沖縄島ミサイル配備糾弾
  陸自訓練場計画、オスプレイ再開を撤回せよ!

 防衛省は3月14日未明、沖縄県うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地へ、12式地対艦ミサイル発射機などを積んだと見られる車列を進入させた。
 そして同21日、勝連分屯地で「第7地対艦ミサイル連隊」を発足させた。分屯地の定員は90人から200人増やされる。沖縄島では初の陸自ミサイル部隊配備であり、この連隊本部が、先行配備済みの奄美・宮古・石垣を含めた4つのミサイル部隊を指揮するとされている。
 ミサイル発射機は当初、中部東岸の中城湾港に陸揚げされる予定であったが、事業者や全港湾が同意せず、それで11日に航空自衛隊のC2輸送機によって那覇空港に空輸されていた。
 その他のミサイル部隊各車両・資材は3月10日、中城湾港に陸揚げされ、沖縄民衆の阻止行動に直面することとなった。約150名の市民・労働者が、「戦争につながるミサイルいらない!」と朝から港ゲート前に座り込み、また勝連の分屯地前でも、部隊車両の進入に抗議した。
 また、うるま市では昨年末に陸上自衛隊訓練場の新設計画が明らかとなり、反対運動が地域ぐるみで発展して来ている。陸自訓練場は市内石川のゴルフ場跡地に計画されているが、県立青少年の家に隣接し、1959年米軍機墜落大惨事の宮森小学校にも近い。教育関係、自治会、市議会がすべて反対し、中村正人うるま市長も反対している。
 3月10日、地元議員や市民によって「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」が設立され、20日には市内で1200名以上参加の決起集会が持たれた。この件では、うるま市から「オール沖縄」状況が再生・拡大しているのである。
 3月7日の沖縄県議会も、この訓練場計画の白紙撤回を求める意見書を全会一致で可決している。自衛隊施設の新設について、県政与野党が一致して反対するのは初めて。6月沖縄県議選を前に、野党自民党が、盛り上がる訓練場反対の世論を考慮したとも見られている。防衛省は依然、訓練場計画を撤回していない。うるま市での土地取得を断念しても他所をねらう。27日、上京団が防衛省に断念を求めた。
 米政府は3月8日、昨年の屋久島墜落事故の原因を明らかにしないまま、オスプレイの飛行再開を表明し、在日米軍は14日から普天間基地のオスプレイ再開を強行した(日本政府もこれに追随し、陸自オスプレイの飛行再開を千葉・木更津で21日から強行)。玉城知事はこの日、初日からいきなり住宅地上空を飛ばしたことに強い憤りを表明し、翌15日の那覇市では、オール沖縄会議が3百名の緊急抗議集会をもった。
 石垣市では3月11~13日、米海軍のイージス・ミサイル駆逐艦「ラファエル・ペラルタ」が、石垣港沖合に寄港した。事態を重視した全港湾沖縄は同日間、石垣港で40名がストライキを決行。沖縄県の民間港では初の駆逐艦入港であり、また南西諸島のミサイル基地化が進む中での、米軍ミサイル戦力の主役の寄港であるからだ。
 駆逐艦の喫水が深く、今回沖合停泊となったが、これを機に石垣港が軍港仕様に改修される危険がある。中山市長は米艦寄港を問題視しておらず、改修に補助金が出る「特定重要拠点」に石垣港が指定されることを望んでいる。政府は近日、石垣港・那覇空港を始めとする全国11港湾・5空港を、「特定重要拠点」の第一弾として指定する。
 多くの諸問題は、戦争と戦場化の危険が迫っていることを示している。沖縄民衆はこれに抗し、差し当たり6月16日投開票の県議選で、平和実現の断固たる回答を示すだろう。(A)


