7月参院選
 改憲発議阻止!自民・公明・維新を打倒せよ!
  沖縄・日本を戦場にさせない

 参議院選挙(7月10日投開票見込み)が目前となっているのに、国会野党は岸田自公政権との対決点を鮮明にして国民世論を盛り上げることがまったくできておらず、低調な選挙前情勢となっている。
 こうなっている最大の要因は、ロシアのウクライナ侵略に対する抗議というそれ自体は誰でも同意するテーマが落とし穴となって、ロシア・中国・朝鮮に対する敵愾心が鼓吹され、国防ナショナリズムで与野党が同列化してしまっていることが上げられる。現在の与野党の違いは、「専守防衛」を踏み越えるのかどうか等の、その国防施策の程度の違いに過ぎなくなっている。しかしその違いは、憲法9条など改憲への賛否という大きな違いではないか、と言うことはできる。しかしまた、国防ナショナリズムの土俵を改憲派と共有しているかぎり、9条改憲阻止の立場はしだいに劣勢となるだろう。
 ロシア・ウクライナ戦争が、(第二次大戦後の北と南の間での制圧戦争・解放戦争という時代を超えて)国家間衝突の時代の幕開けとなったするならば、そう言わざるをえないのである。世界情勢が大きく変わりつつあるとするならば、憲法闘争、反戦平和闘争などに、従来の繰り返しではない戦略的な再検討が問われているのではないか。
 この小稿では以上の問題意識を念頭に、参院選の課題と対応を述べるとともに、対外政策をめぐる政策提起型の闘争、この可能性を検討する。
 参院選の最大の争点はすでに述べたように、安全保障(軍事・外交)問題であり、したがってまた、9条改憲や非常事態改憲の発議を阻止する議席獲得が具体的課題である。今のままでは、自民・公明・維新などの改憲勢力に3分の2以上の議席を握られ、改憲発議に進んでいく危険性が高い。
 私たち労働者共産党は、日本帝国主義打倒、アメリカ帝国主義一掃、自治・連帯・共生の新しい社会主義の実現、これを日本革命の基本路線としている。「自治・連帯・共生の新しい社会主義」の内容については、党外の同志の皆さんと共に検討を深めていきたいと思っている。しかし当面の情勢においては、革命のスローガンの宣伝や、日米支配層の戦争政策に「阻止」や「粉砕」を叫ぶだけではなく、状況の改善を一歩二歩でも勝ち取り、力関係を前進させる闘い方が必要である。
 これは現情勢では、ロシア・ウクライナ戦争での米NATO陣営への一体化、および米中対決基調での米国の中国包囲政策への一体化に反対し、日本の自主・平和外交政策への転換を求める闘い方である。
 ゆるやかに連携するロシア・中国・朝鮮の反米連合と、がちがち攻守同盟の太平洋版NATOが東アジアで対峙し、その矢面に南西諸島・台湾島・朝鮮半島・日本列島が立たされる危険な情勢が進みつつある。東アジアのミサイル軍拡競争によって、米軍基地の存在と自衛隊の攻撃戦力化が、沖縄・日本を戦場化する最大リスクに転化している。ロシアと米NATOの両覇権主義のせめぎ合いの中で、ウクライナが戦場とされてしまったことを、東アジアで繰り返させない。東アジアに戦場は作らせない、沖縄を再び戦場にはさせない、琉球弧と日本列島で戦争はさせない、このための具体的政策と国民運動が問われている。
 この戦争阻止の過程は、たんに戦争が起きないだけでなく、日中関係・日朝関係などの改善、戦争法廃止など日米安保体制の修正、東アジア軍縮協議の開始など、総じて9条を活かした政策進展の過程である。大衆運動的には、「米中対立のはざまに、韓国・沖縄・日本など東アジア民衆の大連合を実現する」過程である。最近の政策提起の例では、
 ・3月に和田春樹氏らロシア研究者が、日本・中国・インドの連携でウクライナ停戦交渉へ動けと提案した。もう実現可能性はほぼ無いが、日米同盟基軸という固定観念を揺さぶる効果はあった。
 ・『世界』4月号で、自民党の河野洋平元外相が、「南西諸島を非武装地域としていく提案」を行なった。「そのための対話の枠組みを持つこと自体が、関係改善への一歩ともなる」と指摘する。
 ・5月の玉城知事「新たな建議書」の中で、沖縄が「平和貢献の地域協力外交を通じて平和の拠点としての役割を担っていく」意思表明を行なった。本気ならば、沖縄県主催で東アジア国際軍縮大会を挙行することも可能である。軍備の決定権は各国政府が持っているが、各国・地域の防衛関係者による軍縮提言が沖縄から発せられるならば、大きな意義と影響力をもつだろう。
 これらに比べると野党の外交・安全保障政策は、貧困かつ新鮮味がない。日共は、ウクライナ情勢に対し「国連憲章」で平和をと強調し、またASEANの東アジア版をとも言っているが、NATO・安保だのみの他党と差別化を付けるためであるにすぎない。しかも、2000年党大会以来の政策であるが、「急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を使う」(4月7日・志位委員長)と、あえて現在の情勢下で繰り返した。これでは、日米の「尖閣有事」共同作戦、「台湾有事」共同作戦計画案を容認したことになる。
 社民は、従来から北東アジア非核化地帯構想を掲げるが、それ以上の提起がない。
 れいわ新選組は、昨年総選挙で「対米追従外交と安保法制の見直し」を掲げた。最近、山本代表は「専守防衛の基本路線に戻る」と言っているが、具体論をお願いしたい。
 国政選挙の「野党・市民共闘」から、「安保法制廃止」がついに消えてしまった。市民連合の政策要望書でこれを見ると、
 今回参院選。「戦争をさせないために専守防衛に基づく安全保障政策を着実に進め、非核三原則を堅持し、憲法9条の改悪、集団的自衛権の行使を許さない」。3野党2会派が受け取り(国民民主が脱落)。
 昨年衆院選。「安保法制~の違憲部分を廃止」。4野党が署名。
 前回参院選。「安保法制~を廃止する」。4野党1会派が署名。
 攻防ラインが「専守防衛」に後退したと言えるが、元々2015安保闘争も、海外武力行使反対=専守防衛の枠内だったとも言える。人々を動かす、今日的な対決点が問われる。
 選挙情勢は厳しい。32一人区での野党一本化(立・共・社など)は、今のところ12ヵ所にとどまる。「立憲野党」が勝つのは一桁か。(前回10、前々回11)。
 我々は、比例区では社民党を主とする投票行動を呼びかける。比例区での新しい共同の取り組みが、不発に終わったことは残念であった。沖縄・伊波の必勝を勝ちとろう。複数区では総じて、改憲派を落とすための投票行動を取ろう。(W)


