東京・池袋
コロナ対策に便乗した戦争・治安・改憲
にNO!10・11集会・デモ

 救貧超えて連帯社会へ

 10月11日、東京・池袋で、「コロナ対策に便乗した戦争・治安・改憲にNO!10・11集会・デモ」が行なわれた。としま区民センターでの集会に110名が参加し、集会後の夕刻、サンケン電気東京営業所の前などを通るコースで、デモ行進が行なわれた。主催は、同集会デモ実行委員会。
 集会は最初に、実行委の石橋新一さんが挨拶。菅政権は、資本活動に打撃を与える緊急事態宣言の再発動は避けつつ、強制力をもたせる新型コロナ等特措法の改定をねらい、治安強化を進めている。これに呼応し、小池都知事と都議会の「都民ファ-スト」が、罰則規定を入れた東京都コロナ対策条例案を成立させようとしている。「要請に従わず、感染症を発生させた場合」、「検査命令を正当な理由なく拒否する場合」等々に、行政罰(過料5万円以下)を課すものである。12月定例会へ向け、条例反対運動を拡大しよう、と。
 主要な発言が3本。
 「深刻化する貧困と排除と差別」と題して、瀬戸大作さん(新型コロナ災害緊急アクション事務局)が発言。新型コロナ災害緊急アクションは3月24日に立ち上げられ、反貧困ネットワークや自治体議員グループなど首都圏36団体が参加して継続中。本紙でも度々、相談窓口として紹介している(電話090・1437・3502)。
 瀬戸さんは、コロナ禍で職や住居を奪われた被害者、これら在留外国人を含む個々人に同行し、公的支援などに繋げていく連日の多忙な活動を報告した。そして、「当面の救貧対策を限界が来るまで続けていくが、次のステップも準備しなければいけない。被害者である当事者が参画した『社会運動としての連帯協同組合』をつくる必要がある。大きな労働団体、生協のみならずフードバンクなども『自助の補完装置』に利用されてはいけない」と述べ、今後の一つの大きな方向性を提起した。
 続いて、「コロナに便乗した治安弾圧強化」として、足立昌勝さん(関東学院大名誉教授)が発言。足立さんは、このかんのコロナ緊急事態宣言下での監視社会の進行を分析し、自粛要請違反に対する罰則導入の動きを批判して、「民衆依存型監視社会」に警鐘を鳴らした。
 また続いて、「敵基地攻撃力保有の問題性」として、纐纈厚さん(明治大学特任教授)が発言。纐纈さんは、「イージス・アショアは迎撃基地として宣伝されたが、実は攻撃ミサイル基地を想定したもので、それが撤回された意図は、固定発射基地の脆弱性なのではないか」と述べた。さらに、現在の敵基地攻撃能力保有論は、F35への長射程ミサイル搭載というだけではなく、「最終的には海自イージス艦への新型トマホーク配備」が目標だという驚くべき報告であった。現在自民党は、陸上イージスの代替として、海自艦への迎撃ミサイル搭載という洋上イージスを唱えているので、ありえない話ではない。
 休憩の後、韓国サンケン労組のキム・ウニョン副委員長から、オンラインでアピールが行なわれた。会社解散決定の撤回を求める闘いの現況を報告し、韓日労働者の連帯拡大を求める笑顔の映像に大きな拍手であった。
 諸団体の連帯挨拶の中では、沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの大仲さんから、「辺野古工事変更申請について、意見書が1万8904件も県に寄せられた。玉城知事は年末頃には『不承認』を出すだろう」との報告があった。
 集会宣言が、「命を守れ!選別するな!」「保健・医療態勢の整備を行なえ!」「コロナを口実に治安弾圧体制を強化するな!」「明文改憲も実質改憲も許さないぞ!」「日米安保の強化を許さないぞ!」の要旨で確認された後、デモに出発。
 デモ行進は、池袋駅南に所在するサンケン電気東京営業所、また武蔵学園(2年前から解雇闘争中)への抗議デモとなった。(東京W通信員)


