サンケン電気は韓国サンケン労働者の
解雇を撤回しろ4・13集会

 
全員復帰へ正念場

 韓国サンケン労組とこれを支援する日韓民衆の闘いは、6月に予定されるサンケン電気の株主総会を控え、いよいよ正念場を迎えようとしている。
 このような折り、日本側の支援体制の更なる強化を図るためにもと、4月13日、東京・文京区民センターで「サンケン電気は韓国サンケン労働者の解雇を撤回しろ4・13集会」が開かれた。「闇は光に勝てない!我々は絶対に諦めない!」と、サブタイトルが掲げられた。主催は、韓国・金属労組慶南支部韓国サンケン支会、韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会、韓国サンケン労組を支援する会の3者。
 同主催で当初3月9日に開催が予定されていたが、コロナ緊急事態宣言でこの日に延期せざるを得なかった。宣言(二次)は解除されたとはいえ、主催者側は検温、消毒の万全の態勢で開催を実現した。それでも会場側は、時間短縮や入場制限を課したが、開会時には満員となり、オンライン中継視聴者を含めると200名近くが参加し、次へと繋がる集会となった。
 集会は、司会の中原純子さん(東京全労協副議長、東京労組)の発言で始まった。
 主催者挨拶が、韓国サンケン労組を支援する会共同代表の渡邉洋さん(全労協議長)からなされた。渡邉さんは、戦時性奴隷制や徴用工問題など最近の日韓関係を踏まえつつ、全労協と韓国民主労総との友好関係、また韓国サンケン労組支援の重要性を指摘し、共に闘う決意を表明した。
 経過報告が、尾沢孝司さん(支援する会事務局長)から行なわれた。昨年7月9日の、サンケン電気本社による労使合意違反の一方的な韓国サンケン解散・清算通告。韓国サンケン労組の社前テント闘争の開始。日本での9月3日、支援する会の再結成。大阪を皮切りに名古屋、福岡など全国各地の営業所闘争の実現。1月20日の解散・労働者全員解雇の強行。投資ファンド「エフェッシモ」による公開買付けなど、時間を追って詳細に報告された。
 続いて、ビデオ上映『韓国サンケン労組の闘い』で馬山の現況などを視聴。
 次にオンライン中継で、韓国サンケン労組16名中15名が参加し、決意表明がなされた。オンライン環境が悪くハウリングが発生したが、映像は鮮やかで各組合員の皆さんの表情が伝えられた。たいへん聞き取りにくい状態であったが、決意のほどが伝わった。
 オンラインが改善しない状況で、会場カンパ要請と行動提起が繰り上げて行なわれた。埼玉市民の会の坂本俊さんが、全額韓国サンケン労組に送るカンパ要請を行なった。行動提起は、支援する会に参加する郵政産業労働者ユニオンの内田正さんから、①サンケン電気本社、東京営業所への毎木曜抗議行動への参加、②サンケン電気本社への抗議文、抗議ハガキの発送、③そして今こそ行動を強める必要性、と訴えられた。
 本集会のメインというべき、キム・ウニョンさん(民主労総副委員長、韓国サンケン労組副支会長、解雇・清算撤回解雇者復職闘争委員会議長)のオンライン講演が、「韓国サンケン解雇撤回の闘いと韓国労働運動」との演題で行なわれた。
 ウニョンさんは、経過は尾沢さんの報告に詳しいので、韓国労働運動について話すとして、その2021年の現況を、①新型コロナと世界経済の危機、②新型コロナによる雇用危機、産業再編と雇用不安、③社会二極分化・不平等の深化、④米中の覇権争い、米朝間の軍事的危機、⑤与党勢力の階級的限界、2022年の大統領選挙、⑥民主労総の社会的位置と役割の拡大、⑦民主労総の課題という七項目について語った。
 民主労総は、10月、11月にゼネストを計画。LG財閥に対する闘い、進出企業に対する闘いを取り組む。ここでは、韓国サンケン労組の闘いが関連していると語った。時間がなく、予定よりかなり縮小された講演となったが、民主労総の副委員長になったキム・ウニョンさんの決意のほどが大変よく出た講演であった。
 日韓労働者民衆の連帯した闘いで、韓国サンケン労組全組合員の職場復帰を実現しよう。(東京Ku通信員)


