「サンケン電気は韓国サンケンの解散を撤回しろ!
12・20デモ」に250名
 解決迫る本社デモ

 12月20日、埼玉県新座市で、「サンケン電気は韓国サンケンの解散を撤回しろ!12・20デモ」が行なわれ、約250名の労働組合員・市民が参加した。主催は、韓国・金属労組慶南支部韓国サンケン支会、韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会、韓国サンケン労組を支援する会の3団体。
 デモ前に午前11時から、志木駅近くの三軒屋公園で集会開催。
 集会は、中原純子さん(東京労組)の司会で、まず渡邉洋さん(支援する会共同代表、全労協議長)が主催者挨拶。渡邉さんは、「コロナ禍の労働者犠牲を許さず、21春闘を開始した。サンケンはコロナ利用の悪質な労組つぶしだ。植民地支配の歴史もふまえ、私たち日本の労働者が韓国の労働者の使い捨てを許してはならない。そういう意味でも重要な闘いだ」と訴えた。
 地域からは、埼玉市民の会の白田真希さんが発言。労組からは全統一労組書記長の佐々木史郎さん、市民団体からは日韓民衆連帯全国ネットの土松克典さんと発言が続いた。
 オンライン音声で、韓国からキム・ウニョンさん(韓国サンケン労組副支会長)が決意表明、「日本の皆さんとの連帯で勇気百倍。必ず工場に戻ります!」と元気な声が響き渡った。
 各争議団が並んで一斉コールの後、正午にデモ出発。サンケン本社への大衆デモは、17年3・26以来。遠征団参加のその時よりも、参加者数は今回が上回った。
 新年は、1・21解雇は許さない池袋緊急行動(正午、サンケン東京事務所前)に結集を!(東京A通信員)


  全国各営業所にも要請行動

   ● 大 阪
 
 韓国サンケン労組を支援する大阪市民の会(準備会)は、全国営業所闘争の先陣を切って11月18日昼前より、サンケン電気大阪支社への申し入れ行動と韓国サンケン偽装解散を撤回させる情宣行動を、24名の参加者でもって闘った。
 会はまず、大阪の北区梅田中心地にある明治安田生命ビル25階へ、「抗議申し入れ書」を手渡しにおもむいたが、セキュリティー対策で面会もままならず、専用電話にて趣旨を担当総務へ告げたにもかかわらず、「そういうものは受け取れない」の一点張りであった。
 怒りも新たにビル正面入り口で、キム・ウニョンさんの録音抗議アピールをスピーカ-で展開し、ビラまきを始める。すると、先ほど顔も出さなかったサンケン電気社員とガードマン10数名が、ビル前・ロビーで右往左往。2~3名で来たのだろうと高を括って排除にきたのだが、20余名の参加者とビル前をうめる抗議パネルとラウンドスピーカーに圧倒され、文字通りタジタジ状態であった。大阪支社は、韓国サンケン解散撤回の要求を頑なに拒否し続ければ、企業イメージはズタズタになると思い知るべきである。
 昼飯時であるためオフィス街の雑踏の渦中で、何事かとビラを求める人も多くいた。最後に「サンケン電気は韓国サンケンの偽装解散を撤回せよ!」のシュプレヒコールを叩きつけ、1時間の情宣行動を締めくくった。
 大阪市民の会は、その後市民の会独自の営業所闘争を12月2日と、16日にも展開するとともに、大阪の主要な労働組合が結集した12月4日の営業所闘争にも合流した。
 12月4日は、大阪全労協や全日建関西地本など多くの労働組合で構成される大阪ユニオンネットワークが主催し、50名が参加した。この行動は名古屋営業所に対する行動と同時的に行われ、日韓連帯の絆を一段と強め、サンケン闘争の勢いを飛躍させるものとなった。
 大阪市民の会は、1月13日に第4波行動を行なう。(大阪S通信員)

  ● 名古屋

 12月4日、名古屋駅近くのビル街の一角、クロスコートタワーと言う17階建てビルの正面玄関前。昼過ぎからユニオンみえの宣伝カーが横付けされ、キム・ウニョンさんの通訳付きアピールが「サンケン電気は韓国サンケンの偽装解散をするな!」と大音量で流された。このビルの中にサンケン電気の名古屋営業所が置かれている。
 コミュニティ・ユニオン東海ネットワークが、この日の行動を呼びかけた。宣伝カーの周りに次々と東海地方の労働組合、市民団体のメンバーが集合した。午後1時、玄関前の歩道で抗議活動が始まった。結集した団体は、ユニオンみえ、名古屋ふれあいユニオン、女性ユニオン名古屋、愛知連帯ユニオン、名古屋シティユニオン、全トヨタ労組、名古屋労災職業病研究会、笹島日雇労働組合、東海民衆センターで総勢20数名。それぞれ自己紹介をし、サンケン闘争に取り組む決意を語った。
 その後、全員で歩道に散らばって30分程チラシを通行人に配布した。わざわざチラシを取りに来る人もいた。そして全員で、申し入れをするために10階のサンケン電気名古屋営業所に行く。
 営業所の入口はしっかりカギがかけられていた。インターフォンで呼び出したが、一向に出てこない。しばらく営業所前で粘ったが全く反応がないので、申し入れ書をドアの隙間から中に差し入れて、引き上げた。
 再びビルの正面玄関前に戻り、参加者が各々マイクを握って怒りをぶつけた。3時頃行動を終了した。(東海S通信員)
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 韓国では、民主労総・金属労組の支援が強められる中で、韓国サンケン労組の闘いは、昌原市の社前テントと地域支援体制-ソウル派遣団の布陣でフル回転している。サンケン電気が頼みとするLG財閥との関係を切断する闘いにも入った。
 日本では、東京と埼玉における木曜行動が毎回延べ人数100名で展開され、全国営業所行動が大阪・名古屋に続いて福岡(12・17)に広がり、「12・20本社デモ」をメルクマールに闘争態勢が創り上げられた。社会的責任を放棄して組合つぶしに手段を選ばないサンケン電気の極悪性が次々露呈してきており、日韓連帯で勝利する隊列は日々打ち鍛えられてきている。
 会社側が2021年1月20日としている労働契約終了を前にして、今や問われているのはサンケン電気・取締役会の側である。コロナ頼みが破綻したまま無謀な「戦争」に踏み切るのか、韓国サンケン解散決定を撤回し韓国サンケン労組と話し合うのか。どうする?(M)