学術会議任命拒否撤回!10月「19の日」国会前行動
 菅打倒で若者の未来開こう

 菅政権発足から一ヵ月が経過し、しだいに政権の悪らつさや強権政治があらわになる10月19日、東京では59回目の「19の日」行動が、国会の衆参議員会館前で開催された。
 「いのちをまもれ!学術会議の任命拒否撤回!敵基地攻撃能力保有反対!改憲反対!10・19国会議員会館前行動」と銘打ったこの集会には、晩秋の冷雨の中でも900名が参加、菅政権の早期打倒を誓い合った。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍9条改憲NO!全国市民アクション。
 菅政権は10月1日、日本学術会議総会が推薦した新会員105名のうち、6名の任命を拒否した。小沢隆一東京慈恵会医科大教授など任命を拒否された6名の研究者は、これまで戦争法、特定秘密保護法、共謀罪などに反対する見解を表明しており、それを理由に排除された可能性が高い。学問の自由への国家による露骨な侵害である。1950年に学術会議が「戦争を目的とする科学の研究は絶対に行なわない」と声明したことがあるが、そうした研究者の良心への重大な挑戦である。
 菅政権は、推薦者をそのまま任命してきた前例を覆して、学問を軍事と新自由主義の推進に貢献させようとしている。資本家階級の利益のために人事権を恣意的に乱用し、官僚に政権への隷従を迫るのと同様の手法で、学術会議にも隷従と忖度を迫っている。自民党の甘利明衆院議員(日本会議参加)など反動勢力がデマ情報を拡散していることからも、菅政権の意図は明らかだ。
 行動は、総がかり行動実行委の菱山南帆子さんが主催者挨拶。「二人の杉田に怒りを叩きつけたい。杉田水脈衆院議員(の性差別発言)を擁護する自民党は、差別集団だ。また菅首相は、杉田和博官房副長官の判断を納得した上で、学術会議6名の任命を拒否した。菅・杉田官房副長官のラインこそ諸悪の総本山。何としても撤回を勝ち取り、菅政権を打倒しよう」とアピールした。
 政党挨拶では、社民党・吉田忠智、日本共産党・小池晃など各参院議員が発言。立憲民主党の小西洋之参院議員は、「菅政権は、国民を踏みつけにする政権だ。学術会議問題で憲法を踏みにじった。これまでの国会議事録では、総理は形式的任命権しかない。菅は安倍以上に強硬で、出すべき資料さえ出さない。12月19日までに退陣させなければ、恐ろしい社会になる」と警鐘を鳴らした。
 各界からのアピールでは、山口二郎・「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」呼びかけ人が登壇、「国民が知りたいという意欲を持つことが国の力の源泉であり、民主主義の大前提だ。真実を提供し、政府の不正を許さないことが学者の仕事。6名の拒否は、国民に考えてほしくないという姿勢を示している。全体主義であり、戦争への道だ。この闘いに、学者の背を押してほしい」と訴えた。
 安保関連法に反対するママの会@千葉の小林さんは、「千葉には、サバイバルゲームの遊技施設ができている。銃や戦争をイメージして危険な行動をする子どもたちに、心は暗くなったりするが、がんばって反対している。また幕張メッセでの武器見本市にも反対し、会場を貸さないよう森田知事に申し入れた」と、千葉の闘いを報告した。
 そして、3名の女子高校生が勇気を振り絞ってマイクを握った。彼女らは、「民主主義をテーマにした学習を契機に、運動に踏み込んだ。日本は民主主義国家だろうかと疑問に思う。学問に政治権力の介入があってはならない。任命拒否は、戦争に反対したからだ。菅首相は強権政治をやっている。若者の将来が開かれるようがんばる」と発言し、大きな拍手が沸き起こった。
 最後に、戦争をさせない千人委の竹内広人さんが、「安倍政権を陰で支えたのは菅首相だ。ルール無視の強権的手法は安倍政治そのもの。菅の強権政治を早期に打倒して、立憲主義・民主主義を守ろう」とアピールしつつ、以下を行動提起。
 10・26、臨時国会開会日の議員会館前行動。
 11・3、平和といのちと人権を!11・3大行動(国会正門前・午後1時半)。
 11・5、ウィメンズアクション(有楽町イトシア、午後6時)。
 11・19、「19の日」行動(衆参議員会館前、午後6時半)。
 いかに強権支配を続け、首相の立身出世物語でその煙幕を張っても、菅政権は盤石ではない。闘いを強め、菅政権を早期に打倒しよう。(東京O通信員)