10・18反戦・反貧困・反差別共同行動in京都に430人
 任命拒否は戦争体制作り

 秋空の中、10月18日円山野外音楽堂において午後2時より、第14回反戦・半貧困・反差別共同行動In京都集会が430名の集まりで開催された。
 長いもので14回を数え高齢化が目立つ中で、若い学生、青年層も少なからず参加が見られた。             
 今回のテーマは「ポストコロナ。ポストトランプ・菅」 
 ~ポスト菅・われわれは、どのような社会をめざすのか~をテーマに京都精華大学教員・政治学者白井聡さんの講演が行なわれた。
 白井氏は講演の中で、8月28日安倍首相は突然の辞職を表明し「安倍政権継承」を掲げて菅政権が発足した訳だが、この間の経過を見るならば明らかにコロナ対策に対する国民の不評と支持率低下に真摯に向き合わずに「持病再発」なるものを、これ幸いと前回同様に政権をなげだし逃亡したのである。
 つまり彼は本当に病気であったのか、前回も今回も「診断書」・「主治医の病名発表」も一切明らかにしなかったのである。官邸の自作自演ストーリーは明白である。
 首相公選に於いても石破外しを露骨に推し進め、自らの森友~桜~黒川等、山積した問題を解明されることを封じたのである。さらに、菅政権は人気取り政策を打ち出しながら早速、学術会議に介入し任命拒否を行なった。これもまた一切の説明もせずにである。
 安倍政権以上の強権的な政治支配を見るならば戦時下の「滝川事件」を想起させる。
私も大学教員で有ります、単なる任命拒否と見るのではなく正しく反政府・反体制人間を社会から排除する戦争体制構築攻撃の一環であると捉え断固闘っていくと表明し、全世界を覆うコロナ禍中、格差、貧困社会は資本主義経済・社会が根本的に崩壊していく過程で有り我々も力強く、政治・経済・環境・社会の変革を目指さなければならないと呼びかけた。
 沖縄からの報告では、参議院議員の前宜野湾市長伊波洋一さんが「最早日米安保は破綻している。いまや米国を守るために全ての基地・辺野古新基地建設があり、南西諸島等は対中国の戦争準備にほかならない。日本に局地戦をやらせようと言う戦略だ。沖縄と共に国会でも闘ってゆく。」と決意を述べた。
 連帯アピールは関西共同行動・中北龍太郎氏、特別アピールは国家権力の組合潰しと対峙する全日建連帯・関西生コン支部西山氏が、裁判闘争の現状報告を行なった。
 最後に恒例のインターナショナルを讃唱し、四条通~河原町四条~京都市役所までのデモンストレーションが闘われた。


9・17日朝ピョンヤン宣言18周年集会
 朝鮮戦争終結・日朝正常化へ

 小泉政権時代の2002年に交わされ、北東アジアの平和にとって画期的な日朝ピョンヤン宣言から18年目を迎えた9月17日、「朝鮮戦争の終結と日朝国交正常化の実現を9・17日朝ピョンヤン宣言18周年集会」が開かれ、東京・文京区民センターに150名が参加した。主催は、「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を」市民連帯行動。(「3・1朝鮮独立運動」日本ネットワークや、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委などで構成)
 講演は、ジャーナリストの布施祐仁さんが、「対米従属の源流―朝鮮戦争と日米安保」との演題で行なった。
 布施さんは、70年前の朝鮮戦争は今の日本を形作る原点であると指摘した上で、朝鮮戦争の最中に締結された対日講和条約と日米安保条約の交渉過程も含めて、日本の朝鮮戦争への関与と現在に至る朝鮮半島との関わりを語った。そして安倍前政権以降、とくに強まった朝鮮敵視政策、緊張を醸成する現状からの打開の糸口を、日朝ピョンヤン宣言に求めることを提案した。
 この毎年の周年集会は、今年は主催者側に総がかり行動実が加わって、旧来よりも参加者の幅の広がりを見せた。しかし講演内容は、時間的な制約もあるものの、日韓民衆連帯に係わる者からは、初歩的な常識の範囲を超えることはなく、そのうえ敗戦後の制約下での日本の朝鮮戦争との関わりに充分な言及がなされていないという限界を感じざるを得なかった。布施さんは対米従属を強調されたが、それが日本の朝鮮戦争への積極的関与に触れない原因になっているのではないか。
 休憩をはさんで、韓国の安倍糾弾市民行動からのビデオメッセージの後、特別報告が「生み出され続ける朝鮮学校差別2010-2020」との演題で、在日本朝鮮人人権協会のパクキム・ウギ(朴金優綺)さんから行なわれた。「高校無償化」制度からの除外に始まり、コロナ関連支援策からの除外に至る全過程を、抵抗の十年の歴史であるとし、「命の平等」を訴えるものであった。
 各アピールが、「憲法」を愛する女性ネットの山口菊子さん、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さん、強制動員問題解決と過去清算のための共同行動の矢野英喜さん、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表の柴洋子さんからなされた。なかでも、柴さんからは、正義連(旧挺対協)に係わっての、韓国検察、日韓の右翼マスコミによる横領事件捏造への怒りの訴えが響き渡った。
 最後に、集会アピールを満場の拍手で確認した。(東京Ku通信員)