマにテンポが加わり、そして佳境を迎える......。
 物質的に失うものが無い貧しさの強みなのか、物質への執着心から開放された妙な自由を、この映画の登場人物から感じた。
 もう一つ感じたことは、人間関係における情(人間愛)である。頭の弱いジェルソミーナの無垢な人間性と、粗暴で欲望のまま生きるザンパノの対照的な取り合わせが、根源的な愛を際立たせたように感じる。
 ジェルソミーナ役のジュリエッタ・マシーナの初々しい演技と、ザンパノの荒々しさを粘着性の無い乾いた演技で表現したアンソニー・クイーンのコンビは、絶妙だった。そして、ニーノ・ロータの哀愁帯びたメ ロディーは、二人に通う情を見事に耳に刻み込んだように思う。(下町カラス)

『ディープインパクト』/監督 ミミ・レダー /主演 ロバート・デュバル

 映画「ディープインパクト」のビデオを観た。巨大彗星衝突による地球最後の日を題材としていたが、特撮もさることながら、「最期の時」を目前にして、人間は如何に生きるか、というテーマを投げかけられているような気がした。
 映画の中では、略奪や刹那的に生きようとする者、暴動を起こす者、人類を救うという使命感に命を投げ出す者、等様々な人間模様が描かれていた。最終的に100万人の選ばれた人間だけが地下シェルターで生き延びるという設定であった。
 感動的だったのは、選ばれた人間の一人、主役的立場の女性キャスターが最後の時に際しても、幼子を抱えた母子を優先的に救助のヘリコプターに乗せ、自らは津波に飲み込まれて死ぬシーン。また同じく、選ばれた人間である若い天文家カップルが、家族と一緒に過ごす事を選択し、シェルター入りを拒否する。しかし、最後の時、家族はこのカップルを生かすため山に逃がし、自分達は津波に飲み込まれる。このような「最期の時」に際しても、人間愛を貫く人々の姿には感動を禁じ得ない。
 「ディープインパクト」とは、彗星の衝突というよりも、この人々の心を貫き打つ“愛の衝撃”の事ではないかと思われた。(近藤)

『フォレストガンプ』/監督 ロバート・ゼメキス /主演 トム・ハンクス

 ここ最近では、最も感動した映画である。
 "一期一会"というサブタイトルもあるように、「人生」の本質を表現した名作であったと思う。
 己の"真心"にひたすら正直に生きたガンプの生き様に、「運命」も動かされる。 ラスト近くで、幼い息子と初対面したガンプが発した一言
 「こんな可愛いモノ、生まれて初めて見た・・・」 に、涙、涙、涙・・・。(近藤)  

『エデンの東』/監督 エリア・カザン/主演 ジェームス・ディーン

 真に他人を幸せにする愛とは何なのか----考えさせられる作品。(荻野誠人)