100回め国会前「19の日」行動に1300人
  戦争法廃止!腐敗自民党打倒

 国会前の毎月「19の日」行動が、安保法制(戦争法)成立以降、100回めを迎えた。
 その3月19日の行動は、「第100回目、取り戻そう!憲法を生かす政治、3・19国会議員会館前行動」として闘われ、労働者・市民1300名が結集した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と9条改憲NO!全国市民アクション。
 安倍政権は2015年9月19日、戦争法を強行成立させ、集団的自衛権を名目に日本を海外武力行使の道へ引き込んだ。以降、日本の労働者人民は全国各地で「19の日」行動などを展開し、8年半に渡って戦争法発動を許さず、明文改憲を阻止し続けてきた。行動を百回やっても未だ戦争法を廃止できていない、と言うこともできる。
 安倍政権、菅政権を引き継いだ岸田首相は、昨年来の裏金自民党問題で危機に瀕しつつも、1月30日の施政方針演説では、「総裁任期中に改憲を実現したい思いに変わりはなく、今年は条文案の具体化を進め」るとし、3月2日に24年度予算案を衆院通過させるところまでは延命した。しかし今や、岸田と自公政権が倒れるのか、それとも9条改憲・戦争突入に至るのか、これが問われる正念場の時となっている。
 国会前行動はまず、戦争をさせない千人委員会の藤本泰成さんが主催者挨拶。「9年前の強行採決、それからこの場に立ち続け100回目になる。自公政権は台湾有事や朝鮮有事に参戦するため、軍事演習を続けている。1945年8・15前の歴史を繰り返させてはならない!」と訴えた。
 政党挨拶では最初に、立憲民主党の近藤昭一衆院議員。「ガザがイスラエルに包囲され、すでに3万1923人もの人々が虐殺された。多くは女性と子どもだ。9条の理念を実現すべきだとパレスチナの人々に言われた。自公政権を倒して平和主義を守っていこう!」と訴えた。
 社民党の福島瑞穂参院議員は、次期戦闘機の輸出策動を糾弾した。
 
次期戦闘機の輸出が

 自公与党は3月15日、英国・イタリアと共同開発する次期戦闘機について、日本から第三国への輸出を可能とすることを合意した。26日にはこれを閣議決定し、国家安全保障会議で防衛装備移転3原則の運用指針を改定した。自公政権は昨年末にも運用指針を改定し、パトリオット迎撃ミサイルの対米輸出を可能としていた。しかし今回の閣議決定は、典型的な殺傷兵器である戦闘機を第三国(他国一般)に輸出可能とするものであり、武器輸出国への大転換である。
 岸田政権は、この転換によって価格低減化など武器輸出競争力を付け、国内防衛産業の強化発展を進めんとしている。公明党は①輸出は次期戦闘機に限る、②輸出先は防衛装備品・技術移転協定の締約国に限る、③「現に戦闘が行なわれている国」は除外、との限定が付いた与党合意であると強調しているが、ほとんど意味を成さない。輸出対象は案件ごとに閣議決定で決めるとしており、戦闘機以外にも拡大する。
 国会前で福島瑞穂議員は、「日本は武器を売らない国だった。軍事産業優先のこの政策を許さず、自公政権を終わらせよう!」と訴えた。他に、日本共産党の田村智子参院議員も発言した。
 市民からの発言では、秘密保護法対策弁護団の海渡雄一弁護士が登壇。「今国会に提案されている経済秘密保護法案(経済安全保障法案、セキュリティ・クリアランス法案とも言われる。編集部注)は、特定秘密保護法を経済分野にまで拡大する法案であり、適性評価の範囲を公務員から民間人・研究者など数十万人に広げる。国の政策に係わる経済・技術が、重要経済安全情報として秘密指定される。秘密保護法以上の悪法だ」と批判し、「立憲民主党も足並みを揃えて反対してほしい」と呼びかけた。
 続いて、「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委の野平晋作さん。最高裁は2月29日、埋立承認代執行訴訟で、一切の審理も開かないまま沖縄県の上告を不受理とした。これにより、昨年12月の福岡高裁那覇支部の代執行容認判決が確定する事態となった。
 野平さんは、「辺野古新基地問題は、今回の最高裁決定で決着したわけではない。軟弱地盤の調査が不十分な中で強行される工事に、今後も問題が噴出するのは確実」として闘いの継続を訴えた。
 沖縄では4月6日、名護・瀬嵩の浜で、オール沖縄が「民意・自治・尊厳を守り抜く県民大集会」を開く。東京ではこの4・6県民集会に連帯し、4・2院内集会、4・5首相官邸前集会、4・6新宿スタンディングアピール行動を闘う。
 最後に、総がかり実共同代表の菱山南帆子さんが、「自民党は裏金、統一教会癒着、青年局の性差別・セクハラ事件など、以前から腐りきっていた問題が暴露している。能登地震でも、被災者は棄民政策で苦しめられている。いのちよりカネの自公政権を倒そう!」と訴えつつ、以下を行動提起。
 3月28日、総がかり新宿署名街宣行動。
  30日、「パレスチナ土地の日」、新宿駅4ヵ所円周ラッピングデモ。
 4月16日、有楽町ウィメンズアクション、午後6時。
  19日、第101回「19の日」行動、議員会館前・午後6時半。
 5月3日、「5・3憲法集会」、江東区有明防災公園・午前11時開場。
 岸田と自公政権に終わりが迫っている。4・28衆院3補選(島根1区、長崎3区、東京15区)で自公および同類を全敗させ、政権交代の激動情勢を勝ち取ろう!(東京O通信員)
  

