大阪・釜ヶ崎
路上にいても権利の10万円を


 「定額給付金」をめぐっては、4・28総務省通達が出されながらも、野宿労働者などにとっては、住民登録・本人確認証明書類・銀行口座の3つの大きな関門がある。
 釜ヶ崎反失業連絡会では、5月1日、7月1日に要望書を大阪市に提出し、交渉を重ねてきた。「専用窓口を開設せよ!」「シェルターやケアセンターでの住民登録を認めよ!」「現金給付をせよ!」等である。さらに、センターの未来を考える行動委員会、「生きづらさ研」を中心に「給付相談会」が設けられ、一人ひとりの相談や手続きの手伝いが行なわれてきた。
 7月15日、大阪市は6・17総務省通知に沿い、住居喪失者・不安定居住者に対する住民票の取り扱いを決め、住民票の所在が分からなくなったり、消されている者にも、区役所で住民基本台帳ネットワークを使って調べる手伝いをし、あいりんシェルターやケアセンターに住民登録ができるようにしたと発表した。さらに、その聞き取り調査そのもので本人かどうかの身分証明とするというのである。これで、多くの仲間が権利を行使し、コロナ不況で更に深まった生活困難の手当をすることが可能になった。
 口座を持たない人のための現金給付については、松井市長が記者会見で認める発言もありながらも、まだ具体化はしていない。8月末の申請期限も迫っており、さらに追及を深めていく必要がある。
 また、命綱の特別清掃では、コロナ対策に加え熱中症対策が迫られる夏場の中での新しい作業編成の工夫がなされ、シェルターでは防疫対策の工夫も引き続き続けられている。
 この中で、第49回釜ヶ崎夏祭りを迎える。コロナ対応の中で、夏祭りも大がかりなイベント開催は無理な面が多い。三角公園ステージやスイカ割りなどは中止し、慰霊祭や相談会、炊き出し等、労働者のための行事に絞った内容として、実行委で調整が進められている。
▼第49回釜ヶ崎夏祭り
 8・12前夜祭、13~15夏祭り・午後5時~8時、8・15慰霊祭、いずれも三角公園。
▼釜ヶ崎講座企画
 8・15夏祭り釜ツアー、正午45分・釜ヶ崎日雇労組事務所集合の予定。
 (大阪S通信員)


7・1大阪
 奥間政則さん講演会
   ドローン映像で見る
    辺野古、南西諸島
      基地建設の実態


 7月1日、南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会主催で講演会が、エルおおさか南館で開かれた。
 会の活動・会計報告に続いて、沖縄ドローン分析責任者の奧間政則さんの講演に入った。実は奧間さんは、沖縄県警に今年二月一九日に突然自宅をガサ入れ・逮捕され、同月二二日に釈放されたばかりである。逮捕理由は、昨年一一月に米軍北部訓練場内に侵入したとして、刑事特別法違反容疑の通常逮捕だった。この法律による場合、現行犯逮捕が普通で、通常逮捕は異例だという。地元の新聞は、この逮捕を辺野古の闘いに対する弾圧と捉えていた。
 ドローンでの映像は、部分を拡大して、またいろいろの角度から撮影が可能で、道もないような場所でも難なく接近して状況を撮影でき、反対運動が手にした新しい武器と言える。奧間さんたちは、南西諸島の基地を全て撮影し、データを取っておくことを考えて、それを実行してきた。
 講演の中での映像では、辺野古で護岸の間から濁り水が流れ出て、海を汚しているのがはっきり映っていた。
 防衛省は、その映像を見せつけられ弁明できなかった。実施しているモニタリング調査と実際の現場が、いかに違っているかが明らかだ。
 高江のヘリパッド基地建設、宮古島の千代田地区の基地建設状況、安和の弾薬庫と集落、準天頂衛星用のレーダー、御巌周辺、宮古島の海岸の地層、基地に置かれている車両等など、普通には見ることができない空からの映像を見ながら、詳しい説明を聞いた。
 すでに宮古島には、七〇〇人の自衛隊員がいて、基地は建設途上にある。急きょ参加することになった清水早子さんが、宮古島での状況を話された。
(大阪S通信員)