戦争法強行成立から6年、国会前9・19
 「本気で政権を取りに」

 安全保障関連法(戦争法)強行成立からまる6年の9月19日、東京では70回めの「19の日」行動が、「戦争法強行からまる6年!戦争法廃止!立憲主義の回復!いのちとくらしを守れ!自公政権退陣!総選挙勝利!9・19国会前行動」として、国会正門前・休日の午後2時で行なわれ、1千を超える労働者・市民が結集した。
 6年前に夜通しで戦争法廃案を人びとが叫んだ国会正門前での、戦争法廃止に向けて「本気で政権を取りに行く」行動となった。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍9条改憲NO!全国市民アクション。
 9月3日に菅首相が自民党総裁選不出馬を表明し、昨年8月の安倍辞任に続く、無責任な逃亡となった。総裁選に世間の耳目をそらし、自民党と政府の首をすげ替えることによって、自公政権の動揺を乗り切ろうと謀っている。
 他方9月8日、立憲民主、共産、社民、れいわ新選組の野党4党は、市民連合(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)が提言する野党共通政策(「安保法制などの違憲部分の廃止」、「消費税減税」等6項目)を共有することで合意した。これによって、小選挙区で候補者を一本化する調整が加速され、総選挙の闘争態勢が整い始めた。
 こうした情勢下での「19の日」行動であった。最初に、総がかり行動実の菱山南帆子さんが主催者挨拶。「昨年の安倍の政権投げ出しに続き、菅も政権を投げ出すこととなった。安倍・菅両政府が追い詰められた証拠だ。戦争法強行成立から6年、今や天下分け目の政治決戦、これを前に市民と野党の共闘が作られ、自公政権打倒の橋頭保が勝ちとられた。デマに負けず、自公政権を打倒する!」、とアピール。
 政党挨拶は、日本共産党・田村智子、社民党・福島瑞穂(ビデオメッセージ)の両参院議員と立憲民主党の菅直人衆院議員。元首相の菅さんは、「2015年の9・19は、内閣法制局が死んだその日だ。歴代の憲法解釈を変えて戦争法を強行成立させた。この安倍のやり方を許さない。民主党政権の失敗を総括して、政権を担う力を付けた。政権交代を実現する!」と決意表明した。
 連帯アピールは最初に、安保関連法に反対する学者の会・高山佳奈子京大教授が発言。戦争の道に批判的な科学者6名の日本学術会議任命拒否問題にふれて、「学術会議は、公務員として国民のより良い生活のために提言や意見を出すのが仕事。これまで専門知が民主国家に生かされてきた。安倍・菅政権でそれが壊された」と指摘し、自公政権打倒を呼びかけた。
 次いで、元シールズの元山仁士郎さんが登壇。「9・19のあの日、前日から夜通し闘った。戦争法が成立し悔しさとともに、変えられるのかもとの思いがあった。しかし今、沖縄戦のようなことが再び起きるのか、目の前の具体的な不安に全力で闘っている。シールズの仲間も、あの日を忘れず、各地で声をあげて闘っている。できる事をやり続ける」との決意を示した。
 市民連合の福山真劫さんは、「市民連合は全国47都道府県に発足し、6年前とは違う。9月8日、野党4党は市民連合と政策協定を結んだ。立憲野党の政権は、この政策を実行する。本気で政権を取りに行く!」とアピールした。
 最後に、憲法共同センターの小田川さんが、「戦争法をはじめ安倍政権以降、民主主義破壊の政治が顕著になった。自公政権が首をすげ替えても何も変わらない。自公政権を打倒するその時が来た!」と締めつつ、以下を行動提起した。
9月30日、有楽町ウィメンズアクション。
10月4日、臨時国会開会日行動。
 14日、新宿駅西口情宣(午後6時半)。
 19日、第71回「19の日」行動。衆参議員会館前・午後6時半。
 臨時国会を自民党の権力抗争が決着するまで開かない、総選挙日程も衆院議員任期が切れてでも異常に引き延ばす、まさに国会破壊である。自民党総裁選で誰が決まっても、それが自公政権最期の首相だ!(東京O通信員)


市民連合と野党4党の9・8合意

 市民連合と野党4党が9月8日に合意した、「衆議院総選挙における野党共通政策の提言」は以下の通り(ただし抜粋)。

 市民連合は、野党各党に次の諸政策を共有して戦い、下記の政策を実行する政権の実現をめざすことを求める。
 ①憲法に基づく政治の回復。
 安保法制、特定秘密保護法、共謀罪法などの法律の違憲部分を廃止し、コロナ禍に乗じた憲法改悪に反対する。
 地元合意もなく、環境を破壊する沖縄辺野古での新基地建設を中止する。
 ②科学的知見に基づく新型コロナウイルス対策の強化。
 従来の医療費削減政策を転換し、医療・公衆衛生の整備を迅速に進める。
 ③格差と貧困を是正する。
 最低賃金の引き上げや非正規雇用・フリーランスの処遇改善により、ワーキングプアをなくす。
 消費税減税を行ない、富裕層の負担を強化するなど公平な税制を実現し、また低所得層や中間層への再分配を強化する。
 ④地球環境を守るエネルギー転換と地域分散型経済システムへの移行。
 再生可能エネルギーの拡充により、石炭火力から脱却し、原発のない脱炭素社会を追求する。
 ⑤ジェンダー視点に基づいた自由で公平な社会の実現。
 選択的夫婦別性制度やLGBT平等法などを成立させるとともに、女性に対する性暴力根絶に向けた法整備を進める。
 ジェンダー平等をめざす視点から家族制度、雇用制度などに関する法律を見直す。
 ⑥権力の私物化を許さず、公平で透明な行政を実現する。
 森友・加計問題、桜を見る会疑惑など、安倍、菅政権の下で起きた権力私物化の疑惑について、真相究明を行なう。
 日本学術会議の会員を同会議の推薦通りに任命する。
 
 上記政策を共有し、その実現に全力を尽くします。
 立憲民主党代表・枝野幸男、日本共産党委員長・志位和夫、社会民主党党首・福島みずほ、れいわ新選組代表・山本太郎。