関電よ・老朽原発うごかすな!3・20高浜全国集会
  40年越え全廃炉で原発ゼロへ

 3月20日、福井県高浜町において、関西電力の40年越え原発である高浜1号・2号機、美浜3号機の再稼働中止を求めて、「関電よ・老朽原発うごかすな!高浜全国集会」が開催された。主催は、老朽原発うごかすな!実行委員会。
 集会前段の午前11時40分には、高浜原発北ゲート前に全国各地から約400名の参加者が集結する中、抗議と申し入れ行動が行なわれた。原子炉格納建屋を目前に見ながら、「関電は老朽原発廃炉にせよ!約束を守れ!」の怒りのシュプレヒコールが繰り返された。実行委代表の一人・木原:林さんが、関西電力への申し入れ書を読み上げた。ゲート前を埋め尽くした参加者一同の圧倒的な支持の歓声・拍手に後押しされて、木原さん他4名が敷地内に入り、責任者に申し入れ書を手渡した。
 場所を移動して、午後2時より高浜町文化会館にて、短い時間のなかではあったが全国集会がもたれた。
 主催者あいさつで中嶌哲演さん(オール福井反原発連絡会)が現地から発言し、「再稼働にむけた動きの中、福井県議会及び地元原発立地自治体へ向け、あらゆる手段を使って自分の言葉で意思表示の集中を!」と訴えた。これは、約束を反故にしつつ再稼働をせまる関電に対して、再稼働の動きに変節する杉本知事と県議会にまっとうな結論を出させる状況を切り拓くため、はがき等の抗議・要請の行動を訴えたものだ。4月臨時県議会が勝負となる。
 全国から結集した仲間からは、首都圏と福島からの発言があった。「原発はいらない福島の女たちの会」の黒田節子さんからは、「この季節になっても、(自然豊かな)福島では山菜は口にできない。国のずさんな放射線量算定による混乱で、県民は何を食べてよいのかも分からない実状が広がっている。おかしくされた私たちの人生・生活を取り戻すためにも、一つひとつの課題に取り組んでいく」と固い決意が語られた。
 続いて地元、高浜・大飯・小浜・美浜を中心に11の団体の反原発を担う仲間が発言、地道に出来るところから地元の世論を創っている活動が報告された。
 また川内、玄海、伊方、志賀、浜岡、青森、泊など全国13地域の反原発を担う団体は、この日の集会に可能な限り代表を送りつつ、連帯メッセージを届けた。また井戸健一弁護士などからのメッセージも紹介、最後にユニオンネット京都など労働組合からの連帯表明。
 締めは、「老朽原発うごかすな!」のプラカードアクション、続いてスローガンが力強く提唱された後、高浜町内デモ行進に出発。超危険な老朽原発の廃炉を地元で訴えて、全国集会を成功させた。
 さて、原子力発電の是非をめぐる国民大衆と政府・電力資本・「原子力ムラ」との闘いは、福島第一原発大事故以来の十年の攻防をへて、文字どうり緊迫の様相に入っている。
 この3・20反原発高浜現地集会が求めるように、老朽原発の再稼働を阻止し、また新規建設を許さなければ、今年改定される国の「エネルギー基本計画」での今後の電源構成において、原発が生き残れる余地はほとんどない。
 また国民の8割が、原発の即時廃止あるいは早期撤退という世論が形成されていることを背景に、このかんの司法判断も、本訴や仮処分の裁判で一進一退の現況となっている。このかんの福島県民を先頭とした十年の闘いの成果と、現段階の力関係を反映するものである。
 また3・20集会は、コロナ禍の中でも400名が全国から結集して声を上げることで、地元住民への一つの大きなアピールとなっていると感じた。私たち関西一円の反原発を担う団体・個人は、取り組みを単日のカンパニアに終わらせることなく、それぞれの持ち場で住民と共に、原発廃炉の後、どのような街を形作れるのか、また子々孫々に遺していけるのかの合意を図れるような、長期の協働の闘いが今後重要になってくると感じた。(関西I通信員)


さようなら原発3・27首都圏集会
 活かせ3・18水戸地裁判決

 3月27日、東京・日比谷野外音楽堂で、「3・27福島原発事故10年 さようなら原発首都圏集会」が開かれ約1500人が参加、集会後、東電前を通って銀座方面へデモ行進を行なった。主催は「さようなら原発」一千万署名市民の会、協力・総がかり行動実行委。
 福島原発事故の以降、毎年3月には同主催で、東京での全国集会が開催され、これを節目に原子力発電廃止の世論と一千万署名が推進されてきた。しかし昨年は、新型コロナ感染の第一波の中で中止となった。現在は、当初を桁違いに上回る新規感染者数となっているが、昨年の9月集会に続き、感染対策を取りながらの首都圏集会となった。
 最初に、鎌田慧さん(ルポライター、一千万署名呼びかけ人)が主催者挨拶、「先日、署名を提出してきました。(愛知県知事リコールで高須や河村名古屋市長がやった)カネで集めたニセ署名ではありません。市民一人ひとりが記した署名です。世論の8割が原発ゼロというところまで来ています。これを背景に、先日3・18水戸地裁判決が出されました。原発推進はすべて行き詰まっています」と現況を述べ、会場を鼓舞した。一千万署名言い出しっぺの澤地久枝さん(作家)も、90歳、昨年背骨骨折の身でも、お元気に登壇・発言された。
 被災地フクシマからは、地脇美和さん(福島原発刑事告訴団事務局長)が発言、「聖火リレーが強行されたが、フクシマは五倫どころでねえ」と切り出し、余震が続くなか、終わっていない原発震災の危険な現況を報告した。
 吉原毅さん(原自連会長、城南信金名誉顧問)が、先日開催された「ゲンパツゼロ自然エネルギー100国際会議」などについて報告した。
 菅直人さん(事故当時の首相)も登壇。当時の4号機・使用済み核燃料プールの大危機などを回顧しつつ、現在の行動として、年内総選挙での原発ゼロへの投票を訴えた。
 今集会の目玉と言えるのが、東海第二原発運転差止裁判についての、大石光伸さん(原告団共同代表)の報告。
 3月18日水戸地裁(前田英子裁判長)は、「実現可能な避難計画が整えられているというにはほど遠い状態であり、対策区域内の原告らには、人格権侵害の具体的危険がある」として、日本原電・東海第二原発(茨城県東海村)に運転差し止めを命じた。避難計画の不備を理由とした原発差止命令は、初めてである。
 大石さんは、「この英断は、福島原発事故の避難死など原告側の証人を、裁判長が全員認めてきた結果といえます。また原電側は、審査対象の地震・津波などの対策は認める判決だと言っていますが、そうではありません。内容的な司法判断を避け、宿題を提起したものと言うべきです」と解説した。
 落合恵子さん(作家、呼びかけ人)の閉会あいさつで集会を締め、「老朽原発廃炉!」などのプラカードを全員で掲げた後、デモ行進に移った。
 なお1千万署名の今年3月1日集計数は、881万1877筆。(東京W通信員)


