安倍国葬反対!8・31国会正門前4千人
 民主主義の帰趨かかる



 安倍国葬反対の声が各界・各地で広がるなか、8月31日午後6時、東京・国会正門前一帯で、安倍元首相「国葬」反対!8・31国会正門前大行動が行なわれ、約4000名が参加した。主催は、60余の団体が急きょ参加の安倍元首相の「国葬」に反対する実行委員会。その呼びかけは、戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委。
 最初に、内田雅敏さん(戦争をさせない千人委員会事務局長)が主催者発言。「安倍元首相が、統一教会の単なる広告塔ではなかったことが明らかになっている。親子三代で統一教会と癒着し、日本の政治を歪めてきた。岸田首相の7月22日の国葬閣議決定は、まさに安倍政権による安保法制強行の方法と同じ。この安保法制で今、日本が戦争する危険が高まっている。憲法違反の閣議決定、法的根拠のない国葬を撤回させ、安倍・岸田の政治を転換させよう」と訴えた。
 集会は正門前を埋め尽くし、「閣議決定、今すぐ撤回!」「国葬で税金使うな!」「哀悼を強制するな!」「国葬でなく国会開け!」等々のコールで盛り上げた後、国会野党挨拶。
 衆院からは日本共産党・小池晃、立憲民主党・阿部知子、参院からは社民党・福島瑞穂、沖縄の風・伊波洋一(メッセージ)の各氏が発言。阿部議員は小児科医の立場から、宗教2世の精神的苦しみについて触れ、山上容疑者を犯行へ向かわせた政治と社会の歪み、安倍うそつき政治を正さねばならないと訴えた。
 伊波議員は、9月11日投開票の沖縄県知事選の争点を語り、辺野古NO!とともに、自公政権が県民合意なく南西諸島ミサイル基地化を進め、台湾有事で沖縄を戦場として提供しようとしていることが争点、これを断固許さず玉城知事再選に勝利すると訴えた。
 市民団体からは、民法改正情報ネットワークと、安倍国葬させない家父長制反対連絡会が、ジェンダーとセクシャリティをめぐる保守政治との闘いについて語った。安倍元首相、統一教会、日本会議などはこのかん、性教育・選択制夫婦別姓・ジェンダーフリーへの攻撃を続けてきた。安倍をバックに山谷えり子、高市早苗、杉田水脈らがその先頭に立った。安倍の執政は、ジェンダー平等の暗黒の時代となった。安倍国葬は、この保守政治を死んでも続けたいとするものだ。今後、カルトの働きかけを断つだけではなく、政治・社会の家父長主義の体質から変えていかねばならないと。
 中野晃一さん(安保法制反対・立憲主義回復を求める市民連合)も発言。「岸田政権は、右派を包摂するために安倍国葬を急いで決めたのだろうが、まったく裏目に出ている。今日はメディア取材も多い。海外メディアの注目は当初、平和な日本でなぜ銃撃?というものであったが、ここに来て日本の政治の変化を報道しつつある。旧い政治を変える好機が来ている」。
 最後に、総がかり実の菱山南帆子さんが、先日の韓国「19の日」行動への訪韓報告をしつつ、行動提起して終了。
 当面の大結集は、国葬反対!原発・戦争いらない9・19代々木公園だ(2面に案内)。
 国葬強行ならば、当日9・27午後2時、国会正門前で大抗議だ。
 これら総がかり実の取り組み以外でも、国葬反対の様々な集会・デモ、各界の反対声明、支出停止を求める裁判提訴、各県での監査請求などが広がっている。
 反戦実行委なども、9・23、9・27には独自行動で闘う(1面下に掲示)。

  大阪9・19

 大阪での国葬反対は9・19、ひろい共同行動が取り組まれる(PLP会館・午後2時)。
 「今回の国葬問題は、日本の政治のあり方や日本の民主主義の帰趨を左右する極めて重大な問題だ」(藤田高景さん・安倍元首相の国葬を許さない会)、この認識が急速に広がっている。カルト規制の方法論に課題を狭めるのではなく、自公政治からの大転換こそが求められている。(東京W通信員)


8月「19の日」行動、国会前1200人
「国葬」閣議決定撤回!


