戦争法強行成立から5年、9・19国会正門前
  政治大転換の闘い始まる

 集団的自衛権行使を容認した安全保障関連法の強行成立から丸5年の9月19日、東京では58回目の「19の日」行動、「戦争法からまる5年!戦争法は廃止!いのちをまもれ!改憲発議をとめよう!9・19国会正門前行動」が闘われ、3500名の労働者・市民が結集した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍9条改憲NO!全国市民アクション。
 安倍政権の退場によって国内政治は、再編・激動の時代に突入した。安倍の継承を掲げて9月16日に発足した菅政権を短期で終えんさせ、戦争法廃止、改憲阻止などの闘いで、共生の新しい時代を切り拓く幕が開けようとしている。9・19は、その先駆けとして打ち抜かれた。
 まず、憲法共同センターの小田川義和さんが主催者挨拶。「5年前のこの日以来、我々は安倍打倒の闘いを続け、安倍改憲を阻止し続けた。この反映が安倍退陣だ。しかし菅首相は、安倍政治の継承を表明している。さらに奮闘し、改憲を阻止して自公政権を打倒する!」と決意を示した。
 政党挨拶は、立憲民主党副代表・辻元清美衆院議員、社民党党首・福島瑞穂、日本共産党・志位和夫委員長らが発言。辻元さんは、「コロナ後の社会をどうするのかが大切だ。軍事予算を削減させ、辺野古新基地建設をやめさせて、国民や子どもの命を守る政策に切り替える必要がある。居住する町々で運動を深化させることが求められる。力を合わせ政治を変える時が来た」として、政権奪取の決意を語った。
 連帯挨拶では、まず「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実の木村辰彦さん。木村さんは、「防衛省は18年12月に辺野古浅瀬側に土砂投入を強行し、現在ここの5割が埋め立てられた。しかし、県民の闘いで工事は大幅に遅れている」と報告し、「沖縄の民意に連帯する意見書送付と10・14集会に結集し、沖縄を支援する大きな声を本土から上げよう!」と訴えた。そして、「最高裁は3・26に、行政不服審査法を国の機関も使うことが可能とする不当判決を下した。司法は、安倍、菅に屈服している。沖縄の問題は、地方自治と司法の問題だ」と指摘した。
 (政府の辺野古設計変更申請についての沖縄県の公告縦覧は、コロナ禍によって延び延びとなっていたが、9月8日~28日を意見書提出期間として行なわれ、全国・海外から玉城知事の申請「不承認」を求める意見書が多数提出された)。
 続いて、安保関連法に反対するママの会の町田ひろみさん、「保育所でコロナ感染を心配しながら、自助努力で子どもを守ろうと頑張っている。緊急事態の中で給料も支払われない人々も多い。どう政治を変えるのか」と訴えた。
 最後に、憲法壊すな!実行委の菱山南帆子さんが、「『19の日』行動は、あきらめないで闘い続ける思想を我々にもたらした。5年間の闘争が、安倍首相を政権投げ出しに追い込んだ。安倍は、病気で人々の同情を買い菅内閣に引き継いだ。安倍退陣を勝ち取った力で、新しい闘いを生み出す。政治を大転換する闘争の始まりだ!」と訴えつつ、以下を行動提起。
 9・26 総がかりオンラインシンポ。
 10・8 ウィメンズアクション 午後6時・有楽町イトシア。
 10・13 新宿西口情宣 午後6時。
 10・19 「19の日」行動 午後6時半・衆参議員会館前。
 10・14 止めよう新基地建設!辺野古裁判勝利!学習集会 午後6時・日本教育会館。
 マスコミ戦略が効を奏したのか、読売新聞世論調査では菅政権支持率が74%。が、菅政権は張り子の虎だ。政治を大転換する闘いが始まった。(東京O通信員)


関西新空港反対9・27泉州現地集会
  訪日客依存で空港破綻

 9月27日、大阪府泉南市の、空港島を真正面に見据える岡田浦浜で「関西新空港反対!泉州現地集会」が開かれた。主催は泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会で、参加は25名。コロナ対応で4月の現地集会は中止となり、一年振りとなる。今回は泉南市内のデモは行なわれず、集会だけとなった。
 集会は、住民連絡会・根本事務局長の司会で開始され、元代表の小山さんが次のように報告、「コロナで関西新空港は、国際線はほぼ運休状態となり、根本的な見直しが迫られている。訪日客に依存した経済は縮小し、地元自治体は更に追い込まれている。関西新空港は必要ないことがコロナで示された流れである」と。
 支援共闘の挨拶では、釜ヶ崎日雇労働組合の三浦さんが、「釜ヶ崎労働者はコロナの中でも助け合いながら、特掃など仕事を堅持している。労働センター建替え問題などでも、釜ヶ崎の人びとの暮らしと命を守っていく場として提案を行なっている。反原発や沖縄の闘いにも連帯して闘っている。明日からは辺野古に行く」と述べた。
 関西三里塚闘争に連帯する会の渡邉さんは、第三滑走路など空港機能強化策が進められているが、一坪共有地の「大地共有運動の会」への登記移行はすでに60名を越えて進んでいる、また国際線は96%減便で空港の在り様が問われていると報告。また東大阪三里塚闘争に連帯する会、兵庫反天皇制連続講座、関西共同行動、南西諸島への自衛隊配備に反対する会などからも連帯挨拶があった。
 三里塚芝山連合空港反対同盟からの連帯アピールの紹介後、根本さんが基調報告、「コロナ禍の中で、航空産業の脆弱さも露呈し、訪日客に依拠した経済も再考を余儀なくされている。空港や原発など人間がコントロールできない巨大開発について、今一度考え直す時期だ。また空港は日米地位協定により、いつでも軍事空港と化してしまう。空港反対の声を上げよう」と提案した。
 集会は、釜日労がバス「勝利号」の故障で多数参加できず、小規模となったが、一年振りに「関西新空港反対」の声を響かせるものとなった。(関西S通信員)