労働者共産党が2中総を開催
 総選挙後の闘争方向明確に


 労働者共産党は、去る11月27~28日都内で、第8期第2回中央委員会総会を開催した。
 中央委員が各地から結集し、総会はその成立を確認して、議長団を拍手で選出した。
 最初に、情勢・方針決議案「資本主義を超える時代を拓く新しい政治勢力を」が中央委員会常任委員会から提出され、この討論が行なわれた。
 この情勢・方針決議案は、10・31総選挙の中心的な総括点として、投票率の低迷は「野党共闘がコロナ災害での国民の政権批判を、大きく獲得・動員できなかったことを意味している」とし、「資本主義の枠内で再分配策を競い合うという低水準な政治闘争に終始」するのではなく、「資本主義を超える新しい時代へ向けて労働者人民に働きかけること」の重要性を提起するものであった。
 そして、「昨秋の8回大会で、自公政権に対するブルジョア的反対派である『第二極』勢力、これとの的確な共闘・批判の関係を構築して、自公政権の打倒、当面の政権交代を実現する」と決定したことを振り返りつつ、当面の方針基調を次のように提起した。
 「日本の階級闘争の前進にとって、この政権交代はいぜん必要な過程であるが、野党共闘の再強化が我々の主たる課題なのではない。主たる課題は、労働者民衆の新たな政治勢力化である」。したがって、改憲発議阻止など広範な共同行動を支援しつつも当面は、「『第二極』の限界を超えた、労働者民衆による『第三極』勢力を政治的に登場させる闘いを強化すること、これを中心的課題として押し出す」と。
 決議案はその他、沖縄・韓国民衆との連帯闘争、非正規労働者の労働運動など各課題においても、重要視点や新方針を提起するものであった。
 情勢・方針決議案は、3名の中央委員から出された5件の修正案が可決された上で、全員の賛成で採択された。
 また、2中総では、革命勢力の団結・統合のための提案文原案が、常任委員個人案として提出され、関係情勢を含めて討議された。総会は、この原案を中心に、また昨年来の関係意見書も含めて討論を継続することを確認した。
 最後に近況を交流して終了した。総選挙後のきびしい情勢に対峙し、闘争方向を意志一致した総会であった。(了)



労働者共産党 第8期第2回中央委員会総会決議(21年11月)

  情勢・方針決議
    資本主義を超える時代を拓く
      新しい政治勢力を


 昨年の第8回党大会以降の1年間での、内外情勢の重要諸点について以下のように認識・評価し、また当面の活動方針を確認する。

    内 外 情 勢

 ①菅政権の崩壊と10月総選挙の結果。
 自民党の策略と都合のみによって、衆院任期の10月21日を越えて引き延ばされてきた総選挙は10月31日に投開票され、その結果は自民・公明が衆院過半数を安定的に維持し、岸田自公政権が継続することとなった。
 総選挙の全国289小選挙区では、213選挙区でいわゆる立憲野党による、あるいはオール沖縄による統一候補が立てられたが、内62選挙区での勝利にとどまった。我々左派やれいわ新選組を含めた反自公勢力の共同戦線、その成果と限界が示された。各比例区合計得票率では、自民党に34・7%を許し、野党筆頭の立憲民主党は20・0%にすぎなかった。これでは政権交代はできない。
 この一年、反自公勢力は、安倍退陣後のつなぎに過ぎない菅政権に対し、コロナ・五輪での失政が明確であったにもかかわらず、早期に打倒することができなかった。総選挙の結果は、このかんの反自公勢力の闘いの弱さの反映である。また菅の退陣と自民党総裁選、岸田政権発足という自民党とブルジョア宣伝機関による一連の世論工作攻勢に対し、有効に反撃できなかったことも直接の一敗因となっている。
 また、政権交代が総選挙の争点と言ってもその内実は、与野党が資本主義の枠内で再分配策を競い合うという低水準な政治闘争に終始した。新しい社会主義の展望などポストコロナの体制選択を提起して選挙戦を戦った野党は、皆無であった。投票率は前回比2%余増だが55・9%と低迷を続けており、このことは、野党共闘がコロナ災害での国民の政権批判を、大きく獲得・動員できなかったことを意味している。資本主義を超える新しい時代へ向けて労働者人民に働きかけることができなかったという意味では、今回の総選挙は根本的な敗北であった。
 一方、自公与党と維新などの改憲勢力は、衆院3分の2を維持することに成功し、憲法9条の明文改憲反対で一致する野党諸勢力は、衆院3分の1をかなり下回った。参院でも危うい議席比が続いており、今回総選挙で、何らかの改憲発議が強行される危険がかえって高まった。

