東アジア民衆国際連帯VS米日英


 菅政権の五輪強行・コロナ無策が、ついに新型コロナ感染爆発を引き起こした。7月29日には新規感染者が東京3865人、全国で1万人を超え過去最高となった。菅政権は、東京五輪を漫然と続ける一方、30日には東京と沖縄での緊急事態宣言(7月7日~8月31日)を首都圏・大阪に拡大した。
 が、もう菅政権を信用する者はいない。五輪はやれるのに、なぜ我々は自粛なのか。政府不信は臨界点に達しつつある。自公はこの窮地に対し、9月臨時国会で無責任なバラマキ補正予算を策して、総選挙に突入せんとしている。
 もう一つは、中国・朝鮮半島への敵愾心を煽り立て、戦争の切迫という緊急事態へ国民を引きずり込むことによって、自公の支配を維持せんとする策動である。注意すべきは、野党共闘を担う立憲や日共もまた、この排外主義から自由でない点だ。
 したがって、「政権交代」を実現する当面の政治過程において、韓国・沖縄・アジア民衆と連帯し、国際主義の「第3極」勢力を登場させること、これが緊要な課題となっている。(編集部)


米韓合同軍事演習反対!8・10米大使館抗議行動へ
    韓国・沖縄民衆との連帯を軸に

 8月10日、8月第二週に強行されんとしている米韓合同軍事演習の中止を求め、アメリカ大使館抗議行動が行なわれる。呼びかけは、資本主義を超える新しい時代を拓く反戦実行委員会。(午後・時、地下鉄虎ノ門駅下車JTビル前に集合)。
 韓国では、民衆勢力の演習反対運動のほか、7月1日に与党「共に民主党」と正義党などの国会議員76人が、8月韓米合同演習の延期を求める声明を出した。在日韓国人勢力も演習の中止、国家保安法の廃止を求めて宣伝活動を展開してきた。
 2018年の2度にわたる歴史的な南北首脳会談の後、南北対話はしばらく停滞していたが、7月に南北直通連絡線も回復し、半島情勢の好転が現れてきている。米韓合同演習の強行は、これを逆行させる。米バイデン政権は、今春の米韓合同演習も指揮所演習として強行し、今夏の演習も規模を縮小するといわれるが強行せんとしている。
 5月21日の米韓首脳会談でバイデン大統領は、18年6・12米朝シンガポール合意の継承、4・27南北板門店宣言の支持、これらを明らかにした。これは良いことだが、問われるのは実質だ。バイデン政権は対朝鮮政策・半島非核化政策では、段階的アプローチを取るとしている。ならばその一歩として、米韓合同演習を中止してみせるべきである。
 朝鮮半島情勢は、米・日の「中国包囲網」作りという新冷戦的な情勢と連動する。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は今のところ、この包囲網作りに組してはいない。しかし文大統領は、「キャンドル革命」を受けた当初の諸公約を履行できないまま、最終年となっている。新自由主義は是正されず、民意は文大統領と与党民主党から離反する中、文政権は当初の改革派としての姿勢をかなぐり捨て、日・米と同一歩調に転じつつある。来年3月の大統領選挙でも、進歩勢力が支持できるような予定候補は今のところ不在である。韓国政治が保守化し、南北関係の進展が阻まれれば、韓国を日米豪印(クアッド)の対中包囲に参加させる動きは強まる。
 今、英空母クイーン・エリザベスの艦隊が、南シナ海で中国を挑発したうえで、横須賀へと向かいつつある。この艦隊には、米、伊の軍艦も参加しており、途中のフィリピン沖で海上自衛隊、韓国海軍との共同演習も行なうという。まさに、東アジア版NATO艦隊の様相である。
 麻生副総理が7月5日、「台湾で大きな問題が起きれば存立危機事態に関係する。日米で台湾を防衛しなければならない」と発言した。「日米で台湾を防衛」とは、日中国交回復以来の日中関係の原則(台湾における中国の主権の尊重)をくつがえす重大発言である。しかも麻生は、中国の両岸問題に介入する形で、安保法制(戦争法)の発動による集団的自衛権の武力行使を示唆した。
 自公政権は、いぜん日米同盟一辺倒で、対朝鮮・対中国の自主的平和政策は何もない。このかんは米朝関係の緊張を利用して敵基地攻撃能力の整備を開始し、今また米中対抗関係を利用して、沖縄の戦場化をいとわない南西諸島ミサイル戦争基地化など戦争準備をすすめている。
 先の国会で強行成立した重要土地規制法は、おもに沖縄で、土地所有者を調査し、土地用途を罰則をもって規制し、国への土地販売を促がす法律である。米軍基地・自衛隊基地のための、事実上の土地強制収用法となる。
 東アジア版NATO作りを許さず、戦争法、重要土地規制法を廃止せよ。韓国・沖縄民衆と連帯し、東アジア反戦闘争を前進させよう。(A)