共に二十一世紀の革命の

                              時代を切り開こう

           労働者共産党中央常任委員会  

 全国の同志・友人のみなさん。  われわれは去る六月、共産主義者同盟と日本共産党(マルクス・レーニン主義)との統合を成功させ、「日本の共産主義者の本格的な統合への、比較的小さな、しかし確かな一歩である」ものとして、新しい党、労働者共産党を結成しました。 そして、党の当面の綱領的内容を示す「共同声明」(前号掲載)、党の組織路線を示す「規約」(今号掲載)などを決定しました。  労働者共産党の結成に対して、すでに少なからぬ皆さんからの支持と歓迎、激励と同志的批判の声が寄せられていることに、われわれは感謝します。ソ連崩壊以降とくに強まっている共産主義運動の清算、あるいは教条主義的停滞、その中での左翼諸派の分解の深まりという状況の中で、団結・統合を呼びかけ出発したわが労働者共産党の責務は重大です。  労働者共産党の団結・統合の呼びかけの政治・思想的基礎は、「共同声明」の中の「党の綱領的目標」にも示されているように、二十一世紀の地平に立って共産主義運動の新生に挑戦することです。  われわれは、「党の綱領的目標」の冒頭において、次のように宣言しています。  「われわれは、全世界のプロレタリアートと共同して、共通の次の目標を達成するために闘う。すなわち…  われわれは、主要な生産手段(土地を含む)の私的所有を廃止する。そして、労働時間を大幅に短縮する中で、精神労働と肉体労働、工業と農業、物的生産労働と労働力再生産労働、就労と失業などに人々が分割され、支配と隷属、差別と被差別の重層的連鎖の最深の土台を成してきた社会の就労構造を解体し、社会が生存のための経済活動に緊縛されている状態をもなくし、各人の自由な発展がすべての人々の自由な発展の条件であるような社会を目指す。それと共に労働の量に応じた分配を実現し、更に能力に応じて働き欲求に応じてとることのできる社会を目指す。  われわれは、労働力・労働手段・労働対象・労働生産物などの経済的諸要素の配分調整が、国家や資本の管理機構によって行われ、また市場を介して行われる資本主義的配分調整システムを廃止する。われわれは、過渡的にはプロレタリア国家の関与をテコとしつつ、社会の経済的諸要素の配分調整を生産・生活現場の人々がその必要に基づいて、直接・相互に・共同して、地域的・全国的・世界的に行えるシステムを構築していく。  こうしてわれわれは、全世界から階級と階級対立を消滅し、国家の死滅を実現し、全世界人民の連帯した協同社会、世界共産主義社会を実現する。この目標は、以下の政治革命の達成を条件に初めて全面的実現の道が開かれるものである。また以下の社会変革の目標と一体的に達成していくことを要するものである」と。  そして「党の綱領的目標」は、最後に、「以上の政治的、社会的諸任務の首尾一貫した遂行は、わが国のブルジョア独裁権力を打倒し、アメリカ帝国主義を一掃し、プロレタリアートの独裁を樹立することによってのみ成し遂げることができる」と締めくくっています。  われわれは、「党の綱領的目標」のこの骨格をしっかりおさえ、一つ一つの条項を実践の中に生かし、党外の人々の批判に耳を傾けながら、綱領的内容を更に改善していきます。こうしてわれわれは、労働者階級・人民大衆の自己解放運動の発展に助力していきます。わが労働者共産党の目標は、必ずや二十一世紀の労働者階級・人民の要求となり、時代を変えるでしょう。  だがもちろん帝国主義ブルジョアジーは、歴史の舞台からすすんで降板しはしません。帝国主義諸国の金融独占資本は、ソ社帝・官僚制国家独占資本主義の崩壊を契機に、アメリカ帝国主義を主柱とする国際反革命同盟体制の下での全面的な多国籍展開へと突進し、資本主義の新たな発展の時代の到来をおう歌してきました。アメリカ帝国主義はこの間、金融独占資本の搾取体系のグローバルな発展を促すために、いわゆる「グローバルスタンダード」と称し、諸国に「市場開放」「市場経済」「民主主義」を強要し、従わない諸国に対しては「人権」の擁護を口実にその「国家主権」を踏みにじり内政干渉を欲しいままにしてきました。  とはいえ、金融独占資本の多国籍展開と国際寡占体制の形成は、世界社会主義革命の物質的その他の諸条件を飛躍的に成熟させます。