 ②継続するコロナ災害。このかん新型コロナウイルス感染は拡大を繰り返し、コロナ特措法に基づく緊急事態宣言が、第二次(1・7~3・21)、第三次(4・25~6・20)、第四次(7・12~9・30)と継続された。自公政権のコロナ感染対策の特徴は、欧米や中国と比べて、PCR検査等の大量検査を行なわない、大規模な臨時病院を建設しないなどの特徴があり、昨年来変わっていない。対応の基本線が間違っていたことが明らかであり、それが第四次宣言下での感染爆発・医療崩壊に結果した。また、飲食業など特定業界に陰湿な自粛要請は繰り返すが、外出禁止令など罰則付き個人行動制限は行なわないというのも一つの特徴となっている。しかし第二次宣言下では、コロナ特措法と感染症法が改定され、行政罰による個人行動制限が導入された。今後の感染状況によっては、罰則付き個人行動制限が拡大される危険がある。自公政権のコロナ対策は、総じて大資本の経済活動の持続を基本とし、治療を受ける権利をはじめ個人の人権、非正規労働者の労働権・生存権をないがしろにするものであった。自公政権のコロナ対策で唯一進展しているものはワクチン接種であるが、いっこうに集団免疫は成立せず、増幅した感染第6波が確実視されている。

 ③東京五輪強行の結末。菅政権は今夏、世論の8割が中止・延期を求めたことを無視し、政権の維持と国家の面子のために東京オリンピック・パラリンピックを強行した。東京五輪の強行が、第四次宣言下の惨状を加速した。五輪強行は、政権浮揚策にならないばかりか国民分断の失策となり、菅政権自滅の一要因となった。
 ④日韓民衆連帯運動。韓国サンケン闘争は、1・20の工場閉鎖・全員解雇の強行、5・10の尾澤さん不当逮捕と起訴・長期拘留という厳しい長期争議となっている。一方、当該キム・ウニョンさんが2月に民主労総副委員長となり、日韓の労働者・民衆の連携がより具体的に強化される状況に進んでいる。

 ⑤最賃闘争と労働運動。中央最低賃金審議会は今夏、全国一律「28円」アップの答申を出し、全国一律制への下地となった。しかし、この程度の最賃改善では政府目標の平均1千円にすらあと3年はかかり、労働側の「全国一律1500円」の目標はほど遠い。

 ⑥沖縄民衆の闘い。玉城デニー知事による、辺野古工事変更申請に対する「不承認」が11月25日に出され、辺野古新基地建設阻止の闘いは再攻勢に入った。今回の衆院選では、辺野古阻止を公約とする「オール沖縄」候補が、沖縄3区で敗北する事態となっているが、この敗北を総括し、来年1月名護市長選に勝利することが問われている。また、「ミサイル戦争反対」を一致点とした全沖縄の枠組みが、新たに模索されつつある。「本土」民衆の呼応・連帯が問われる。

 ⑦原子力発電と気候危機。6月に「40年超え」美浜3号機の再稼働が強行され(10月再停止)、10月に「原発20~22%」のエネルギー基本計画が閣議決定された。また軍事利用も可能な小型炉の開発計画など、自公政権と独占資本は民意に逆らって原発推進を続けている。二酸化炭素ガス排出削減を原発推進の口実とする傾向が強まっているが、化石燃料に依存しない形での原発ゼロは可能である。原発ゼロの道への転換は、当面の政権交代で実際に実現できる筆頭テーマである。

 ⑧4月日米首脳会談と中国包囲網。4月17日の菅首相とバイデン大統領の日米首脳会談は、「台湾海峡の平和と安定」を掲げ、首脳共同声明としては52年ぶりに「台湾」を明記した。これに先立つ3月14日、「自由で開かれたインド太平洋」を掲げる日米豪印4ヵ国(クアッド)の連携が開始され、また同27日バイデンが、米中関係について「民主主義国家と専制主義国家との有用性をめぐる闘い」と規定する外交政策を発表した。米新政権の対中国包囲政策が明確となり、自公政権のままでは、日本の外交・軍事はそれに追随するしかない。台湾周辺や南シナ海で米中の緊張が激化した場合、日本が戦争法を発動して軍事介入する危険が続いている。