コロナ失政が拡大する中、国会前64回「19の日」行動に400名
  4・25衆参3補選勝利で菅政権は終わりへ

 首都圏では新型コロナ感染者が三たび増加に転じているにもかかわらず、菅政権は3月21日、二度目の緊急事態宣言を解除した。感染力が高い変異株も徐々に増加するなど、命と健康が脅かされる日々が続いている。
 3月16日発表の統計では、2020年の自殺者が11年ぶりに増加。とくに女性が前年比935人増の7026人と2年ぶりに増加に転じた。雇用統計では、女性非正規労働者が前年比50万人減少している。コロナ禍で雇用の調整弁の役割を担わされ、女性の貧困がより深刻になっている。
 また、菅政権はコロナ失政をごまかすために東京五輪開催に執着し、3月25日聖火リレー開始を強行した。
 こうした情勢下の3月19日、東京では64回めの「19の日」行動が、「いのちとくらしと雇用・営業をまもれ!改憲手続法強行を許すな!衆参3補欠選挙勝利!3・19国会議員会館前行動」として闘われ、約400名が参加した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍9条改憲NO!全国市民アクション。
 まず、憲法共同センターの小田川義和さんが主催者挨拶、「菅政権は、聖火リレーを実施するために緊急事態宣言を解除しようとしているが、政府のコロナ対策は失敗だ。菅政権とおさらばして、命と暮らしを守る政権を立てる。野党は4月末に力を示す時が来る」と述べた。
 国会野党からは、日本共産党・山添拓、立憲民主党・小西洋之、社民党・福島瑞穂の各参院議員が挨拶。小西さんが総務省接待問題などに触れ、また福島さんは原発問題に触れて、「水戸地裁が昨日3月18日、30㌔圏94万人の実効性ある避難計画が不充分として、東海第二原発の運転を認めない判決を下した。原発ゼロに向け国会でも闘う!」と決意表明した。
 連帯アピールは最初に、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合の山口次郎さん。「自公に鉄槌を下すのは今。市民連合も候補者一本化で奔走している。右翼マスコミの誹謗中傷を許さない。衆参3補欠選挙に勝利する!」と意気込みを示した。
 「女性による女性のための相談会」の松本千恵新聞労連副委員長は、「122件の女性や外国人の相談があった。五輪の森会長から女はわきまえろと言われるなど、女性は差別されて生きてきた。コロナ禍では最初に仕事を奪われ、多くの女性の生活が立ち行かなくなった。憲法25条を盾に、生活保護の獲得、仕事を守る闘いを!」と報告。
 在日ミャンマー人の牧師さんは、「ミャンマーでは、2月1日から今日までの47日間で2百人以上の若者が殺されている。国を守るべき国軍が国民を殺害している。日本政府が、国軍に圧力を掛けるよう働きかけてほしい。ODAなどの支援をせず、若者の命を守ってほしいと。今、我々ができることは、真実を話すことだ」とアピールした。
 政府が辺野古埋立土砂を、沖縄戦犠牲者の遺骨が多く眠る南部からも採取しようとしている問題で、日本キリスト教協議会の金性済さんが緊急アピール。「県は、糸満市で土砂を採掘しようとする業者の開発届けを先日受理した。デニー知事が30日以内に開発中止の措置命令を出さねば止められない。知事を支える必要がある。開発中止を命じて、というファックスを送ってほしい」と呼びかけた。沖縄県は、4月16日までに判断する見通し。
 最後に、総がかり行動実の菱山南帆子さんが、「あきらめずに声を上げ続けて、昨日の水戸地裁判決が勝ち取られた。声を上げれば社会は変わる」と締めくくって、以下を行動提起。
 4月15日、新宿駅西口情宣・午後6時。
 4月16日、ウィメンズアクション(有楽町イトシア前・午後6時)。
 4月19日、「19の日」行動(午後6時半・議員会館前)。
 さて4月25日は、国政3補選(衆院北海道2区、参院長野選挙区、参院広島選挙区)の投票日。北海道は与党が候補を立てきれず、長野は反自公が優勢であるが、広島を含め野党・市民候補が全勝すれば、議会政治は一挙に流動化する。各運動勢力も、総選挙また来年参院選に備えながら、足腰を鍛えておく必要があるだろう。(東京O通信員)