設計変更許さない2・16~25辺野古キャンペーン
  申請強行のためデータ隠し

 安倍政権が辺野古埋立ての工事変更申請を、むりやり沖縄県に出そうとしている情勢下、東京では2月16日から25日にかけて、「設計変更」許さない!辺野古新基地つくらせない!キャンペーンが各所で展開された。最大時2百名程度の行動であるが連日、「埋立ては破綻している、設計変更申請やめろ、埋立て即時中止!」と広く訴えた。呼びかけは、辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会。
 キャンペーンの直前には、大浦湾軟弱地盤の重要箇所での実測データを、防衛省が事実上隠していたことが明らかとなった。
 そのデータは、新基地護岸にあたるB27地点での70m以深の粘土層から採取してきた試料の分析であり、その結果は、防衛省設定強度の3分の1であった。このデータは、防衛省が昨年3月に国会に提出した土質調査報告書の巻末資料に英文で載っていた。しかし防衛省は、委託業者が出したこの不都合なデータをまともに扱わず、政府が作ったいわゆる有識者の技術検討会に提出しなかった。昨年年末の第3回技術検討会は、政府・沖縄防衛局による地盤改良工事をはじめとする新工事案を了承したが、これが根底から揺らぐ事態である。
 防衛省はこれまで、70m以深は「非常に硬い粘土層」と説明し、B27の調査をやらないまま、70mまでの地盤改良でよいとしてきた。70m以深から最深90mの固い地盤までが軟らかい粘土層であれば、この深度の地盤改良工事はできず、仮にできても新基地は護岸から崩れていく。
 むりやりの設計変更申請は無茶である。「改めてB27の地盤試料を採取し、室内試験を行なって結果をつまびらかにすべきだ」(鎌尾彰司准教授、日大・地盤工学)。少なくともこれが前提となる。
 さて、キャンペーン行動は2月16日、日曜日の新宿駅周辺の情宣から始まり、午後2時から新宿アルタ前で約160名がアピール行動。
 主催者から深沢さんが、「データを隠してでも、工事を強行しようとしている。工事ができなくても、業者はもうかるからだ。大キャンペーンで設計変更申請を断念させよう!」と訴えた。携帯をつうじて、沖縄からは安次富浩さん(ヘリ基地反対協)が、「デニー知事をしっかり支え、安倍を政権から引きずりおろそう!」と訴えた。また、抗議船の仲間からは、「今年に入って、夜も土曜日も土砂運搬を強行し、浅瀬側の投入量を増やしている」と警戒を促す報告もあった。1年たっても進捗率1%の事態を巻き返そうと、防衛局も焦っている。その後、新宿駅周辺をデモ行進。
 首都圏各所で宣伝が続くなか、2月20日には地盤改良工事の予定受注業者・株式会社不動テトラに対し、仲間6名による申入れ行動が行なわれた。会社側は社屋内に通し、受注しないことを求める要請を受けつけたが、技術的なことも含めた質問への回答は拒否した。しかし雑談的には、70m以深の地盤改良工事の可能・不可能について、「やったことがないので、分からない」と口にしている。
 2月25日の最終日は、夕刻から防衛省正門前アクションに約200人。20日の地盤改良工事業者との交渉が報告され、大きな拍手。携帯をつうじて、沖縄から山城博治さん(平和運動センター)がアピール。また、オール沖縄とは別に独自に行われている現地行動に対し、このかん不当弾圧が強行されたが、この救援報告もあった。主催者から尾澤さんが、データ隠しの詳しい追及を含めた工事中止を求める防衛省要請文を読み上げ、参加者は闘いの継続・拡大へ気勢をあげた。
 今次のキャンペーンは、政府・沖縄防衛局の設計変更申請を阻止したまま終わった。しかし年度内の強行が予想される。政府が設計変更申請を強行したときは、その翌日午後6時半から、防衛省へ抗議行動だ!(東京W通信員)