 ⑨台湾・香港問題。米中関係の新段階に伴い、この問題での認識・態度の重要性が高まった。台湾における中国の主権の尊重は、72年日中国交回復以来の日中関係の原則の一つであり、米国の政策変化によって動揺するものであってはならない。台湾植民地支配・中国侵略の反省の上に立つ日本では、とくにそう言える。また、両国が自国と他国の覇権主義に反対し、相互の紛争を平和的手段で解決するとしていることも、もう一つの日中関係の原則である。中台関係の将来が中国の内政に属し、また香港が中国の主権下にあることは明白であるが、また同時に、中国の主権行使において、台湾住民や香港住民の民意と自己決定権が尊重されなければならないことも明白である。昨年、香港の頭越しに香港国家安全法が施行されて以降、「香港独立」派の排除のみならず、愛国民主派総体への弾圧が強行されている。米英等の対中国「人権外交」は、為にする不当な内政干渉であるが、台湾・香港・中国大陸人民と世界各国人民との連帯した闘いに国境はない。住民や民族マイノリティの自己決定権への支持は、こうした闘いの一部である。

 ⑩米国での政権交代。昨年11月大統領選挙で共和党トランプが敗北し、1月にバイデン民主党政権が発足した。トランプ陣営の選挙結果拒否や支持勢力が引き起こした1月の米議会乱入事件は、ファシズムの台頭というよりも、ブルジョア議会制度による国民統合がしだいに困難化しつつある時代傾向の現れであった。とくに米国では、白人優越主義の抵抗をベースとした国民分断が続く傾向にある。

 ⑪朝鮮半島情勢。朝鮮は1月に労働党8回大会を開き、米新政権に「強対強、善対善」のボールを投げ、ようやくバイデン政権は5月の米韓首脳会談で、2018年米朝シンガポール合意の継承、南北板門店宣言の支持を表明した。しかし、今春・今夏の米韓合同軍事演習を強行し、米朝正常化の進展は阻止されている。南北関係は7月に直通連絡線が回復するなどしたが、来春韓国大統領選までは大きな進退は望めない。韓国民主労総は、委員長9月逮捕攻撃を受け、10月ゼネストを厳しく闘った。大統領選では、進歩勢力は保守勢力の復権を阻止しつつ、団結を整える対応となるだろう。

 ⑫ミャンマー(ビルマ)情勢。3月1日、ミャンマー国軍がクーデターを引き起こした。多くの国民が平和的不服従闘争を開始し、4月には国軍に対抗し国民統一政府NUGが樹立された。国軍支配は、ロシアの軍事援助、中国や日本の権益維持策などにも助けられて、いぜん維持されている。NUGは9月に武装闘争開始を宣言したが、犠牲者の増大も懸念され、今のところ情勢好転が見えていない。日本では、在日ミャンマー人の反国軍運動が広範に継続され、市民や国会議員の支援も続いている。政権交代による対ミャンマー政策の転換など、ミャンマー民衆連帯運動の拡大が問われている。

 ⑬日本の党派情勢。社民党は、昨年11月の臨時大会で立民に合流する部分と分裂し、その後、2月の第11回大会で、2022年参院選方針として、「党外のみなさんと共同戦線を構築し、全国比例を統一名簿で戦」うために、「新社会党や緑の党をはじめ、基本政策が一致する多くの政党・政治団体・市民団体と日本の政治を変えるためにネットワークを強化する」と決定した。この方針を支持する人々によって、6月末から「共同テーブル」発起人会が開始され、賛同人の募集が進められている。
 また、立民とれいわとが、9・8市民連合4党合意などを通じて、当面「消費税5%」で合意した。これによって総選挙は4野党共闘で戦われた。しかしその敗北により、立民では、日共との野党共闘戦術についてその動揺が始まっている。連合右派の意を受けて、4党合意に参加しなかった国民民主党は総選挙後、野党共闘から完全に脱落し、対自公「是々非々」を名目に維新と協調しつつある。

