反戦の秋へ!沖縄連帯10・21新宿デモへ
 「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」と共に
   11・23県民集会は全国決起


 自民党の麻生副総裁が8月8日、台湾を訪問して講演し、「強い抑止力を機能させる覚悟が求められている。戦う覚悟だ」と暴言を吐いた。日本の自衛隊を、中台関係介入の侵略戦争に突っ込ませることを宣言したに等しい。安倍前首相の「台湾有事は日本有事」(台湾オンライン講演21年12月)は、岸田政権の「安保3文書」に発展したが、今回の麻生の「戦争する覚悟」は、このままでは戦争発動に発展する。
 ただちに沖縄では8月13日、「麻生暴言に抗議し発言の撤回を求める緊急集会」が闘われた。主催は、「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」であった。(「県民の会」は7月25日、63団体・個人賛同で設立。共同代表は具志堅隆松、瑞慶覧長敏。事務局長は山城博治の各氏)。
 また、8月19日には米日韓首脳のキャンプデービット会談が行なわれ、3ヵ国の首脳会談、防衛外相協議、共同軍事演習の定例化など、米日韓軍事連携の「新たな高み」をうたった。また、韓国ユン政権はこれまでの保守政権とも異なり、米日の中国包囲に調子を合わせつつある。しかし朝鮮半島でも、対中国でも戦争はまっぴらごめんだ。
 沖縄の「県民の会」は、11月23日に那覇市奥武山公園で、沖縄を戦場にさせない「県民集会」を開催する。これに呼応しで全国各地で決起しよう! 沖縄・日本の戦場化を許さず、長射程ミサイル配備・岸田大軍拡を一掃する大きなうねりを作り出そう!
 今秋は反戦の秋だ! 
 東京ではまず、辺野古新基地建設反対で9・23「大浦湾を埋めるな」集会(辺野古実主催)が文京区民センター・午後6時。
 そして10月21日、「東アジアに平和を!琉球弧の島々を戦場にするな新宿アクション」(仮称)が、ひろく実行委主催で準備されつつある。沖縄・韓国・アジア太平洋民衆と連帯し、東アジアの平和をかちとろう!


関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年
8・31犠牲者追悼大会に1800人
  国家責任を問い再発許さず

 岸田政権が大軍拡と東アジアの戦争状況の醸成を図らんとし、これに呼応する形で排外主義や民族主義が、右翼勢力ばかりではなく既成議会内野党や左派勢力内においても蔓延する中、他方では東アジアの平和を求め、在日外国人との共生を求める運動などが若い層への広がりも含め、ねばり強く進められている。
 こうした情勢下、今年で100年目をむかえた関東大震災(1923年9月1日発生)の以降に起きた、朝鮮人、中国人、被差別部落民、社会主義者・労働運動家への軍・警察・「自警団」による虐殺の犠牲者を追悼する諸集会、史実を教訓とする諸行事が、都内を含む関東各地で行なわれた。
 ここでは、東京・文京シビック大ホールで8月31日・夜に行なわれた、「歴史に誠実に向き合い、国家の責任を問い、再発を許さない共生社会への第一歩を!」との副題による「関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会」について報告する。
 同追悼大会は、関東大震災朝鮮人・中国人虐殺100年犠牲者追悼大会実行委員会の主催で行なわれ、大ホールいっぱいの1800人の参加で開催された。
 大会は、開会挨拶を実行委員会共同代表の田中宏一橋大学名誉教授、在日韓国・朝鮮人挨拶を一般社団法人ほうせんか理事の愼民子さん、在日中国人挨拶を関東大震災中国人受難者を追悼する会共同代表の林伯耀さんが行ない、また、韓国からは関東大震災朝鮮人虐殺犠牲者遺族会の権在益代表、中国からは温州遺族聯誼会の周江法会長がそれぞれ遺族代表挨拶を行なった。
 来賓挨拶が中華人民共和国駐日本大使館、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)からそれぞれ行なわれ、政党政治家からは、この朝鮮人・中国人虐殺に関する国家ぐるみの関与について先の通常国会で質問を行なった立憲民主党の杉尾秀哉参議院議員、社会民主党の福島みずほ党首からそれぞれ挨拶があった。8月30日の記者会見でも松野官房長官は、「政府内において事実関係を把握する記録は見当たらない。政府として調査する意志はない」とし、ウソでたらめを続けている。
 海外からの連帯挨拶は、韓国から関東大震災虐殺100周忌追悼事業推進委員会の李娜栄共同代表、中国からは王希天研究会の王旗会長(王希天は中国人労働者支援活動家で、9月12日軍に虐殺された)、そしてアメリカからはサンフランシスコ「慰安婦」正義連盟のジュディス・マーキンソン会長から行なわれた。
 特別報告は田中正敬専修大学教授、ノンフィクションライターの安田浩一さん、ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワークの崔江以子さん、9・1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会の宮川泰彦さんからそれぞれ行われた。追悼碑がある横網町公園の式典では、今年も東京都は小池知事の追悼辞を拒否し、都認定のヘイト団体による妨害行為を放置した。
 休憩をはさんで、追悼のピアノ演奏が崔善愛さん、歌曲が李政美さんと紫金草合唱団で行なわれ、草の根の報告として、千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会の平形千恵子さん、一般社団法人ほうせんか代表理事の落合博男さん、関東大震災朝鮮人虐殺の真実を知り追悼する神奈川実行委員会代表の山本すみ子さん、関東大震災中国人受難者を追悼する会の川見一仁さんからそれぞれ報告があった。また朝鮮人虐殺の記録映画製作を続ける呉充功監督からの発言があった。
 最後に集会宣言が提案され満場の拍手で採択された。閉会挨拶は、実行委員会の藤田高景事務局長からなされた。
 この集会では、かって軍・警察がデマと虐殺を先導したのと同様に、岸田内閣をはじめ日本の歴代政権が史実に向き合わず、侵略の歴史を是認するがごとき姿勢を続けていることが、現在のヘイトスピーチ、ヘイトクライム跋扈の温床となっていること、この現状を許さず変えていく重要性が確認された。
 またこの集会には、公式の代表ばかりではなく、韓国民主労総のキム・ウニョン副委員長をはじめ民衆運動側の人々も多数参加している。歴史の真実を各国・地域の民衆が共有化し、戦争のない平和の東アジア、共同で共生できる連帯社会を目指さねばならない。(東京Ku通信員)


