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あとがき

荻野誠人

『心の風景 第一集』の出版は、私にとってはちょっとした事件でした。出版後、全国の見知らぬ読者の方から予想を越える激励やおほめの言葉をいただき、恩師、旧友と十年、十五年ぶりの再会を果たし、新しい友人もでき、ここ数年、余り周囲と接触のなかった私の生活は一挙ににぎやかになりました。静かな生活も悪くないと思っていましたが、温かい心の方たちとの交流はやはり良いものです。この友情は大切にしていきたいと思っています。

そしてありがたいことに、多くの方が『心の風景』に無償で協力してくれました。病院のベッドから何度も原稿を送ってくれた方もいました。特にお願いしたわけでもないのに、本書を多くの人に紹介したり、売ってくれたりした方もいました。そういった方々のことを思うと、『心の風景』をいいかげんに扱うことはできません。種々の事情で決して楽な仕事ではありませんが、今後もできるだけ良い作品を少しでも長く発表し続けたいと思っております。

さて『第二集』、いかがでしたでしょうか。今回も私なりの精一杯の作品を掲載させていただいたつもりです。つたなくても自分の能力を十分に発揮できる私はたいへん幸せなのでしょう。作品を書くのは、たいへんなエネルギーを使いますが、私にとっては何もかも忘れて没頭できる楽しい作業です。

『第二集』では、多くの方のご寄稿やお便りのおかげで、前回よりも私の作品の割合が減って少々ほっとしています。ご協力本当にありがとうございました。特に、お忙しい中、多くの作品をお寄せくださり、私の作品すべてに目を通してくださった向井俊博様には、ここで改めて感謝の言葉を捧げたいと思います。

さて、のんびりしてはいられません。今日から『第三集』の準備に取りかかります。よりよいものを出版するために、皆様のご協力を何とぞよろしくお願いいたします。

(1991・3・7)


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