尾澤裁判に勝利を
 2月からは弁護側証人尋問へ

 韓国サンケン闘争支援の本社行動で昨年5月に不当弾圧された尾澤孝司さんの裁判が、今年11月9日より、さいたま地裁で開始されている(初公判には100人以上が結集)。このことは、「支援する会ニュース」などで多く伝わっているだろう。ここでは付記すべきことを書くこととする。
 まず2回目の11月11日公判。検察側高山証人に対する弁護人質問で、警備会社の現場責任者であった高山証人に、警備内容について質問をしたところ、通常の警備とは別に毎週木曜日と隔週月曜日には、「抗議」(これは抗議ではなく要請であった)行動に対し、人員を増やして対応したとの証言を得ることができた。その通りで、事件化された2021年5月10日の埼玉市民の会の行動は、韓国地労委の勧告に応じるよう要請を行なったものであり、警備側の対応は、通常の月曜行動時よりも増員されていたと思える。
 日常的な警備内容である社員証の確認業務のほか、明らかに「抗議」行動に対する対応は業務の主要な要素であり、「抗議」行動が「威力業務妨害」に該当するとの論拠は、完全に破綻しているのだ。実際高山証人は、「警備会社も被害申告していないし、自分も警察で業務妨害だと話していない」と証言した。
 3回目公判の検察側鈴木証人、4回目の検察側福田証人による尾澤さんの「暴行」に対する証言も、高山証人がよろけたとした事態も(演技が含まれているようだが)、転倒するような事実もなく曖昧にしか証言できていない(逆に尾澤さんを敷地外に押し戻したという暴力性の方がある)。ここに、この裁判の真実が透けて見える。
 この裁判は、単なる「暴行」への裁判ではなく、「労働争議」に関わる裁判であるが、それを超えて明らかな公安裁判であることが鮮明となりつつある。いくら杜撰な検察側の起訴内容たりとも、国家権力の威信をかけた裁判になりつつあるため、楽観を許さず勝利の最後まで闘い抜くことが肝要と言える。
 次回の第5回公判は2月27日。弁護側証人として、支援者の松平直彦さんが証言する。そして4月26日には、弁護側証人としてキム・ウニョンさんが登場する。尾澤裁判勝利のため、さいたま地裁を埋め尽くそう。(Ku)


韓国サンケン闘争終結その後—
 11月労働者大会へ訪韓

 11月11日~14日、筆者は、韓国サンケン闘争の日本における連帯闘争を共に闘った仲間と共に、民主労総の11・12全国労働者大会の日程に合わせて、ソウルを訪問した。この2年間、コロナ禍で日韓の間の往来ができない状況を超えてサンケン闘争を闘い抜かねばならなかったこともあり、訪韓への思いは強かった。
 しかし、個人的には3年ぶりとなった訪韓は、以前にはなかった出入国手続きに煩わされた。やっとの思いでこれを乗り越えて韓国入国を果たすとすぐに、3日後の日本帰国のために、仁川空港の近くでPCR検査(陰性証明取得)をやるという具合だった。
 一日目の11日は、日本における高校無償化からの朝鮮学校排除と闘う本国の市民運動団体の集いに参加することが出来た。キム・ウニョンさん(元全国金属韓国サンケン副支会長)たち民主労総のメンバーともその場で会えたが、国家保安法弾圧の件が昌原市方面で急遽持ち上がったということで、かれらは早々に出立していった。集いは、一流の演奏・歌唱が続く音楽の夕べという感じでとても素晴らしかったが、最後は参加者全員が舞う大盛り上がりとなった。
 二日目の12日は、メインの労働者大会・ロウソク集会への参加と、元韓国サンケン労組の仲間との交流だ。
 今年の大会は、「労働改悪阻止!労組法2・3条改正!民営化中断!チョン・テイル烈士精神継承2022全国労働者大会」を掲げ、9万人が大通りを埋め尽くして開催された。我々も、チョン・テイル記念館を見学した後、産別ごとの隊列が結集していく中で大集会に参加した。次第に断続的に雨が激しくなる中、同じ場所で引き続き、ロウソク集会が新たに市民も加わって始まった。梨泰院大惨事で亡くなった青年たちへの黙とうが行われた。国家の責任を問う声が広がっている。労働者大会の最中にオ・ヘジンさん、キム・ウニョンさんをはじめ元韓国サンケン労組の仲間たちが合流してくれた。
 ロウソク集会後、交流会へと向かった。今回は、ハンスト中の韓国ワイパーの仲間が紹介され、韓国サンケン闘争終結の埼玉での報告会に参加してくれたイ・ジノ事務部長が交流会も共にしてくれた。
 三日目の13日はまず、汝矣島の国会前でハンストをしている韓国ワイパーの仲間を訪ねた。前日もお会いしたのだが、明るく元気のよいお母さんのチェ・ユンミ分会長である。ひとしきりお話しした後、物販品の靴下をいただき、テントを後にした。そして「西大門刑務所歴史館」、「植民地歴史博物館」を回った。リアルで重い内容だ。親だか、教師だかが、子どもらを連れて熱心に歴史教育をしている姿が印象的だった。
 四日目は、早々に帰途に就いた。とにかく今回の訪韓の不安の種は、出入国のために用意したファイルが大丈夫なのか、なのだ。以前の訪韓の際には目いっぱい「観光」して、帰国は真夜中だったが、今回はそうはいかないということだ。結果的にはスムーズにいき、空港で乾杯した。(M)


12・28〜1・5
 釜ヶ崎越冬闘争へ!
  釜講座「新春・釜歩きツァー」は1・3

 大阪・西成では、「第53回釜ヶ崎越冬闘争」が、2022年12月28日の「越冬突入集会」を皮切りに、2023年1月5日の「対行政要望書行動」まで打ちぬかれる。
 新型コロナの漸次拡大が続くなか、越冬闘争実行委員会はこれまでと変わらず、「なかま内の団結で一人の餓死・凍死者も出させない」、このたたかいを基本とした陣形を構築しながら諸取り組みを計画している。
 多くの仲間の結集と連帯の行動で、第53回釜ヶ崎越冬の闘いに断固勝利していこう!

★第53回越冬闘争期間中の主な行動
 〇越冬突入集会 12月28日 三角公園・午後6時~ 各支援団体・実行委各参加団体の連帯アピール等。
 〇人民パトロール 12月30日~1月3日。
 〇医療パトロール 12月28日~1月3日。
 〇期間中の臨時宿泊・炊き出し体制の貫徹。
 〇越冬まつり・イベント 12月30日~1月3日 餅つき大会等各イベント。三角公園・午後4時~ステージ演奏。
 1月2日、「センター問題討論会」。ふるさとの家・午前11時~ 主催・センターの未来を提案する行動委員会。闘争アーカイブ情宣。
 1月5日、対府市要請行動。
 また、「釜ヶ崎講座」は以下の行動を予定している。
 12月31日「釜ヶ崎越冬連帯行動デー」 釜ヶ崎日雇労働組合事務所・午後7時集合。
 1月3日「新春釜ヶ崎歩きツアー」 釜ヶ崎日雇労働組合前にて午前12時30分集合・受付。
 (大阪I)