赤信号の渡り方
荻野誠人
皆さんは、車の通りが途絶えている真夜中は、赤信号でも横断歩道をさっさと渡ってしまいますよね。違法ですけど、それが普通だと思います。
でも小さな子供に交通規則を教える時は、「赤信号の時は、渡ってはいけません」とだけ言うはずですね。そしてそれを徹底させます。決して「でも、車が来ない時は渡ってもいいですよ」などとは言いません。最初に曖昧なことを言えば、赤信号を十分に守らなくなるからです。また、車が来るか来ないかを判断させるには幼すぎるということもあるでしょう。
ですから、私は赤信号を前にした時、近くに小学生以下の子供がいたら、車の姿が見えなくても、青になるのを待ちます。子供がこっちの気も知らないで「自主的に」渡ってしまうこともありますが。一番困るのは、若いお父さん、お母さんが子供の手を引いて赤信号を無視することです。
やっぱり基本的なことは最初に徹底的に身につけさせないといけません。それが身についてこそ、車が来ない時は渡ってしまおうという「応用」が出来るようになるわけです。もし基本を教えなかったら、その子供は、信号のない外国でのように、車が通っている時でも平気で渡ろうとするでしょうから、危なっかしくていけません。
このことは色々なものごとに当てはまるように思います。最初はとにかく文句を言わせずに基礎をみっちり教え込みます。強制はいけないなどと言っている場合ではありません。それがしっかり身についたら、成長するにつれて本人の自主性や判断力に任せるようにしていけばいいわけです。
2004・8・11