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歩み

紅まゆい

時の流れに

僕はまた一つ 歳を とり


時の流れに

僕はまた一つ 何かを経験して


時の流れに

僕は...

また一つ 大人に近づいてゆく



          
かけら
小さな出来事や想いの片が

おりかさなって流れになる

不思議だけれど本当だね

過ぎ去った時の流れの中に

時折光る思い出たち

あまり度々 すくいあげては色あせてしまう

すくいだすのを忘れては 流れの中にとけてしまう



だから時々 すくいだしては
        
シルク
“なつかしみ”の絹で そっと磨く



時の流れは

とどまることを知らず


時の流れは

あまりに永い

その逢かな永さの中では
    
はか
僕の生は数るにたりない

けれど それでも その永さの中のいくらかは

確実に僕のつくりあげたもの



時の流れに

僕は また一つ 歩みをすすめ


時の流れに

さまざまな思いを刻みこんで

僕は   大人になってゆく




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