コロナ禍でも「釜メーデー」堅持
 高齢化しても釜は労働者の街


 全世界がコロナ禍に覆われ、ここ大阪においても緊急事態宣言発令下で、屋内集会や連合、全労連メーデーが相次いで中止されるなか、5月1日、西成区の釜ヶ崎地区では、「第52回釜ヶ崎メーデー」が釜ヶ崎日雇労組を始めとした諸団体によって、朝8時より萩の森公園で約120名の参加者で開始された。
 今年のスローガンは、「野宿させるな!仕事させろ!日雇労働者の団結で全世界の仲間と共に闘うぞ」であり、曇り空の中、三角公園までの町内デモが展開された。
 その後、参加した労働者の前で、いまセンター問題(西成総合センター建替え問題)の最終交渉が行なわれている経過と進捗状況の報告が、主催者側からなされた。
 基本的に、大阪市はセンター跡地に、地域の労働者と住民のための施設と、憩いの場を造ることが最優先だと丁寧に説明され、討議を終えた。
 意義あるメーデー行動の堅持であったが、率直な感想も述べたい。私も、今までにメーデーは3~4回参加した記憶があるが、年々釜の労働者の老齢化は深刻だ。と言う私もその一人なのだが。やはり70年代以降、釜ヶ崎の闘いを担ってきた若者たちも今や鬼籍入りした人もいるし、闘争主体もそれなりに老齢化が進んでいる気がする。
 おおまかに言えば、生保取得者の増大とともに、現役労働者が減っているのだ。
 どこの運動体や労働組合でもそうなのだが、若年層は言うに及ばず、中年層も極めて少ないのが偽らざる現実だ。が、一方では「特掃」現場の活気をみれば、まだ働く労働者の息吹きを感じるのが釜ヶ崎だ。あと十年後の寄せ場はどのような姿に変貌しているのか。
 今日、コロナ解雇が政府発表でも10万人を突破している状況下、社会運動もそうなのだが、労働組合すらもその存在意義を問われている時かもしれない。そこを、どう打ち破るのかが厳しく突き詰められているのだろう。
 最近読んだ本の中に、大労組の現状が次のように書かれていた。「政府はここ数年の『官製春闘』のなかで経営者側に賃上げを促がし、『働き方改革』で長時間労働の是正を進めてきた。過労死問題など、経営に対する監督機能は労基署・局が果たしている。これらの役割や機能は本来、労働組合が担うべきものであるが、いまではすっかり、政府や行政にお株を奪われた感がある。じゃあ、一般社員からすれば『労働組合』は何のためにあるのか、と。さらに『組合の関心はゼロ、極めて内向き、保守的で、自分の生活・待遇、出世のことしか考えていない』、また『今だけ、カネだけ、自分だけ』という考え方の人達が圧倒的に多い現実」と。
 社会問題に目覚める時は果たしてあるのだろうか? でも嘆いているだけでは始まらないのだ。私の知り合いは、地方の労働組合活動に取り組み、外国人労働者とともに争議を闘い、組合の拡大・活性化を進めている。こうした「闘う労働組合」も数多く存在している。
 コロナ禍の中で、一番悲惨な状況に置かれた非正規・未組織労働者の闘いの方向としては、本紙前号2面のS氏による記事「最賃引上げは正規・非正規の共通課題」が、今後の闘いかたを示唆しているのではないだろうか。(大阪S通信員)

 東京・日比谷野音で5月1日恒例の、全労協などによる「第92回日比谷メーデー」は、コロナ禍により一部のみ参加・ライブ配信で式典が行なわれ、デモは中止となった。その後、新橋駅前でアピール行動(サイレントスタンディング)が実施された。(編集部)


