サヨナラ米帝・さよなら菅政権


 米軍が8月30日、アフガニスタンから完全に撤退した。アフガニスタン国民の偉大な歴史的勝利である。アフガンの国民・諸民族は、かってソ連社会帝国主義の侵略と9年間戦ってこれを撃退し、これに続く、アメリカ帝国主義の「対テロ戦争」という名の無法な侵略と20年間戦って、ついに米・NATO諸国軍を追放した。
 アフガン国民の半世紀近い「帝国」との苦難の戦いは終結し、独立・平和・和解・繁栄の道が拓かれた。アフガン国民・諸民族の希望に応えられるかどうか、政権に復帰するイスラム主義勢力タリバンには、これが問われている。
 アフガン情勢との関連で日本に問われているのは、「危険な」タリバンから如何に退避させるかなどということではない。米国のアフガン・イラク「対テロ戦争」に追随し、自衛隊を海外派兵してまで、これに加担してきた日本政治の根本的反省が問われている。
 自公政権からの当面の政権交代を担う諸野党勢力にその反省ができるかどうか、これが問われる。日米同盟基軸路線との、日本民衆の闘いは続く。(編集部)


 菅政権ついに自滅
  
自公政権打倒へ問われる課題は?

 菅首相が9月3日、自民党総裁選不出馬を表明した。菅政権は、東京五輪による政権浮揚と、新型コロナ感染拡大の押え込みという二つの課題に完全に失敗し、与党支配が破たんして自壊することとなった。
 もとより東京オリパラ強行と、感染拡大抑止を両立させることは不可能であった。五輪開催と感染拡大の直接・間接の相関関係は否定できない。五輪強行が、コロナ緊急事態宣言下の国民の行動抑制に真逆に作用したことは明らかである。
 8月17日の宣言拡大時の記者会見で、「感染拡大も続いている結果に、首相としての責任をどう感じているか」という質問に、菅は「デルタ株によって、世界中に経験のない感染が広がり、我が国の状況も一変した」と答え、すべてをデルタ株のせいにしている。ここ2ヵ月(6・25~8・25)で累計感染者数は世界で1・2倍となったが、日本は1・7倍となって東アジアでは突出している。対策失敗の政治責任は明らかだ。
 菅さんが顔では、もう総選挙は大敗だ――8月22日、菅首相地元(衆院神奈川2区)の横浜市長選で、閣僚から転じた小此木(同3区)が野党共同候補に大差で敗れ、自民党に激震が走った。それで、菅首相が野党・国民から打倒されるのではなく、9月29日投開票の自民党総裁選を前に、自民党じたいから打倒されることとなった。
 しかし、感染爆発対応でどうみても臨時国会が必要な時に、野党・国民からのコロナ対策などでの批判や対策案を封じて臨時国会すら開かない。また、入院したくても入院できない医療崩壊に突入し、コロナ自宅療養者が13万人を超えて自宅死が続出している現況下、総裁選で自党の権力抗争劇にうつつを抜かしているのであるから、ますます自民党は不利になる。それで、ワクチン接種一本やりで感染低減化に一縷の望みを託しつつ、衆院任期満了・総選挙(早くても10月17日投開票)の策となっている。
 立憲民主など野党は、菅のままのほうが戦いやすいという安易な態度であった。自民党は、菅撤退、注目の総裁選と話題を盛り上げ、首をすげ替え、コロナ対策に何か新味を出して情勢挽回をねらっている。それでも総選挙は、このかんの政治決算としては、野党・市民共闘側にいぜん断然有利である。しかし、これは敵失によるものだ。敵失による選挙勝利は、野党得票数が伸びない中でも、自公支持層の棄権によって得られることが、4月の参院広島区再選挙で示されている。底の浅い勝利である。
 野党・市民共闘側は、コロナ対策での予算要求をするだけではなく、コロナ対策を通じて何を実現しようとしているのか、どのような社会を目指しているのか、人心を動かす積極的ビジョンを打ち出す必要がある。そして大衆行動を起こし、政治的勢いをつくり、投票率を上げなければならない。
 左翼は、資本主義に代わるオルタナティブを、大衆的に大胆に提起しなければならない。労働者共産党が言う「自治・連帯・共生の助け合い社会」、これはその一例であるにすぎない。その新しい社会に向けて、大衆運動を創造し、社会的・政治的潮流を大きくしていくことは今現在の実践課題である。
 そう問題提起しつつ、我々は、来る総選挙での野党・市民共闘候補を支持する。すべての小選挙区における立憲民主・国民民主・共産・社民・れいわ等の候補一本化を求め、自公を打倒しよう!(A)