2月「19の日」行動、国会前に1800人
 官邸の検察人事介入糾弾

 長期腐敗の安倍政権は、「桜を見る会」問題や、黒川検事長定年延長問題などで、虚偽発言を連発し証拠隠滅に奔走するなど、政権の末期症状が一層顕著になっている。それでも安倍政権は、任期中の改憲を画策し、一方で沖縄県知事への辺野古工事設計変更申請を年度内に実施して、新基地建設を強行せんとしている。
 この情勢下の2月19日、東京では53回目の「19の日」行動が、「嘘とごまかしの政治は許さない!官邸の検察人事介入糾弾!自衛隊は中東沖から撤退せよ!安倍改憲NO!」などを掲げて、国会衆参議員会館前で闘われ、寒風を突いて1800名が結集した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍改憲NO!全国市民アクション。
 最初に、主催者挨拶を憲法共同センターの泉澤章さんが述べ、「あまりにもひどい政権のやり方に多くの人々が怒っている。目を覆うばかりの、法律を遵守しない態度。桜を見る会では、公職選挙法違反さえ犯す。国政を私物化し、嘘をつく政権を倒すまで闘う」と決意表明。
 次いで、立憲民主党・近藤昭一衆院議員、日本共産党・山添拓参院議員が挨拶。近藤議員は、辺野古工事で海面下70m超の軟弱地盤を示す実測データが隠されていた問題についても発言し、「しかし政府は、元々設計に供するためのデータではないとして見直そうともしない。追加のボーリング調査をやるべきだ」と指摘、むりやり設計変更申請という政府の姿勢を追及した。
 連帯挨拶は、まず改憲問題対策法律家6団体連絡会の森弁護士。「政府は、2月に63歳で定年を迎える黒川弘務東京高検検事長の定年延長を、1月31日に閣議決定した。検事総長にするためだ。安倍政権の腐敗に捜査のメスが入るのを阻止するためだ」と指摘、安倍政権の検察人事介入を批判した。
 また杉浦ひとみ弁護士は、「2月8日、稲田朋美自民幹事長代行が、法の下の平等を掲げる憲法14条をかえ、女性議員を増やすと発言した。男女平等を言うなら、改憲は必要なく、選択的夫婦別姓を否定する安倍政権、自民党こそ改めるべきだ」と批判。
 最後に、高田健総がかり実共同代表が以下を行動提起、「安倍政権は必死になって生き延びようとしている。我々もがんばり抜いて、安倍との鍔迫り合いをしている。行動を断固としてやりとげよう」と呼びかけた。
 2月20日、自衛隊中東派遣撤回の都内集会。27日、池袋東口街宣。
 3月6日、止めよう辺野古新基地建設!辺野古裁判勝利!3・6首都圏集会。
 3月17日、日米地位協定シンポジウム(衆議院第二議員会館、午後1時~)。
 3月19日、「19の日」行動(議員会館前、午後6時半~)。4月19日は、日曜午後の「19の日」行動で、
 5月3日、「5・3憲法集会」を6万人以上の大結集でとなる。
 地域・職場から立ち上がり、大衆闘争の爆発で安倍政権を打倒しよう!(東京O通信員)
 

2・24狭山再審実現!関西集会
  袴田巌さんも映像参加

 第4回「狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西」が2月24日、大阪市のエル大阪で開催され、約400名が参加した。この集いは、釜ヶ崎での集会を手始めにして取り組まれてきたものである。主催は、市民のつどい実行委員会。
 集会では、新型コロナ問題対応で、林力さん(ハンセン病家族訴訟原告団長)の記念講演が中止となり、また石川一雄さん・早智子さん、袴田ひで子さんは、テレビ電話で会場をつないでのアピールとなった。
 そのため、予定外だった袴田巌さん(清水(袴田)事件えん罪被害者)がテレビ電話に出ることになり、会場を沸かせることとなった。
 石川夫妻からは、42回目の三者協議を控え、現在の第三次再審闘争で再審開始をかちとる決意が語られた。また、元気な袴田巌さんの姿が映像で見え、会場には和やかな雰囲気が流れた。
 大崎事件の鴨志田祐美弁護士からは、再審取り消しという最高裁の不当判決を批判する分かりやすい解説があった。ハンセン病家族訴訟原告団の東さんからも、アピールがあった。
 カオリンズさん、アカリトバリさんのライブや、さやま短歌・Tシャツのコンテスト結果発表もあり、最後には全員で「ウィシャルオーバーカム」を合唱した。
 集会後は、梅田までパレード(デモ行進)を行なった。狭山事件の再審を求める釜ヶ崎住民の会も、釜ヶ崎日雇労組をはじめ約40名が参加し、すべての冤罪事件の無罪を訴えた。(関西S通信員)