4月「19の日」行動、広島再選挙へ檄
 補選全勝で自公危機

 4月25日、注目の三つの国政選挙、衆院北海道2区と参院長野選挙区の補選、参院広島選挙区の再選挙、これらの投開票が行われ、すべてで野党「一本化」候補が全勝し、自民その他が全敗する結果となった。
 とくに参院広島選挙区では、野党統一候補の宮口治子さんが自公候補に競り勝ち、みごとに完勝した。この広島の再選挙は、安倍自民執行部から支給された破格の1億5千万円、これを原資とした大規模買収事件によって、河井案里が当選無効になったことによるものである。選挙は、アベ・スガ金権政治と、菅政権のコロナ対策の失敗などを明確に断罪する結果となった。
 菅政権最初の国政選挙で、明確な審判が出た。菅政権はただちに退陣すべきである。衆参国会議員は、菅をただちに不信任決議でクビにし、総選挙が(今秋10月以内)実施されるまでの間、コロナ変異ウイルスとその社会的災害などに対処できる臨時政権を組織すべきである。
 これら3選挙の直前に、4月の「19の日」行動が各地で取り組まれた。東京では、「いのちとくらしと雇用・営業を守れ!衆参補欠・再選挙勝利!改憲手続法強行するな!4・19国会議員会館前行動」として闘われ、350名がコロナ対策も万全に行動を貫徹した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍9条改憲NO!全国市民アクション。
 行動は、最初に藤本泰成さん(戦争をさせない千人委)が主催者アピール、衆参補欠選挙勝利・自公政権打倒を訴えた。
 国会野党からは、社民党・福島瑞穂、日本共産党・藤野保史、沖縄の風・高良鉄美の各参院議員が挨拶。また立憲民主党・逢坂誠二衆院議員も発言し、「衆参補欠選挙では、立憲野党が善戦中だ。何としても三つの選挙で勝つ。広島は僅差の闘い、全力で勝負をかける。」「2012年12月(第二次安倍政権成立)以降、政治はめちゃめちゃ。私物化、嘘、官僚も追随だ。変えるには勝つしかない!」として、3選挙支援を呼びかけた。
 市民からの発言では、改憲問題対策法律家6団体連絡会の大江京子弁護士が発言、「デジタル改革関連法案が審議27時間で衆院を通過、参院に移った。人権と個人情報の保護の徹底は、民主主義国家の基礎。大切な個人情報を企業に売り渡してデジタル化を進め、警察が市民を監視する。これは何だ。国家に監視される国に、民主主義はない」とし、絶対廃案を訴えた。
 次いで、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さんが発言、「沖縄の離島は要塞化され、また辺野古では新基地建設が強行されている。玉城知事は、政府提出の設計変更申請に不承認を表明するだろう。その翌日から、首相官邸前行動など辺野古ブルーアクションが予定されている。知事とともに決起し共に闘ってほしい」と呼びかけた。
 最後に、安保法制廃止・立憲主義回復を求める市民連合の中野晃一上智大教授が発言。「8年間自民党政治が続き、メディアもゆがんで真実が分からなくされている。菅政権の支持率も40%弱から変化せずマンネリだ。広島など基礎票では自公が強い。声を出し続けて支持を拡大し、メディアを変えねばならない。野党統一候補を押し上げて菅打倒へ」とアピールした。
 憲法共同センターの木下さんから、以下の行動提起を受けて終了した。
 4月30日、有楽町で5・3憲法大行動街頭宣伝。
 5月3日、平和といのちと人権を!5・3憲法大行動(午後1時半、国会正門前)。
 5月14日、ウィメンズアクション(午後6時、有楽町イトシア前)。
 5月19日、「19の日」行動(午後6時半、国会議員会館前)。
 5月20日、新宿駅西口情宣(午後6時)。
 まともなコロナ対策もできないのに、デジタル法案、改憲国民投票法改定案、東京五輪を強行する菅政権をただちに打倒しよう。(東京O通信員)