韓国サンケン闘争が勝利的解決
 日韓民衆連帯に大きな成果

 韓国サンケン労組(金属労組慶南支部韓国サンケン支会)の闘いは、劇的な終結をむかえた。これに伴い日本における韓国サンケン労組支援の闘いも終結した。残されたのは、この闘いの中で不当に逮捕拘留を受けた尾澤孝司さん(支援する会事務局次長)の裁判闘争となった。
 ことは前号本紙で報告した通り、6月20日に韓国サンケン労組がソウルにあるサンケンコリアと、サンケンコリアとLG電子の合弁会社APTC事務所のあるコンワビルに突入占拠し、籠城を行ない、22日より8名の組合員がハンスト闘争を開始したことに始まった。
 この闘いには韓国全土から支援の闘いも行なわれ、韓国サンケン労組組合員の命を守れ、韓国サンケン労組闘争勝利!の声が、尹美香議員をはじめ多くの国会議員や韓国国内民衆各層から沸き上がった。この闘いには支援の闘いばかりではなく、政府機関の雇用労働部が仲裁のために積極的に立ち上がった。またコンワビルのある所轄警察署も、ハンスト組合員の健康を気遣い保健所への要請を行なうなど、「市民警察」の善良な顔を見せることとなった。ここには韓国の尹錫悦検察独裁政権との際立った対立関係を垣間見ることができる。
 雇用労働部の仲介で、韓国サンケン労組と韓国サンケン電気の元社長・清算人のそれぞれの代理人による交渉の中で、7月5日に合意に達し、7月6日に韓国サンケン労使合意書調印式を行なった(合意文書非公開)。
 韓国サンケン労組と日本の支援運動による2年間にわたる闘いは、別載の「金属労組慶南支部韓国サンケン支会の立場文」にある通り、基本的には勝利で終結をみた。今後は日本においては、11月9日に開始が予定されている尾澤裁判が控えており、韓国ではサンケン争議を教訓として、尹美香議員らが韓国国会に上程した外国人投資誘致法改正案の可決が焦点となるだろう。
 ともあれこのサンケン闘争は、コロナ禍のもと遠征団闘争が組めないという制約下で、オンラインであろうともお互いの健康を気遣い、親子兄弟姉妹のごとく親交を深めた国際連帯の精華であっただろう。我々にとっては、国際連帯の第三極的な形成を実現させる貴重な一歩となることを確信する。
 9月末には、韓国サンケン労組のオ・ヘジン支会長、キム・ウニョン副支会長などが訪日し、埼玉、東京、大阪で勝利報告集会が予定されている。東京の支援する会では、9月30日に文京区民センターにおいて勝利報告集会を予定している。7月に入り、コロナの第7波が招来しており開催に予断は許せないが、国際連帯の成果を共有していこう。(東京Ku通信員)


韓国サンケン労働者、724日間の闘いを集結
 金属労組慶南支部韓国サンケン支会の立場文

 これまで全国の同志が送ってくれた熱い連帯と応援、献身的な実践と闘いに感謝します。2020年7月に立ち上がった韓国サンケンの闘いが2年間の闘いの末に、私たちが目標としたことを全て成し遂げることはできなかったものの、国内外のたくさんの連帯の力で終結することになりました。
 韓国サンケン闘争は、1996年に韓国労総から民主労総への所属変更を起点として、日本資本に抗して26年以上続いた労働者の闘いです。世界で売上高第8位を占めるグローバル資本である日本のサンケン電気と財閥グループ、大資本を相手にしなければならない大きな闘いでした。
 振り返ってみると、12人の組合員でこの闘いを決意して始めたことは容易ではない決定でした。韓国サンケン闘争がここまで続くことができたのは、地域の連帯と韓日の国際連帯を通じて新たな闘いの空間を作り続けてきたからです。地域は、対策委、闘争事業場共同闘争委を立ち上げて闘争事業場と地域が共に連帯と闘いを作り出していきました。
 日本の国際連帯は自発的な市民の会をはじめ、サンケン電気資本の営業所がある日本の各地でサンケン電気を打撃する闘いを生み出しました。日本の労働者・民衆・市民社会の連帯組織の立ち上げと2年近い連帯闘争は、目を見張るばかりの人間の尊厳と国際的な同志愛を見せてくれました。
 700日を超える闘争の間に、私たちが目標にしていた外国人投資誘致法改正案も国会に上程されました。地域社会を越えて全国に外資系企業の問題点を提起し、国会議員から地方自治体議員、市長、道知事まで関わるようにしました。労働部まで乗り出して日本資本のサンケン電気と日本政府に抗議し、たくさんのマスコミが外資系企業の問題点を報道しました。
 韓国サンケン支会組合員の闘争目標を完全に達成することはできなかったとはいえ、私たちの民主労組の旗はまだ折れてはいません。日本をバックにした強大な資本と12人の組合員が競り合って闘い、決して勝利とは言えずとも敗北とは絶対に言うことのできない高貴な闘いの成果を残しました。
 いまやまた新たな出発点に立つことになりました。700日以上の長い時間をかけて育てた国際連帯をどのように継承し発展させるか模索しています。韓日の国際連帯運動の歴史にこれまで見なかった事例を作った今回の闘いを踏まえ、韓国サンケン労働者は今後も韓日の労働者・民衆の連帯をさらに一層強化する闘いを準備していこうと思います。
 長期間の連帯と支援を惜しまずに送って下さった国内外の同志に金属労組慶南支部韓国サンケン支会の組合員全員の心を一つにして感謝申し上げます。地域から、全国から、日本から、闘いの現場から同志たちが送ってくださった連帯の力によって厳しい闘いを締めくくることになりました。
 闘いの現場でまたお目にかかります。ありがとうございます。闘争!
(全国金属7・6配布)


米韓合同軍事演習反対!
 8・22米大使館行動へ

 8月22日~9月1日に、韓米合同軍事演習が強行されんとしている。この朝鮮を攻め滅ぼす内容の演習は今回、4年ぶりに大規模実動演習が再開される。また、韓国の政権は対北敵対姿勢のユン・ソンヨル政権に替わっており、韓米日軍事連携を志向する。この演習強行は、台湾めぐる米中関係の緊張とともに、東アジアでの戦争の危険を高める。
 8月22日、演習反対の米大使館抗議行動(反戦実行委呼びかけ)に参加しよう。民主労総副委員長のキム・ウニョンさんもアピール。(午後6時、住友不動産虎ノ門タワー前)。