 7月参院選後、自民党と統一教会の癒着への批判、また岸田政権の安倍「国葬」閣議決定に反対する声がひろがり続ける中、8月の「19の日」行動が各地で行なわれた。
 東京では8月19日・国会前で、「安倍元首相国葬反対!改憲発議反対!軍拡やめろ!辺野古新基地建設中止!くらしといのちを守れ!ロシアのウクライナ侵略反対!8・19国会議員会館前行動」として行なわれ、1200人が参加した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、9条改憲NO!全国市民アクション。
 「参院選後、一ヵ月あまりで情勢ががらっと変わってきた」と司会が切り出し、最初に藤本泰成さんが主催者挨拶、法的根拠もない安倍「国葬」を中止させ、アベ政治の清算、政治の転換をかちとっていこう!と行動の主旨を述べた。
 国会野党からは、立憲民主党・阿部知子衆院議員、いずれも今回参院選で再選された日本共産党・山添拓、社民党・福島瑞穂、沖縄の風・伊波洋一の各参院議員が挨拶。
 阿部知子さんは、「自公政権は安倍国葬によって、アベ政治による政治と社会の歪みを無かったことにしようとしている。また、08年秋葉原事件の死刑囚・加藤智大さんを見せしめ的に処刑(7月26日)して、非正規・格差拡大の問題も無かったことにしようといている。こんな生きづらい社会を継続させてはならない!」と訴えた。みずほさんは、「国葬をやめさせる、当面これに集中しよう」。洋一さん(メッセージ)は、統一教会(世界日報)がオール沖縄を誹謗中傷してきたことにも触れつつ、9・11沖縄知事選の玉城必勝を決意表明した。
 市民発言ではまず、在日ビルマ市民労働組合のミンスイ会長。「わたしも国葬反対。アベさん殺されたが、ミャンマーでは2100人以上の市民が国軍に殺されてます。なのに、日本政府は国軍にODAを再開しようとしてる。二重基準ではありませんか!」。
 次いで、チャレンジ国政!板橋の会から、下村博文元文科相の地元(衆院東京11区)での下村落選運動の報告があり、また日本キリスト教団からは、諸宗教者60名による安倍「国葬」反対8・18共同声明の報告があった。
 最後に、総がかり実の高田健さんが、「今日は、最近の19の日では一番多い参加数です。8・31国葬反対行動(国会正門前・午後6時)には、これを十倍以上にして、私たち国民がどれだけ怒っているか示そうではありませんか!」と訴えた。
 安倍国葬を拙速で決めた岸田政権の目論みは急速に崩れ、「黄金の3年間」どころではなくなってきている。当面の大衆闘争の成否が情勢を大きく左右するだろう。
(東京W通信員)


大阪・西成
第51回釜ヶ崎夏祭り、3年ぶりに賑やかに
  若者も惹きつける釜の何かが

 「第51回釜ヶ崎夏祭り」は、8月12日の前夜祭から15日の慰霊祭・盆踊りまでの取り組みで行なわれた。
 この間2年連続、コロナ禍による慰霊祭中心の簡素な夏祭りが続いたが、今年は何とか縮小されながらも盆踊りが復活し、ライブステージやのど自慢大会なども取り入れられ、三角公園北側のメインステージは今回夕方5時から開催された。主催した夏祭り実行委の、楽しく一息つける夏祭りにという思いが結実された。
 12日の前夜祭集会には、反原発の「若狭の家」、沖縄辺野古新基地建設に反対する「大阪行動」、「日本軍従軍慰安婦ネット」、狭山再審を求める釜ヶ崎住民の会、などの仲間が「越冬闘争」に続き連帯行動に駆け付けた。狭山の仲間は祭り期間中、署名情宣活動を取り組んだ。
 今回の夏祭りだが、釜ヶ崎の街を歩く若者が何かしら例年に比して増えたようだ。15日最終日の慰霊祭は特にそのことを感じた。この町は、人を引き付けるものが多様な形態で内包されている感がする。
 また、センターの未来を提案する行動委員会は、期間中「ふるさとの家」で、旧西成総合センターを中心としたアーカイブ映像などで街と闘いの歴史を振り返る催しを貫徹した。また15日には三角公園内で、「よろず相談会」(ワンストップ相談)が、釜ヶ崎の福祉・医療・各専門領域の協働で行なわれた。
 今年も「釜の写真館」が稼働して、釜ヶ崎労働者の「ええ男」「ええ女」が、記念撮影されて出来上がっていった。自分自身の思い出の意味合いもあるが仕事の面接等に役立つのだ。
 今年の夏祭りもコロナ禍が続くが、この2年間の仲間の経験を結集させながら、皆で楽しみ、また明日から元気に働ける、こうした雰囲気が作られながら成功していったと思う。
 釜夏祭りの成功を、特別清掃事業の賃上げ要求(月13回の就労あるいは日当7500円)の闘い、また新センター北側部分の機能をかちとる闘いに活かし、よい方向に推進していく必要がある。残暑に気を付けながら、仲間をいたわり、団結して秋の闘いに勝利していこう。
 最後に、今夏祭り準備期間中に急逝された、虹色家族ケアマネージャーの梅田政宏氏に哀悼の意を表す。合掌。
 なお、「あなたと釜をむすぶ市民団体」釜ヶ崎講座は8月15日、水野阿修羅氏を案内人とする恒例の夏の「釜ヶ崎歩きツアー」を21名で開催し、釜ヶ崎、浪速、阿倍野周辺を見学・学習した。
 今回は、釜ヶ崎講座HP閲覧で参加した方が少なからず居られ、また初参加の人が目立った。これは、釜ヶ崎の街の形成と動向に多様な角度から関心を抱く人が、引き続き少なくないことを示唆している。今回上記地域の歴史と開発問題などを学び、住民自治を考えていくうえで、釜ヶ崎講座にも新たな問題提起となった。さらに意識性を上げて活動を強めていきたい。(大阪I通信員)