辺野古土砂投入強行から一年
 
進捗率たった1%

 沖縄・辺野古の海に土砂投入が開始されてから、12月14日で一年となった。この日、多数の抗議船・カヌーが海上大行動を行ない、違法工事阻止を改めて示威した。玉木デニー知事も、辺野古新基地建設阻止に「いささかの揺るぎもない」沖縄県政の意思を表明した。
 これまで浅瀬の辺野古側の二つの工区で埋立てが強行されているが、防衛省からの回答に基づく県の試算によると、10月末までの土砂投入量は計20・5万立方m。これは、計画書に示された両工区の必要土量319万立方mの、6・4%にすぎない。
 そして、大浦湾側を含む埋立て全体の総必要土量2062万立方mに対しては、わずか1%にすぎない。
 当初の防衛省の計画では、埋立ては5年で完了であった。このペースでは、辺野古側だけで10年、全体で60年かかると北上田毅氏(平和市民連絡会)は指摘する。これに、何年かかるか不明、可能かどうかも不明の大浦湾側地盤改良工事の年月が加算される。そもそも60年、70年後に、安保条約・在日米軍が存在しているのか!
 進捗率1%。一年間のこの現実は、シュワブゲート前、安和琉球セメント桟橋、本部塩川港での粘り強い闘いが、確実に工事を遅らせていることを示した。8~10月の投入落ち込みは、防衛省が沖縄の自然(台風)を甘く見ていたことも示している。
 何をやっても止められない、ではない。沖縄の闘いが、それに連帯する全国の闘いが、日々違法工事を止めつつある、日々その破綻を拡げつつあるのである。(A)


12月「19の日」行動、国会前に2200人
 やめろ!自衛隊中東派兵
  ――「発議反対」新署名が開始

 安倍政権は、自衛隊の中東派遣閣議決定を12月27日に強行し、1月内の派遣開始を目指している。
 この自公政権の暴走を前に12月19日、51回目の「19の日」行動が、東京では国会の衆参議員会館前で闘われ、2200名が参加した。「自衛隊の中東派兵阻止!」をはじめ、「安倍9条改憲NO!、辺野古新基地建設阻止!」などが掲げられた。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍改憲NO!全国市民アクション。
 安倍政権は、防衛庁設置法の「調査・研究」条項を法的根拠に、護衛艦1隻と270名の自衛隊員、およびP3C哨戒機1機(ソマリア沖エデン湾で海賊対処活動をしているとされるもの)等を派兵する。活動領域は、オーマン湾やアラビア海北部、バベルマンデブ海峡東部の公海とされている。
 しかし、防衛庁設置法によって中東海域へ軍艦等を出すのは法的根拠が不当であり、派遣する日数、どんな武器を持って何を調査・研究するのかなど何も縛りがない。憲法学者は、憲法や法律に違反する暴挙と警告している。
 与党公明党は、一年ごとの派遣継続見直しと国会報告で「縛り」になるとして、安倍に追随した。
 国会前行動は、小田川義和さん(憲法共同センター)の主催者挨拶で開始、「年明けからは、『改憲発議に反対する全国緊急署名』を新しく始める。安倍の暴走に反対して闘いのうねりが開始され、大学入試制度の改悪に、高校生はじめ市民や野党が立ち上がっている。運動の高まりをバネに、新署名を成功させよう!」と呼びかけ、2020年の闘いを提起した。
 連帯挨拶では、辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会の毛利孝雄さんがアピール、「12月14日で、土砂投入開始から一年が経過した。しかし、沖縄県民らの闘いで工事は大幅に遅れ、全体の埋め立て進捗率は1%にすぎない。年明け、地盤改良工事に際して、設計変更の申請が政府から出されるはず。我々の闘いの力が問われる。20年を、沖縄と憲法闘争の激化でこたえる」と決意表明。
 中東派兵については、大江京子弁護士(改憲問題対策法律家6団体連絡会)が発言、「安倍政権は、23日に閣議決定を強行し、米国と武力の一体化を図ろうとしている。中東は緊迫している。不測の事態には、海上警備行動を発令し、なし崩し的に集団的自衛権の発動を目論んでいる」と批判した。(閣議決定は27日に延期)
 安倍政権は、米国主導の対イラン有志連合とは別に「独自に」行なうものとしているが、実際は、バーレーンの米海軍司令部に自衛官を派遣し、一体化するものである。
 最後に、高田健・総がかり行動実共同代表が、「日本イコール9条の国だった。しかし、安倍や自民党の政治が、日本を敵とする行動を世界に生み出した。ペシャワール会の中村哲さんがアフガニスタンで殺害された(12月4日)のは、日本政府の戦争政策のせいだ。安倍は、イランのロウハニ大統領とアリバイ的に会談し、一方で中東海域への派遣を強行しようとしている。閣議決定反対の声を!」と訴えつつ、以下を行動提起。
 12月23日の朝、官邸前で閣議決定阻止行動。
 改憲発議反対・全国緊急署名の推進(新年より)。
 なお、国会野党挨拶では、社民党・福島瑞穂参院議員、また国民民主党・日吉雄太、立憲民主党・柚木道義、日本共産党・宮本徹の各衆院議員が発言。
 新年、中東派兵・改憲発議阻止の闘いを、地域・職場から新たに開始しよう!(東京O通信員)