ありがとう を越えて
池田眞己枝
“ありがとう”を越える言葉はないものかと
探し続けているけれど
いつも行きつくところは
“ありがとう” の五文字
いまだに探し当てられず
この五つの音霊に
ありったけの思いをこめ
生命をふきかけて
あなたに飛ばす
何べんも何十ぺんも
繰り返す
いろんな“ありがとう”を重ねながら
想いはより深くを
ますます自由に拡がり始める
とまどう私は詮なくも
結局この言葉に返っていく
それもまたよし
“ありがとう”よ
ありがとう
未熟な私の身代わりに
清しく鳴り響いてくれるよう
“ありがとう”よ
君に磨きをかけてゆこう
いつか越える言葉を目指して
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