日中国交正常化50周年4・14緊急集会
 アジアとの友好・連帯を基軸に

 「日中国交正常化50周年記念・緊急集会」が4月14日、衆議院第一議員会館で開かれ、250名が参加した。
 集会は、「中国を仮想敵国に仕立て上げて、着々と戦争準備に突き進む日本。そんな事が許されてよいわけがない」、「米国の反中包囲網の手先となることは許されない」、「アジアとの友好・連帯を基軸に据えなければならない」との観点から、著名人からの発言が続いた。
 主催者を代表して、「村山首相談話を継承し発展させるの会」の藤田高景理事長が挨拶。
 来賓スピーチでは、政治評論家の森田実さんが、「政治家の仕事は感情で有権者を煽ることではなく、外交による粘り強い話し合いを行なうことであり、日本をアジアから孤立させるアメリカの政策に従うことではない。アジアの平和と繁栄の肝は、日本と中国の協調と友好にある」と訴えた。
 また、沖縄の風代表の伊波洋一参議院議員は、「今年は沖縄復帰50周年でもある」と語りはじめ、「安保法制成立後、南西諸島にミサイル配備が進んでおり、台湾有事となれば米海兵隊が遠征前方基地作戦(EABO)を展開する。ミサイルを撃っては島から逃げる作戦だが、中国からの報復は島の住民を巻き込むだけだ。南西諸島を戦場にしてはならない」と訴えた。
 続いて、旅日華僑中日交流促進会の林伯耀さんが連帯挨拶。孫文の「日本は西洋覇道の番犬になるのか、東洋王道の干城となるのか」という言葉を引用し、「日中国交正常化を在日中国人も歓迎した。しかし、中国人差別は解消されていない。今は日中戦争時の『暴支膺懲』と似ているのではないか」と警告した。
 講演がお二人から。青山学院大学名誉教授の羽場久美子さんは、「日中共同声明は両国間の恒久的な平和友好関係の確立」を謳ったものであると前置きして、「中世まではアジアが世界経済の中心だった。近世になって産業革命がおこり欧州列強が他国を侵略し植民地にして搾取することによって、富は欧州に集中するようになった。」「ミンスク合意を履行しなかったゼレンスキーの責任は重い。いまアメリカは自分では戦わず、ウクライナに武器を援助しNATOや日本に武器を売りつけて、また原油の価格を吊り上げ、シェールガスをヨーロッパに売りつけて大儲けしている。軍産複合体制こそが問題である。アメリカは衰退の一途で、これからはアジアの時代である。日中友好はアジアの平和と繁栄の基礎である」と講演した。
 山口大学名誉教授の纐纈厚さんは、南西諸島の軍事強化の実情を説明したあと「安保法制が成立して集団的自衛権行使の内容がガラリと変わった。いままではアメリカが日本を守るものだったが、いまや日本がアメリカを守るために先陣を切る矛の役割を担うようになった。アメリカは日本にその役割を押し付けるために日中対立を煽っている」と講演した。
 最後に、日中労働者交流協会の伊藤彰信会長が、「中国が戦争賠償を放棄したのは、中日両国国民の友好のためだった」と語り、「争えば共に損する。和すれば共に益する」という中国の言葉を引用し、「戦争で儲ける奴を叩き潰し、平和をつくろう」と閉会の挨拶を行なった。(東京K通信員)