クアッド開催反対!5・22新宿デモ
 やめろ太平洋版NATO

 5月22日、新宿アルタ前から、「開催するな!日米豪印戦略対話 やめろ!岸田・バイデン会談 煽るな!戦争5・22新宿デモ」が行なわれ、約100名が参加。主催は、破防法・組対法反対共同行動や反戦実などによる同行動実行委。
 デモ前集会では、主催者から池田五律さん(練馬アクション)が、東のNATO=クアッドを作るな!南西諸島を戦場にするな!日米韓軍事一体化反対!の基調を訴えた。参加者からは、在日フィリピン人によるILPS(人民闘争国際連盟)からの連帯発言などもあった。
 デモ出発は丁度、バイデンが米軍横田基地に降りてこようとする時間帯、怒りの新宿デモが貫徹された。
 5月23日の日米首脳会談と共同声明は、ロシア・中国・朝鮮を非難し、日本の「防衛費の相当な増額を確保」が勝手に入れられた。5月24日の日米豪印首脳会合と共同声明では、中ロへの名指し批判が避けられたが、インド取り込みを優先させたものとみられる。
 5月21日の米韓首脳会談共同声明に注目だ。「北朝鮮の挑戦に対応するために韓米日3ヵ国の協力の重要性を強調」、「尹大統領のクアッドへの関心を歓迎」と記された。(東京K通信員)


4・23反戦実「沖縄戦」学習集会
  許さぬ!琉球弧再戦場化

 4月23日、「琉球弧の戦場化を許さない!ノーモア沖縄戦4・23反戦実学習集会」が、早稲田の日本キリスト教会館で開かれ約30人が参加した。主催は、資本主義を超える新しい時代を拓く反戦実行委員会。
 最初に主催者挨拶で、ロシアのウクライナ侵攻情勢の本質は「帝国主義間の覇権拡張戦争」であり、それが米日などの中国包囲政策と連動し、琉球弧の戦場化の危険が高められているとの認識が提示され、沖縄からのオンライン講演につないだ。
 石原昌家さん(「ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会」共同代表)から、丁寧なレジュメも提出いただいた。その講演「沖縄戦から何を学ぶか」では、沖縄戦の住民被害の特徴である「自国軍隊が自国住民を直接、間接的に殺害」という事態の要因が、牛島軍司令部1944年11月18日作成の「報道宣伝防諜等に関する県民指導要綱」などにあることが史料的に明らかにされた。
 大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が、「復帰」50年を問う問題提起を行ない、討論を経て閉会した。(東京A通信員)


韓国サンケン闘争、韓・日で本社を包囲
  6・24株主総会行動へ!

 韓国サンケン労組支援の闘いは、新たな山場を迎えようとしている。
 日本においては、6月24日サンケン電気の株主総会にむけて、株主総会そのものばかりではなく、日本国内のビジネスパートナー、販売代理店に対して要請行動を開始している。当然ながら株主総会では、総会内外での闘いの強化も計画されている。当日は埼玉県新座市の本社前における要請行動ばかりではなく、支援者側から株主を作って株主総会に参加する準備が整っている。この社前行動は、全国から参加の行動となる。
 昨年、サンケン電気が東京を含めて全国のほとんどの営業所をGSユアサに譲渡していながらも、販売実績が伸長していることが予想されている。開始されたビジネスパートナー、販売代理店への要請行動は、サンケン電気の外堀を埋める闘いとなっていくだろう。
 韓国においては、韓国サンケン労組の組合員をはじめとする仲間たちが、サンケン電気の韓国における営業部門子会社サンケンコリアへのテント闘争を続け、さらに韓国におけるビジネスパートナーであるLG電子に対する闘いも同時に強化している。つまり、韓日でサンケン電気本社を引きずり出す闘いである。
 昨年サンケン本社前で不当逮捕・起訴された尾澤孝司さん、その裁判開始が大幅に遅れ、年内暮れになるのではと予想されている。尾澤裁判勝利も含めて、6月24日サンケン電気株主総会行動に総結集しよう!(午前9時半、本社前)。(東京Ku通信員)