1月「19の日」行動、国会前600人
  戦争準備・改憲よりコロナ対策

 憲法改悪の最大の危機2022年通常国会が1月17日に開会され、1月19日には各地で「19の日」行動が闘われた。
 東京では、国会前で第74回「19の日」行動が、「改憲発議反対!辺野古新基地建設中止!敵基地攻撃能力保有反対!防衛予算拡大するな!いのちと暮らしと営業を守れ!1・19国会議員会館前行動」として開催され、寒風吹きすさぶなか600名が参加した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、9条改憲NO!全国市民アクション。
 まず、憲法共同センターの小田川義和さんが主催者挨拶、「新型コロナ・オミクロン株の爆発的拡大で、すでに4万を超える人々が感染した。しかし岸田首相は、対策を講じると言いながら米軍基地からの感染拡大を野放しにし、また安倍以上に改憲を強行しようとしている。戦争を阻止する力は、市民と野党の共闘だ!」と発言した。
 政党からは、立憲民主党・山岸一生、れいわ新選組・大石晃子、社民党・新垣邦男の各衆院議員、日本共産党・山添拓、沖縄の風・伊波洋一の両参院議員が発言。
 伊波さんは、「名護市長選(23日投票)はデットヒートし、あと一歩で追い抜ける。1票でも多く獲得できるよう協力を!」と訴えた。そして台湾有事による沖縄の戦場化の危険に関連して、「戦争は多くの尊い人命を奪う。しかも日本の貿易の多くは中国で、米国は2割にも満たない。中国とは共存しかなく、戦争の策動は許されない」と主張した。
 また、沖縄2区選出の新垣さんは、「感染が米軍基地から広まっている。日米地位協定の改定こそが必要だ。デニー知事が必死になっているのに、米軍は検査なしに入国し、平気で基地外に出る。それでも日本政府は何もしない。7月参院選、そして県知事選など一つずつ勝って、政府を追い詰める」とアピールした。
 市民の発言では、市民連合の長尾詩子弁護士。「コロナ禍で女性の自殺率が高まり、貧困は子どもの生活を直撃している。命と生活と子どもが最優先だ。敵基地攻撃能力保有は9条違反。敵基地攻撃を実行すれば報復は確実。軍事よりコロナ対策だ」と訴えた。
 女性による女性のための相談会の吉崎眞佐緒さんは、「たくさんのカンパを受けて、年末年始で計4日間の相談会を大久保公園で開催。食料配布とフォローができた。生活が破綻した女性の相談が増え、医療相談も増加している。失職して医療保険が止まり、診療さえ受けられない女性もいる。コロナで新自由主義の矛盾が露呈した。相談会を継続したい」と報告した。
 最後に、戦争をさせない千人委の北村さんが、以下を行動提起して終了。
 1月23日、止めよう改憲!学習講演会。
 2月19日、75回「19の日」行動、議員会館前・午後2時。
 2月22日、ウィメンズアクション、有楽町イトシア前・午後6時。
 憲法改悪、軍拡予算、台湾介入戦争、沖縄戦場化に断固反対し、大衆闘争で岸田政権の危険な目論見を打破しよう。(東京O通信員)


福島原発事故・東京電力刑事裁判、2・9第2回控訴審
  証人尋問・現場検証の実現を

 福島原発事故での旧東京電力経営陣の刑事責任(業務上過失致死傷罪)を問う東電刑事裁判、その第2回控訴審が2月9日、東京高裁で行なわれる。これを前に福島原発刑事訴訟支援団が、12・25福島県集会を皮切りに、1・15東京集会、1・21署名提出行動と連続闘争を行なった。
 
 1・15東京集会

 1月15日、東京の連合会館に多数の労働者・市民が参加し、「東京高裁に証人尋問と現場検証を求める東京集会」が行なわれた。主催は、福島原発刑事訴訟支援団。
 集会は、支援団団長の佐藤和良さんが開会挨拶。「11・2の控訴審第一回公判で細田啓介裁判長は、2・9までに現場検証と証人尋問を合議の上決定すると述べた。闘争の前進は、現場検証と証人尋問にかかっている。1・21署名提出行動は、この二つのことを決めさせる闘いだ。高裁前に結集を!」と呼びかけた。
 続いて、科学ジャーナリストの添田孝史さんが「刑事裁判がなければ闇に埋もれていたこと」との演題で、また大河陽子弁護士が「刑事控訴審第一回について」、海渡雄一弁護士が「東京高裁で勝つために、今何をなすべきか」の演題で講演した。2・9高裁前など、労働者市民の大結集こそが力、と訴えられた。
 次いで河合弘之弁護士。「闘争は、裁判だけでは勝てない。住民運動・市民運動・文化運動が必要だ。旧経営陣3人の責任を追及するのは、全原発をなくすため。闘いは総力戦だ」と訴えた。
 原発事故被害者の村田弘さんも、「損害賠償訴訟などはおよそ40あるが、東電刑事裁判で永渕一審不当判決が下されてから、原発裁判は厳しくなっている。刑事裁判は重要な意味を持つ。絶対に責任をとらせる」と語った。
 最後に、武藤類子・福島原発告訴団団長が発言。「永渕判決はあまりにひどい。判決の四つの誤まりを指定弁護士は指摘した。その全力で闘う姿勢に感謝している。地裁判決の確定は正義に反する。高裁は正義を示してほしい」とアピールした。
 検察官役の指定弁護士が指摘する一審無罪判決の四つの誤りとは、①推本「長期評価」の信頼性・具体性を否定、②安全性についての社会通念の誤認、③結果回避義務を原発の運転停止のみに限定、④現場検証さえ却下、と整理されている。
 控訴審で指定弁護士は、長期評価については濱田信夫氏、島崎邦彦氏、また結果回避義務については渡辺敦雄氏(元東芝設計技術者)の3氏の証人尋問を求めている。

 1・21署名提出
 
 続く1月21日、東京高裁前に約100名が集まり、「現場検証を求める署名」提出行動が闘われた。大寒の冷えをものともせず、前段集会・署名提出団出発と進められた。今回提出署名は2151筆、総数で1万159筆の現場検証を求める署名が、東京高裁刑事10部に届けられた。
 集会では海渡雄一弁護士が、細田裁判長に語りかけるように話し始めた。「民事の集団訴訟では、長期評価の信頼性を認める流れが固まりつつあり、本控訴審でも証人尋問、現場検証を行なってその信頼性も承認されるものと確信しています。株主代表訴訟では裁判長自らが現場検証をしています。証人尋問・現場検証を決断してほしい」と訴えた。
 大河陽子弁護士は、「現場検証で福島原発の惨状を見れば、東電の責任とともに結果回避も可能だったことが分かる」と述べた。
 浪江町から避難した今野さんは、「交通事故では、現場検証をして原因や過失などを判断する。見なければ分からない。語り部をしているが、被災地を見て理解できたという人が多い。裁判官も見て確認することが必要だ」と指摘した。
 発言後、代表団が署名提出へ。拍手で送り出して行動を終えた。
 決戦の2月9日は、高裁前で午前11時からヒューマン・ディスタンス・チェーン。午後2時から控訴審第2回口頭弁論である。大結集を!(東京O通信員)