 韓国サンケン労組支援マダン
   解雇撤回!尾澤さん釈放を

 韓国サンケン労組支援の闘いは、6月25日のサンケン電気株主総会を経て、新たなステージを求める段階になった。7月9日には、本社による韓国サンケン解散決定の発表から1年を迎え、8月末には、支援する会事務局次長の尾澤孝司さんが5月10日に不当逮捕されて110日を超える。
 韓国地元では7月16日、閉鎖された工場前で、韓国サンケン労組・全国金属労組・民主労総などで「闘争文化祭」が開催された。
 これを受け、日本でもこのような闘いが出来ないものかと声が上がり、8月21日(土)に本社近くの新座市三軒屋公園において、「韓国サンケン労組支援マダン」が開催された。「偽装解散・解雇の撤回!」「尾澤さんを返せ!」を掲げて、集会と本社デモ行進も行われた。当初、準備期間も短く、各労組参加も困難かとの予測から、「マダン」開催を中心に少数でもやろうとしていた。ところが当日は130名を超える参加者で、賑やかに一日を闘い抜くことができた。主催は、韓国サンケン労組を支援する会、韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会、金属労組慶南支部韓国サンケン支会。
 「韓国サンケン労組支援マダン」はオープニング前に、トッケビの仲間によるチャンゴなどによるプンムルが行なわれ、以降韓国サンケン労組の仲間たちにオンラインでマダンの状況を伝えていった。司会の開会宣言とともに、ステージ側に韓国サンケン労組の組合員の似顔絵パネルが掲げられ、このマダンにかれらも直接参加しているかのようであった。
 中岡さん(全労協事務局長)が開会挨拶、「このマダンを闘いの広場にしなければならない」、「私たちの先頭に立ってきた尾澤さんが、言いがかりをつけられ、デッチ上げで逮捕された。このようなことを許してはならない」、「闘いを一歩も緩めることはできない」と決意のほどが述べられた。続いてノレ(歌)の会による、「連帯闘争歌」のユルトンが演じられた。
 この後、オンラインで、まず韓国サンケン労組支会長のオ・ヘジンさんから挨拶がなされ、副支会長のキム・ウニョンさんからは、以下のような発言があった。このようなマダンが開催されるのは「なんだか信じられない。美しい光景がわたくし達の前に広がっています。皆さんの闘いに、連帯に、私たちは大きな力を得ています」、「最近韓国のMBCの報道で、韓国の国情院(公安組織)と日本の極右組織とが手を握り、日本の公安組織と一緒になって内部の取引きをやっているというショッキングな内容のものがありました。韓日の極右勢力が手を結び、進歩的な勢力を弾圧し、裏取引をやるこのようなやり方は、日本の過去の歴史を見ているようでした」、「尾澤さんの逮捕も、この一線上にあるのではないかと思えるのでした」、「日本の多国籍企業との闘いであり、裏で糸を引いている日本の政権や公安警察との闘いでもあります」、「私たちもしっかり認識し、尾澤さんの釈放も、私たちの闘いの勝利もなしえると思います」、「この闘いは、韓国の労働者の闘いのみならず、日本の皆さんの闘いでもあり、日本の支配勢力に対する闘いでもあります。私たちの闘いは一つです!」と、日韓民衆連帯の重要性を訴えた。
 マダンは、サンケン太郎、日本音楽協議会の仲間の歌と続き、ここで特別アピールとして、ゲンマ・ジャパンユニオン(全労協全国一般東京労組)から、韓国に本社があるゲンマ・コリアとの労働争議について報告。「日本資本、韓国資本の違いはありますが、韓・日間で行なわれている闘争ということで、お互いに協力し、双方で支援できないかと参加しました」と発言した。
 さらに、シャリバリかんから&Howsの歌、ゆいの会「仮面劇・サンケン闘争の巻」と続き、最後に尾澤さんの獄中メッセージが代読された。「韓国と日本で大きく広がった韓国サンケン闘争を恐れたサンケン電気、埼玉県警公安が、韓国サンケン労組の闘いと日本の支援運動をつぶそうとし、また日本と韓国の連帯運動の広がりを断ち切ろうとして、かけてきた弾圧に私は屈せず、再び現場に戻り、韓国サンケン労組に連帯し、勝利するまで最後まで闘いたいと思います」と決意が表明された。
 夕刻、チャンゴ隊を交えたデモ行進に出発。宣伝カーを先頭に、サンケン本社前までを往復した。本社前では熱いシュプレヒコールを上げ、周辺住民、新座市民に韓国サンケン労組支援を訴えた。
 尾澤さん獄中アピールにもあるように、勝利のその日まで闘い抜くことの重要性を確認する一日となった。(東京Ku通信員)


