八分咲きの美学はりがね
八分咲きの美学を意識したことはないだろうか。春に咲く桜が一番美しいと思う一瞬は八分咲きのころだと筆者は感じている。それは、ぱっとひらいてしまうまえの微妙なほんの一瞬の輝きで、そのほんの一瞬に魅せられてしまう。少女から女性への変容の一瞬もまたしかりだ。もっと日常的な例では休日前の楽しさで、本来なら休日のほうが楽しいはずなのに気持ちとしては休日前の夕べのほうがリラックスしてしまう。 おそらくこれらは、なんでもピークに達してしまうともうそこは言わば現実の世界であって、これ以上ひろがる余地のない完結した世界であると認識させられるからではないだろうか。そしてそこには想像力のお節介さによって終わりや別れの予感を感じてしまうからであろう。
(2002.07.31) |
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