そして、アメリカ帝国主義の「ダブルスタンダード」な内政干渉がまかり通り、諸民族の「権利」の衝突を帝国主義が利用・促進する中で、帝国主義諸国は軍事介入の果てしなき拡大という泥沼に足を取られだしています。帝国主義ブルジョアジーの「国際社会」において、米帝の一極支配に対する不協和音がロシア等々の反発の形で拡大しだしています。国際帝国主義はその内部対立を、全世界人民への抑圧・搾取を強化することによってしか処理できません。全世界人民の反抗は不可避です。帝国主義ブルジョアジーの側に傾いた政治の流れが変わり、労働者階級の新たな闘いの発展と政治的進出へ、道が開かれるに違いありません。 日本においてもそのことがいえます。米帝は、西のNATO(北大西洋条約機構)を「コソボ」で侵略機構へと再編成した今日、いよいよ東の日米安保体制を、「朝鮮」「中国」への軍事介入で、日帝との共同侵略体制へ再編成しようとするでしょう。日帝ブルジョアジーは、これに備え、またこれを機会に覇権拡張を目論んで、周辺事態法を成立させ、組対法、国旗・国歌法、住民基本台帳法改悪、有事法制などの成立を急ぎ、国会に憲法調査会を設置し、国連安保理常任理事国入りの外交攻勢をも改めて強化しています。われわれは、米日帝国主義のこうした動向に不信と警戒を高める中・朝人民と連帯し、周辺事態法の発動を阻止する全人民の闘いを発展させ、世界史的大転換の時代に反動的に対処する敵国家体制の再編を挫折させていかねばなりません。 そして何よりも問われているのは、、労働者階級・人民自身の運動と組織を世界史的大転換の時代に相応しいあり方へ転換し、たたかう態勢を整えることです。  すでに新しい運動の要素が、様々な形態をとって湧き起こってきています。野宿労働者の運動、「外国人」労働者の労働組合、女性労働者の組合、地域ユニオン、管理職ユニオンなどが次々と誕生し、発展をたたかいとってきました。労働条件だけでなく、労働のあり方・生活のあり方を問題にし、自然環境との関係をも対象化する労働運動が発展しました。そうした中で、就労と失業、組織と未組織、性・「身分」・民族・国籍の違いや「障害」の有無などによる差別・分断を超えた日本労働運動の新生が展望されつつあります。また、自然環境破壊を阻止するための様々な運動が生まれ、これまでの農業のあり方を問い都市消費者との直接的な結びつきを強める農民運動が広がり、ブルジョア学校制度の破綻が明らかになる中で学習システムのあり方の変革が課題として急浮上し、「老後」への不安が高まると共にその生活のあり方への関心が高まり、女性が地域の市民運動・政治活動に進出し、住民投票が各地で闘いとられるなど、地域生活において新たな社会変革の動きがみなぎりはじめています。われわれは、行き詰まった社会制度の根底からの変革を目指す労働者の闘いを、職場・地域から前進させていかねばなりません。労働者人民の新しい内容を持った統一戦線が発展する条件は強まっています。  労働者階級・人民のたたかう態勢を構築する事業の今日的要は、共産主義運動の抜本的な建て直しです。共産主義運動の建て直しを要として、労働者人民の統一戦線は、革命的統一戦線として発展します。マルクス・レーニン主義の現代的発展の地平に立って、現代修正主義日本共産党にかわる革命的労働者党を創建するための長年にわたる活動を総決算し、共産主義運動のより大きな統合を闘いとらねばなりません。  当の日本共産党は、自自公連立政権と対立する唯一の野党という立場を押し出しているものの、ブルジョア民主主義的世界秩序への貢献を名目とする現代帝国主義の政治と本質的に対決できず、また完全に議会主義・議員政党化しており、ブルジョア階級支配を補完する役割を強めずにいません。そうした中で、この世界史的な時代の節目に際して、日本共産党と綱領・戦術・組織にわたって真に根底から訣別し・今日の労働者階級の自己解放の道を指し示すことのできる革命政党が切実に求められて来るでしょう。わが労働者共産党の結成は、この時代の要請に応える努力のささやかなれど確かな一歩です。  新たな時代の階級攻防は、支配階級の国家再編と労働者階級の革命政党創建という非和解的な対抗関係をはらみつつ始まっています。共産主義運動の分散した現状の容認は、敗北に通じており、断じて・着実に克服してゆかねばなりません。共に団結し二十一世紀の革命の時代を切り開いていきましょう。