日中平和友好条約締結45周年
8・10記念大集会

  中国対決政治の清算を

 日中平和友好条約締結45周年記念大集会が8月10日、衆議院第一議員会館で開かれ、約300人が参加した。主催は同集会実行委。
 主催者を代表して「村山首相談話の会」の藤田高景理事長が、「中国を仮想敵国に仕立て上げて、着々と戦争準備に突き進んで良いのか。日中平和友好条約の精神に立ち返って善隣友好関係を取り戻そう」とあいさつした。
 来賓のお二人から挨拶。鳩山友紀夫元総理は、「日本政府は、棚上げしていた尖閣諸島を国有化して緊張を高めた。日中共同声明には『日本政府は、台湾が中国の領土の不可分な一部であるという中国の立場を十分理解し、尊重する』と書かれている。台湾は中国の内政問題である。日本政府は台湾の独立を支持しないと表明することが肝要だ。」と述べた。
 また呉江浩駐日中国大使は、「日中平和友好条約は、両国間の恒久的な平和友好関係を発展させるために、内政に関する相互不干渉、すべての紛争の平和的手段による解決、覇権を確立しようとするいかなる国の試みにも反対する基本原則を確認した。友好こそ両国の利益に合致するものである。中日関係の四つの基本文書に従い両国関係の大局を守り、人的交流を促進し相互理解を図ることが大事になっている。」とあいさつした。
 元広島平和研究所所長の浅井基文さんが、「バイデン・岸田対中対決政治は清算しなければならない」と題して記念講演を行なった。「アメリカは世界一極支配を維持しようとしているが、上手くいっていない。ウクライナ戦争、世界的な脱ドル化の動き、無理な中国封じ込めなどバイデン政権の対外政策は行き詰まっている。岸田政権は、親米反中路線をとり、アメリカの軍事戦略に全面的に加担し、安全保障三文書を閣議決定した。先制攻撃準備、対米兵站支援、ミサイル基地建設、民間施設の軍事転用などをすすめている」とし、対中対決政治を批判した。
 台湾問題については「アメリカは中華人民共和国成立、朝鮮戦争以降、台湾は絶対に中国に返さない方針である。中国は国内法よりも国際法が優先する立場、アメリカは世界でも稀な国際法よりも国内法が優先する立場である。国内法の台湾関係法で、台湾有事が起これば軍事介入する余地を常に残している。国際法のポツダム宣言・カイロ宣言では、『台湾は中国に返還されるべき』と書かれている。日本政府はアメリカの立場を尊重している。アメリカと日本は、中国に武力行使をしないと約束しろと迫っているが、中国は、台湾は内政問題だから外国は口を出すなと言っている。台湾が『独立する』と言ったら、中国は武力解放することになる。日本が関与すれば中国からの報復攻撃の可能性がある。日中不戦条約を締結する必要がある。日本は米中のいずれの側にも与することなく、平和憲法の原点に立ち返り、平和外交を積極的に営まなければならない」と述べた。
 各界からの発言として、元経済産業省の古賀茂明さん、人材派遣会社ザ・アールの創始者の奥谷禮子さんは、ピース・フィロソフィー・センター代表の乗松聡子さん、沖縄大学地域研究所特別研究員の泉川友樹さん、日中一帯一路促進会の大野芳一さんが発言した。
 最後に日中労働者交流協会の伊藤彰信さんが、「戦争、虐殺、差別をなくし、平和・友好を促進していこう」と閉会のあいさつを述べた。(東京K通信員)