4月「19の日」行動、国会前に900人
 大軍拡と改憲、闘いは重大局面へ

 ロシアのウクライナ侵攻から2ヵ月、日本ではこれを口実とした改憲と大軍拡の危険が高まるなか、4月の戦争法廃止「19の日」行動が各地で行なわれた。
 東京では77回めの「19の日」行動が、「ロシアのウクライナ侵略反対!即時撤退!改憲発議反対!辺野古新基地建設中止!敵基地攻撃能力反対!いのちと暮らしと営業を守れ!4・19国会議員会館前行動」として行なわれ、900名の労働者・市民が結集した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、9条改憲NO!全国市民アクション。
 行動は、菱山南帆子さん(憲法9条壊すな!実行委)の主催者挨拶で開始、「戦争が始まったら終わらせるのは難しい。戦争したがる大人が国会にはたくさんいて、軍拡推進・敵基地攻撃能力保有を主張する。自公や国民、維新は、戦争になったら進んで命を差し出すのか。我々はすべての戦争に反対する。今こそ9条の精神を世界に広げる時」と訴えた。
 政党挨拶では、立憲民主党・石垣のりこ、日本共産党・井上哲士、沖縄の風・伊波洋一、社民党・福島瑞穂の各参院議員が発言。
 伊波さんは、「米軍は、名護湾の漁場の上で低空飛行訓練を実施するなど、沖縄の各地で軍事訓練を強行している」と現況を述べ、台湾有事での海兵隊FABO(遠征前方基地作戦)にふれて、「米軍は、ミサイルを撃って10分後には撤退する。米軍が火を付け、残された島民が攻撃される。おかしな作戦を日本政府は全力でやっている」と、この日米共同作戦計画を糾弾した。
 福島さんは、「金持ちが戦争を起こし、貧しい人々が戦場に送られて死んでいくのが戦争。7月参院選が終わったら3年間選挙はない。地獄の3年間だ。どんなことがあっても改憲はさせない」と決意を述べた。
 連帯発言は、改憲問題対策法律家6団体連絡会の森高博弁護士、「憲法審査会が今や週1回開催され、ウクライナ侵攻を口実に緊急事態条項改憲の審議になだれ込んでいる。9条改憲もねらわれている」と改憲派の動向を批判した。
 続いて、オール沖縄会議の福元勇司事務局長が登壇。沖縄県が辺野古工事設計変更申請を不承認とした行政処分に対して、4月8日、斉藤国土交通相が取り消すという不当裁決を下し、併せて4月20日までに設計変更申請を承認するよう勧告までしている。これについて、不承認取り消しを行政不服審査法を乱用して求めるというのは「国が国に審査を求めることで、とんでもない。法をねじ曲げてもやりたいことを押し通そうとしている」と糾弾した。
 (その後の28日、岸田政権は玉城知事の対話要請に応じないまま、変更申請を5月16日までに承認するよう沖縄県に是正指示を強行した。県は国地方係争処理委員会に審査を申し出る見込みであり、工事変更が承認されていない現状は今後も続く)。
 最後に、憲法共同センターの米山さんが、「ウクライナ危機に乗じて大軍拡・改憲の動きが進み、闘いは重大時期に突入した」と述べつつ、以下を行動提起。
 4月20日、設計変更不承認の学習会、参院議員会館。
 21日、新宿西口情宣。
 23日、有楽町「5・3集会」街宣。
 5月3日、改憲発議許さない!2022憲法大集会、有明防災公園・メインステージ午後1時。
 19日、第78回「19の日」行動、議員会館前・午後6時半。
 26日、「復帰」50年・辺野古新基地建設を許さず憲法が生きる沖縄と日本を!in東京、日比谷野音・午後6時。
 なお、4月8日には総がかり行動実の主催で、「ロシアは侵略をやめろ、ウクライナから撤退を!」の日比谷野音集会と銀座デモが行われ、1800名が参加した。
(東京O通信員)