    当 面 の 方 針
 
 安倍・菅政権以来の自公政権のコロナ対策は、雇用調整助成金など財政出動によって失業の急拡大を見かけ上抑えつつ、非正規労働者とくに第三次産業の臨時雇用的労働者を容赦なく路頭に迷わせるものであった。この結果、格差と貧困は一段と拡大され、2058万非正規労働者、取り分け女性労働者に耐え難い生活苦をもたらし、命さえも奪っている。
 岸田政権は、この状況への広範な批判を意識し、分配重視の「新しい資本主義」や新自由主義の手直しを口にはしているが、アベ・スガ政権同様の大資本家政府として経済成長至上主義政策を推進する以外に道はない。世界的規模で資本主義社会が崩壊する時代に日本資本主義の手直しをあれこれ語っても、資本蓄積(経済成長)による国民統合の再来はありえず、国民分断・支持率低迷の不安定な政権にならざるをえない。
 党は昨秋の8回大会で、自公政権に対するブルジョア的反対派である「第二極」勢力、これとの的確な共闘・批判の関係を構築して、自公政権の打倒、当面の政権交代を実現すると任務を決定した。21年総選挙の結果、政権交代は22年参院選以降へ持ち越しとなった。日本の階級闘争の前進にとって、この政権交代はいぜん必要な過程であるが、野党共闘の再強化が我々の主たる課題なのではない。主たる課題は、労働者民衆の新たな政治勢力化である。したがって今8大2中総では、自公政権打倒にむけた勢力の拡大につとめ、「第二極」の限界を超えた、労働者民衆による「第三極」勢力を政治的に登場させる闘いを強化すること、これを中心的課題として押し出す。
 そのために<1>徹底したコロナ対策を求める闘争の組織化、<2>自公政権を打倒する勢力の拡大、「第三極」形成にむけた広範な大衆闘争の組織化、<3>非正規労働者の組織化をはじめとした労働運動の活性化、<4>「第三極」を登場させ、左派共同政治勢力を建設する闘い、これらを推進する。

 <1>徹底したコロナ対策を求める闘争の組織化
 
 労働者民衆の命と生活を守るには、徹底したコロナ対策が求められる。それには、減らされてきた公的医療施設や保健所の増設、医療従事者の大増員とPCR検査等の徹底、酸素供給の対処療法も含め大規模な入院治療施設の建設等が必要になる。
 また、休業や休校などによる経済的・生活的困難への支援・補償、雇い止め・解雇の阻止、生活保障がいっそう必要になる。これまでの支援策は、一律定額給付金を除いて予算消化率が低い。申請主義ではなく、プッシュ型支援が必要だ。財源は、軍事費など無駄な支出、企業内部留保などから捻出できる。大衆闘争を組織してこれらの対策をとらせる。これらの闘争の前進は、自公政権の動揺を拡大する。
 また、人民分断支配策であり、また感染対策効果も疑わしい国内ワクチン・パスポートの導入、ロックダウンなど罰則付き個人行動制限の拡大、これらに断固反対する。

 <2>自公政権を打倒する勢力の拡大、
     「第三極」形成にむけた広範な大衆闘争の組織化

 
 「総がかり行動」など広範な共同行動を支持し、その一翼を担いつつ、様々な課題で大衆運動を組織・拡大して自公政権を打倒する。7月参院選では、全「1人区」での反自公候補一本化を求める。そして政治闘争の推進を通じて「第三極」政治勢力の形成を推し進める。とりわけ沖縄・韓国民衆との連帯は重要な位置を占める。

 ①沖縄・韓国民衆との連帯した闘い
 日米首脳による共同声明では対中国包囲網の形成をうたい、台湾問題を明記した。中台関係をめぐる米国の軍事介入による沖縄の戦場化の危機が高まっている。沖縄との連帯を一層強化し、玉城知事の工事変更「不承認」を断固支持して辺野古新基地建設の撤回、本島南部からの土砂採取計画断念、普天間基地無条件返還をかちとる。来年1月23日投票の名護市長選では、「オール沖縄」推薦候補の必勝を期して支援する。沖縄・琉球人の自己決定権行使を求める沖縄の人々と連帯し、米日による中台介入の帝国主義戦争に反対して闘う。「ミサイル戦争反対」の全沖縄的取り組みを支持し、自衛隊の南西諸島ミサイル基地の白紙化をはじめ、東アジアの軍縮を求める。
 朝鮮半島では、自公政権が対北敵視・南北分断加担を強め、中国包囲網形成の新冷戦的な情勢にのって、朝鮮半島にも覇を唱えようとしている。韓国民衆と連帯して米韓合同軍事演習などを中止させ、韓国サンケン労組支援闘争を拡大・勝利させるなど韓国労働者民衆との連帯を強化し、日本の朝鮮再侵略を阻止する。
 米中対立のはざまに、韓国・沖縄・日本をはじめ、東アジア各国・地域の労働者民衆との国境を超えた大連合を構築し、東アジアの平和と解放をめざす。