 再稼働反対8・13東海村一日行動
   避難は可能なのか――東海村交渉で追及    

 8月13日、茨城県東海村の日本原電・東海第二原発の再稼働に反対し、「東海村一日行動」が闘われた。主催は、ピースサイクル全国ネット常磐線ルート。
 まず午前中から、東海駅前で事前集会。毎年、東海村の関係者が参加していたが、今年は茨城県でもコロナまん延で参加見合わせになってしまった。それでも首都圏から15名ほどが参加、一日行動を確認し、六ヶ所ピースサイクルの先遣自転車隊を見送った。
 次は、東海村役場に向かう。村側との質疑で、避難計画や再稼働対応を主に質問した。
 避難計画の不備を理由に東海第二の運転差し止めを命じた3・18水戸地裁判決に対する東海村の評価では、「司法上の一つの判断がなされたものと受け止め、これまでの取り組みを着実に前進させ、結果を積み重ねる」と回答。
 これは、山田村長の見解と同一で、水戸地裁判決は一つの判断でしかなく、再稼働容認に向けて着々と準備を進めるという意味である。山田村長は、周辺6市村が原電と結んだ安全協定について、了解権は持っているが「自治体に拒否権はない」などと発言している。(9月5日に東海村長選が茨城県知事選と同日選であるが、村政の転換が問われる)。
 また村側は、高齢者など避難行動要支援者について、在宅避難行動支援者6名と職員が付き添っての、施設入所者6名の避難活動訓練を紹介。「関係機関との連携・協力に向けた経験蓄積の練度向上に継続的に取り組む」と回答した。
 しかし福島原発事故では予測できない事態が発生し、双葉病院等の避難者が何のケアも受けられずバス車内に放置され、死亡する人が続出した。水戸判決は、「5つの自治体の広域避難計画も今後の検討課題を複数抱えている」と指摘している。
 来年9月までに燃料装填、12月安全対策工事完了で再稼働とする原電の計画については、「先々のスケジュール等具体的な説明等は受けて」いないと回答。使用前検査は施設・設備ごとに行なわれ、具体的な日程等は「工事の進捗に応じて、都度、原子力規制庁との調整で決められるものと聞いている」と回答。これでは原電の言うがままという姿勢である。そして、6市村の首長で構成する原子力所在地域首長懇談会では、原電からの使用前検査申請について「稼働及び運転延長に直結するものでは」ないとの回答を受けていると述べた。村との交渉は、コロナを理由に50分程で終わった。
 午後は、東海第二原子力発電所に要請行動を行なった。再稼働を絶対に強行しないこと等の要望書を、原電側に受け取らせた。
 原電は、敦賀2号機直下の断層が活断層か否かを判断する重要データを書き換えた悪質な企業である。しかもその東海第二は、首都圏隣接・原子炉40年超えの超危険な原発だ。東海第二の再稼働阻止、さらに全原発廃炉へ奮闘しよう。(東京O通信員)