「安保3文書」閣議決定阻止
  攻撃戦力化の大軍拡、ありえん!トマホーク導入

 今年も残り少なくなってきたが、年内の最大の課題は、岸田自公政権が12月内に強行せんとしている「安保3文書」の閣議決定阻止である。これをもって、現在の軍拡・緊張激化の東アジアを、非戦・諸国民友好の東アジアに転換する第一歩とすることだ。
 ウクライナ戦争を利用して、日本でも国防力強化という排外主義の大波が仕掛けられた。全面改定されんとしている「3文書」とは、国家安全保障戦略、防衛計画大綱、中期防衛力整備計画である。「専守防衛」路線をくつがえす、「反撃能力」という名の敵基地・指揮統制攻撃能力の整備。12式ミサイルの長射程化のみならず、なんと血にまみれたトマホークミサイルの導入。継戦能力の強化。「防衛力の5年以内の抜本的強化」のための来年度超軍拡予算案、軍拡を目的とする増税と何でもあり。予算GDP比2%なら、日本は軍事費で世界3位の軍事大国となる。
 「3文書」の閣議決定は、現在の臨時国会を閉会させてから強行せんとしている。安保法制のための集団的自衛権行使容認も、今年の安倍国葬決定も、国会が閉まっているときに閣議決定された。行政権独走・軍部独走の極みである。
 11月3日の日本国憲法公布記念日には国会周囲で、「武力で平和はつくれない、つなごう憲法をいかす未来へ11・3憲法大行動」が行なわれた。その筆頭課題も「3文書」の阻止であった。主催は、戦争させない・憲法壊すな!総がかり行動実行委と9条改憲NO!全国市民アクション。
 国会正門前では、藤本泰成さんが主催者挨拶、「個人の集まりでしかない国家なるものによって、個人の命が奪われる。騙されてはならない。もう二度と国のために青年の命が奪われてはならない!」と訴えた。
 国会野党からは、まず社民・福島瑞穂さん、「9条が変えられなければよいのか、もうそんな段階ではない!3文書は改憲、戦争です!」「沖縄で戦争前提の避難訓練、シェルターありえない!」と訴えた。他に立民・水岡俊一、共産・田村智子、沖縄の風・伊波洋一(メッセージ)、れいわ・櫛渕万里の各議員が発言。市民からは、安保法制違憲訴訟・東京の杉浦ひとみ弁護士などの発言が続いた。
 11月6日には「つくるな!新しい国家安全保障戦略」等を掲げ、戦争・治安・改憲NO!総行動の呼びかけで「11・6防衛省デモ」が行なわれた。
 9月下旬から11月にかけて、B1B戦略爆撃機や米空母3隻などを投入する凄まじい米韓演習、米韓日の共同演習が連続し、一触即発状態となっている(マスコミは、朝鮮の対抗ミサイルばかり報道しているが)。防衛省デモは、日米韓軍事一体化反対!琉球弧の戦場化阻止!を強く訴えた。
 なお総がかり実は、11月30日・午後6時半・日比谷野音、「3文書」反対や統一教会問題で大集会を行なう。(W)


10・16京都
 反戦・反貧困・反差別共同行動
 変えよう!日本と世界

 10月16日、京都・円山野外音楽堂において、10・21国際反戦デー「第16回反戦・反貧困・反差別共同行動in京都」が午後2時より開催された。主催は同実行委員会。
 今回は、「新しい資本主義」に抗し、軍拡・改憲を阻止する大衆運動の構築へ!をスローガンに、約450名の参加で行なわれた。
 主催者を代表して、新開純也・代表世話人が集会の基調報告。特に安倍国葬と旧統一教会問題について、「サラエボの一発の銃弾が第一次世界大戦の引き金となったように、時として一発の銃弾が、たまりにたまっていたマグマを一挙に引きずり出すことがある。7月8日の銃弾は、自民党と統一教会との、安倍の祖父岸信介以来の長く、どす黒い関係を暴き出した。統一教会が反共であるだけでなく、日本の朝鮮植民地支配を逆手に取った差別者集団であり、カルト的政治組織であることは明らかである。宗教団体を装うこの組織の解散を要求しなければならない」と述べた。
 さらに、「自民党の汚染はすさまじい。岸田は、早々と国葬を決めた。その決定が党内安倍派におもねり、その支持基盤たる日本会議などの右翼、歴史修正主義者におもねる党利党略から発したものであり、安倍政治(12年体制)の継承宣言の場であり、このような最悪の人物が国葬などに値しないことは明らか」と表明した。
 講演が、「変革の原動力であり、その土台となるべき、民衆運動の課題は何か」と題して、木戸衛一さん(大阪大学大学院教授・ドイツ現代政治)から行なわれた。
 木戸氏は、このかんのウクライナ戦争を軸に転換期の世界として、「格差・貧困・気候変動・パンデミック・戦争・インフレ・食糧・エネルギー危機」について、ドイツの戦後の政党再編をベースに歴史的転換を全面的に展開した。そして、「2012年体制」の転換から近現代日本総体の見直しを訴え、「安倍国葬」は安倍政権の継続であり、改憲・戦争国家体制の完成を目指している、岸田政権を倒すだけでなく、自民党を解体しつくさなければならないと結んだ。
 特別挨拶として、重信房子さん(元・日本赤軍)が、「新しく社会に参加するにあたって」として獄中生活22年の闘いを軸に以下のように語った。
 「5月に出所しました。これまでの闘いのなかで大きな過ちもあったし、いいこともあった。異論がある人たちと対話し、そこから皆で一緒に語り合って日本を世界を変えて、市民運動の片隅で協力していきたいと思います。」「22年の拘禁生活のなかから体得したことは、恐らくたった今現在も高い塀のなかで苦しんでいる人たち・仲間のことを想いながら、全く人権のない日々、獄中の制度のおかしさ。明治時代に作られた監獄法が今も運用されている。世界から取り残されている」。
 さらに、「パレスチナの地から見た世界は」として、「連日のようにウクライナの悲惨が伝えられていながら、1948年以来の長きにわたって侵攻―占領が続くパレスチナのことは放置、知らぬ顔をしているのか。」「ゼレンスキーは、イスラエルのパレスチナ侵攻を支持している人なんです。ダブルスタンダードを正さなければ、世界に平和は来ません」と訴えた。
 この日は、4~5社のテレビメディアも集会の取材に来た。参加者は最後にインターナショナルを歌い、四条河原町から京都市役所までデモ行進した。(関西S通信員)
10・15〜16コミュニティ・ユニオン全国交流集会 in札幌