2・23大阪
 第8回狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西
  垣根をこえて関西から再審無罪へ

 2月23日、大阪市・西成区民センターにおいて「第8回・狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西」の集会が、「垣根を越えて」の副題のもと開催され、350名をこえる参加者であった。
 地元、部落解放同盟大阪府連書記次長の袈裟丸(けさまる)朝子さんが冒頭挨拶、「狭山50万署名の力を背景に、家令裁判長に再審開始請求の力強い行動を!」と訴えた。
 石川一雄・早智子夫妻のビデオメッセージがあり、「生き続けて、断固無罪を勝ち取る」と表明し、大きな拍手。
 そして各冤罪事件からは、袴田ひで子さん(清水こがね味噌事件被害者家族)、青木恵子さん(東住吉事件被害者)、西山美香さん(湖東記念病院事件被害者)が、それぞれの連帯挨拶を行なった。
 政党では、れいわ・大石あきこさん、立憲民主大阪の野村生代さん。大石さんは、国会での超党派の「再審法改正」の動きを報告。
 記念講演として黒川みどりさん(静岡大学教授・近現代史。近著「被差別部落に生まれて」)が、「石川一雄さんの歩みと私たちの課題」と題して講演し、「民衆分断支配の近現代史の中で、部落差別が狭山事件を造り、石川さんがターゲットにされた。若い人にも狭山に大きく関心が広がっている。再審無罪にむけた歩みを強めていこう」と訴えた。また、吉崎なおみさん(天王寺夜間中学同窓会会長)から、文字を勝ち取った石川さんの思いを胸に夜間中学存続を訴える挨拶もあった。
 今回は新たな企画として、伊藤睦さん(京都女子大学教授・法学)監修での大学生ら(イノセンスプロジェクトジャパン学生ボランティア)による「模擬裁判」が演じられ、じかに法廷でのやり取りを共有することが出来た。
 狭山事件は現在、弁護団が22年8月に事実取調べ請求(新証拠の鑑定を行なった科学者ら11名の証人尋問と、石川さん自宅から発見された万年筆の真偽を確認するための裁判所による鑑定の実施)を行ない、状況いかんでは年内にも裁判所の決定が出される方向で推移している。
 この事実調べを求める全国緊急署名は、54万筆を超えて拡大中だ。
 関西ではこの間、「再審請求キャラバン行動」を1つの軸とした取り組みが、各地の労組・議員・個人、「市民の会」「住民の会」によって進められてきた。本集会では、「狭山事件の再審を求める釜ヶ崎住民の会」も各団体とともに進行にたずさわり、狭山再審勝利に向けて結束した取り組みを展回している。
 集会後は、JR新今宮駅へ向けた街宣パレードを行なった。(大阪I通信員)