とめよう!戦争の道4・17関西の集いに600人
  日本はウクライナ戦争に加担するな

 4月17日午後2時より、大阪天満橋のエル大阪にて、「とめよう!戦争の道 めざそう!アジアの平和2022春 関西のつどい」が600名を上回る参加者で開催された。主催は同実行委。
 プーチン・ロシアによるウクライナ侵略戦争が、このかんの停戦協議も虚しく崩壊して続くなかで、関西では大きな集まりとなった。
 主催者挨拶として「しないさせない戦争協力 関西ネットワーク」の中北龍太郎共同代表は、ウクライナ侵攻について、「ロシアは今すぐ停戦・撤退を、NATOの介入反対、日本は戦争に協力するな!」をスローガンにこのかん、豊中市にあるロシア総領事館前で抗議行動を続けてきたことなどを報告し、さらに平和を求める世界の人々と連帯し、ロシアのウクライナ侵略戦争反対の声を上げようと訴えた。
 講演が、早大教授・水島朝穂さんより、「なぜ憲法を変えてはならないのか」のテーマで行なわれた。水島さんの今回の戦争についての解説では、歴史的なロシア・ウクライナをめぐる関係と経緯を述べられたが、私が結論から感じたことは、「プーチンは悪いがロシアは擁護する」という基本姿勢が透けて見える印象であった。ウクライナのネオナチに対する捉え方が、講演では非常に不明確で、侵略を行なっているのはロシア軍であり、かれらがナチス以上の残虐行為をやっている可能性もあること、これらがボヤけてしまう感じであった。市民の殺害現場も「両国のフェイクニュースを注意深く見てください」とか述べておられるが、プーチン大統領とゼレンスキー大統領との「喧嘩両成敗」的な解説には、私は違和感を抱いた。
 また、「25年間の私のロシア研究論文を読んでください」などとも言われたが、いま目の前で生起している事実関係を知ることの方が大事である。それに基づいて、プーチン・ロシアの目的とは何かを語るべきであり、ネオナチに主眼を置いた話には少々辟易した。
 私が思うにはネオナチの定義は、愛国的排外思想であり、人種的優位性の煽動、他民族への蔑視・軽蔑さらに抹殺、そして社会的マイノリティーへの差別と憎悪であろう。我が国にも存在しているのだ。
 いろいろ理屈を付けて、ロシア帝国主義糾弾をあいまいにするような解説では、反戦運動が盛り上がりに欠けるのは必然ではないだろうか。「どっちもどっち」なる論評を聞くと、その昔ベトナム戦争当時の、革マル派の「帝国主義とスターリン主義の代理戦争」なる発言が思い出される。
 もう一つの講演では、新聞「うずみ火」代表の矢野宏さんが、「維新は、憲法の何を変えようとしているのか」のテーマで語った。大阪におけるこれまでの維新のやり方について語られ、ナチス政権がワイマール憲法を如何に巧妙に骨抜きにしたかのプロセスがよく理解できた。
 集会後、扇町公園までのデモ行進と、大阪駅前と南森町駅に分かれてのウクライナ反戦のスタンディングを展開した。(大阪S通信員)


4・10関西新空港反対!泉州現地集会
  生活破壊の万博・カジノ・関空

 4月10日、この春も大阪府泉南市の岡田浦浜にて、「4・10関西新空港反対!泉州現地集会」が開かれた。主催は、泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会。
 参加は、釜ヶ崎日雇労組の部隊35名がバス『勝利号』で駆けつけたほか、関西共同行動、関西各地で反空港をたたかう仲間を合わせて約50名の結集であった。
 午後1時過ぎ、司会あいさつで始まり、住民連絡会の小山広明さんが発言、「今月24日投開票の泉南市長選には勝利する。選挙戦によって、空港建設でこわされた住民自治の課題、泉州の経済破綻の責任を一つ一つ明らかにすることが、関西新空港が不要になることと同じ意味合いとなる。この方向を追求していく」と、80歳を過ぎても意気軒昂に語った。(集会後、元市議の小山さんは、4・24泉南市長選挙に立候補し奮戦するも、前市議・若手の維新候補に敗れた)。
 釜日労の三浦さんが、「空港の軍事化が、今起こっている戦争を利用しながら現実のものとして狙われている。また、釜ヶ崎の非正規・困窮の仲間の問題解決に力をそそいでいる。戦争を止める大きな勢力の構築を」と発言した。
 関西共同行動の星川さんが、「ロシアの侵攻以来、共同行動は豊中の在大阪ロシア総領事館への抗議行動を行なっている。多くの結集を願う。侵略行為を許さず、反戦意識の高揚を」と訴えた。
 集会の後半、住民連絡会の根本事務局長が基調報告を提案。「コロナ禍により関西新空港も客足が激減、空港存亡の事態に陥っている。関西万博関連の年間4千万人対応第一ターミナル計画が出され、連動した形で大阪維新は、IR・カジノ構想のシナリオを描いている。この莫大な投資と誘致は、大阪府民の生活破綻を導く以外の何物でもない。関西新空港反対の闘いを進め、ロシアのウクライナ侵攻を口実とした岸田政権による改憲・軍事基地強化の策動を許さず、今年も全国の反空港運動に連帯して闘う」と基調アピールして、集会を終了した。
 続く現地デモでは、反空港の旗を先頭に、「関西新空港はいらない、畑と海を守ろう」の声を響かせた。(関西I通信員)