  しる・おこる・こえをあげる!
  つながる・ひろがる・かわる!

 10月15日・16日、北海道札幌市において、第34回コミュニティ・ユニオン全国交流集会が開催され、全国各地からユニオンの仲間250人ほどが参加した。
 第一日目は、CU全国ネットワークの全国総会から始まった。来賓の挨拶に続いて、岡本事務局長から2022年度の活動報告と23年度の活動方針が提案された。
 活動報告では、例年の厚労省交渉とともに、最低賃金大幅引き上げ、外国人技能実習制度廃止、全日建労組関西生コン支部への不当弾圧に対する闘いなど、現下に起こっている労働問題への取り組み、また8つの地方ネットワークの運動や課題別のネットワークの取り組みが報告された。今回は、全国ネットへの新規加盟報告はなかった。
 23年度活動方針としては、「今すぐ全国どこでも時給1000円以上!そして1500円に!」を掲げての最賃闘争をはじめ、解雇の金銭解決制度の法制化反対、憲法改悪反対など労働運動が全国的に連帯して取り組むべき課題が提起され、また全国100ユニオン・3万人のネットワークづくりを目指して、地方ネットの強化、各ユニオンの横の連帯を一層強めていくことが提起された。方針案は全員の賛同のもとに採択された。
 休憩の後で、市川守弘弁護士(アイヌサケ捕獲権確認訴訟弁護団長)から、「先祖のように自由にサケを獲りたい」と題して特別講演が行なわれた。
 市川弁護士は、ラロポアイヌネイション(旧浦幌アイヌ協会)のメンバーでもあり、その団体はサケ捕獲権、先住民の漁業権の確認を求め、国と北海道に対して提訴している。講演は、「江戸時代、松前藩に課税権はなく、コタン(集落)が自決権をもつ集団であった。その権利が明治政府によって奪われ、アイヌの漁労は禁止された。今、それを取り戻す権利がある」という内容であった。
 筆者は以前、「アイヌ神謡集」などを読んだことを思い出しながら、この講演を聞くことができ、労働者の尊厳と人権を守るユニオンらしいお話しであったと思った。
 続いて、三菱電機など各地の争議の報告、最後に参加ユニオンの紹介が行なわれた。残念ながらレセプションは、コロナ禍継続のため昨年に続き中止。争議報告は主な争議以外にも全国で奮闘する闘いがあるが、その報告交流会もコロナ禍以降開催されていない。ユニオンらしい取り組みなので、一考していただきたいと思った。
 二日目は、10の分科会に分かれての討論。各分科会においては、テーマごとに各地の闘いの経験を共有化するなど内容が深められ、各地に持ち帰ることができた。労働相談からの組合づくり、非正規労働者の待遇改善を取り組んでいる各地のユニオンにとって、闘いの経験を共有化することはとても大切なことである。
 最後に全体集会が行なわれ、「職場の不公正に泣いている人々の声を聞き、『あなたひとりじゃない』と伝え、ともに声を上げる運動を続けよう」との集会宣言を採択した。
 連合が、相談対応人材も枯渇し、地方連合会での相談を中央へ一元化する方向で、相談は組合づくり優先で事実上十分対応することが出来なくなっている中、全国各地のユニオンが地域の働く仲間の駆け込み寺・闘う拠点となって、相談に対応し会社と交渉することは大きな意義がある。
 各地のユニオンも、後継者育成など課題は大きなものがあるが、職場・地域全体の運動の中で後継者育成も考えていかざるを得ない。コミュニティ・ユニオン運動が各地の労働者や人権を守る仲間に、ますます頼られていることを感じた全国交流集会だった。
 来年2023年は、九州・熊本での開催。
 働く者の尊厳が侵害されている今日、働く仲間の希望となるよう、ともに頑張ろう。
 (ユニオン組合員N)


  韓国サンケン闘争終結報告集会

 第二次韓国サンケン闘争終結報告集会が、韓国サンケン労組(民主労総金属労組慶南支部韓国サンケン支会)の代表団を迎えて、大阪10・15、東京10・17、埼玉10・18と行なわれました。
 集会内容については、労使解決合意を考慮し、また当該韓国サンケン労組の意向を尊重して、本紙としては報道を差し控えることといたしますので御了承ください。本紙は今後も、日韓労働者民衆連帯を支援する紙面作りに、さらに努力する所存です。(編集部)