 ②反戦平和・改憲阻止闘争
 今春、国民投票法改正案が成立、制度的にはいつでも改憲発議が可能となっている。新自公政権は、維新など改憲勢力と連携し、引き続き改憲策動を強めるのは確実である。9条改憲をはじめ、あらゆる改憲発議を阻止し、秘密保護法・安保関連法・共謀罪等を廃止に追い込む。長射程ミサイルなど敵基地攻撃能力の強化、22年度軍拡予算など大軍拡に反対して闘う。日米安保の英・豪・独・仏との連携に反対し、東アジア版NATOづくりを阻止する。米軍・自衛隊のオスプレイ撤去など反基地闘争、空港の軍事利用反対を闘う。日本政府の核兵器禁止条約締約国会合へのオブザバー参加を求め、署名・批准をめざす。

 ③反差別の闘い
 新自由主義政策を手直しする岸田政権は、しかし差別排外主義を煽り立てて政権の安定を画策する。コロナ禍で多くの女性労働者が耐え難い生活苦を強いられ命さえも奪われているのは、女性差別の表れでもある。性差別・部落差別・民族差別などあらゆる差別に反対して闘う。人権尊重の徹底化は、新社会建設とそれを担う組織にとって不可欠である。

 ④脱原発闘争
 閣議決定されたエネルギー基本計画に沿って、複数の原発では稼働60年までの運転延長が可能となり、大惨事を生む危険性が高まっている。各地の脱原発・再稼働阻止闘争と連帯して全原発廃炉の闘争を強化する。また、福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出を阻止し、放射性物質から生活・健康を守る闘いを推し進める。被曝労働から労働者を保護し、被曝労働者への完全な補償を求める。
 
 <3>非正規労働者の組織化をはじめとした労働運動の活性化
 
 ①解雇撤回・生活防衛闘争の推進
 コロナ禍で広がる解雇・雇い止めを許さず、労働運動として解雇撤回闘争を闘うと同時に、賃金(就労)保障を要求し就労減少に伴う収入を補填するようにする。同時に非正規労働者が取り残されることがないように社会労働保険制度改革を推進する。さらに今春成立した労働者協同組合法の利用を含め、就労の機会を創出する闘いを推進する。労働者協同組合による事業化では、労働組合、労働者供給事業、労働者協同組合三者の有機的関係作りを重視する。

 ②最賃1500円の早期実現
 今年の最賃闘争では、一律28円を引き上げる答申を引き出し、全国一律制にむけた第一歩を勝ち取った。最賃全国一律1500円を目指して闘争を強め、非正規労働者はじめ最賃すれすれで働く正規労働者の組織化を推進し、労働運動の活性化を進める。そして、○A最賃の全国一律制度および、労働者とその家族に必要な最賃水準の決め方等を定める最低賃金法改正を目指す。○B必要性に基づき、最賃引き上げにともなう中小企業対策も考慮し、適切な施策の実現に努力する。

 ③生活困窮者・野宿労働者の支援
 コロナ禍が続くなか、生活困窮者・野宿労働者支援の取り組みを継続・発展させる。支援団体の連携を拡大・深化させる。公契約あるいは地域と連帯した事業運営の模索など、社会的・公的就労の拡大に奮闘する。さらに、支援された者が支援する側に回るなど当事者運動を展望する。

 ④「第三極」の社会的基礎の創出
 これらの闘いを中心に、地域での労働運動相互の連帯と市民運動との連携をすすめ、正規・非正規・失業者の分断を超えた団結の全国的潮流化をめざす。この潮流は、かって経済成長時代に総評労働運動が社会党の社会的基礎となったように、脱資本主義の時代における「第三極」政治勢力の社会的基礎となることが展望される。

 <4>「第三極」を登場させ、左派共同政治勢力を建設する闘い

 20年~21年のコロナ災害を経て、自公政権は動揺期に入った。「第三極」の登場を目指して、諸勢力の動向にも注目しつつ、この闘いを全力で推し進める。

 ①参院選「共同テーブル」
 社民党が22年7月の参院選で共同戦線を構築し、全国比例を統一名簿で闘うことを評価する。しかし、その「共同テーブル」が、社民党を単に継続させるためのものなのか、新しい政治勢力を創出するためのものなのか等、いまのところ不明である。今後の動きに注目していく。

 ②左派共同政治勢力
 党は、以上4分野の闘争を革命派など諸勢力と共同して闘い、当面の自公政権打倒、「第三極」勢力の登場のために闘う。それらの共同した闘いを通して、「第三極」の推進軸である左派共同政治勢力の建設を準備していく。(了)