辺野古争点活かされたか
 参院選投票日に、埋めるな連7・21新宿アクション

 参院選投開票日の7月21日、東京都内で「できない!つくらせない!辺野古新基地7・21新宿アクション」が行なわれ、約150名が参加した。主催は、辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会(略称・埋めるな!連)。
 午後1時から新宿駅周辺3ヵ所で宣伝活動が行なわれた後、午後2時から東口アルタ前で、大アピール行動として集会が行なわれた。
 アルタ前集会は、埋めるな連の司会の仲間が、街頭の都民に「みなさーん!選挙に行きましたかー」と訴えて、開始された。辺野古の工事は違法工事のうえに、防衛省から7人もコンサルト会社に天下りし、官製談合で進められている最悪の公共工事だ。そして母さんジュゴンが死んだ。藻場が埋め立てられたからだ。沖縄の民意をまったく無視して埋立てを強行する安倍政権与党に、NO!の投票をしよう!と訴えられた。
 シンガーソングライター川口真由美さんが、力強く歌った。辺野古阻止を絶対にあきらめない、その気持ちがひろがる歌であった。
 続いて、携帯電話を通じて、平和運動センターの山城博治さんが沖縄からアピール。このかん沖縄選挙区ではタカラ必勝へ激闘を続けてきた。辺野古埋立てを阻止し、そして本土の皆さんととともに、改憲を許さない結果を勝ちとろう!と訴えた。
 埋めるな連に参加する各団体からは、沖縄に連帯する東京東部集会実行委、辺野古土砂搬出反対全国協議会首都圏グループなどが発言した。
 集会後、デモ行進が、辺野古工事元請・大成建設本社への抗議を経て、新宿駅ほぼ一周で行なわれた。辺野古埋立てこそ参院選の争点、すぐに投票に行こう! 新宿の大群衆にこれを突き出した集会・デモであった。

 仲村みお(比例)、野原善正(東京)が大健闘

 さて参院選結果としては、沖縄の民意を全国比例で代表したといえる仲村みお候補が、「本土」の社民支持者に知名度が低いにもかかわらず、候補者名で9万8681票を取って大健闘した。埋めるな連で、仲村への投票を呼びかけた人は多い。社民党が辛うじて政党要件を維持できたのは、仲村さんのおかげだ。
 また東京選挙区(改選数6)に、れいわ公認で急きょ出馬した沖縄創価学会員の野原義正候補も、辺野古阻止を真正面に掲げて、21万4438票・8位につけて大健闘した。
 昨年12・14土砂投入以降、首都圏でも安倍政権の強引なやり方への批判はひろがっていた。それを「本土」で問う最初の国政選挙であったが、立憲や共産が、この世論を選挙戦にうまく活かしたとはとても言えない。厳しく総括されるべきだ。(東京W通信員)


投票日直前の国会前「19の日」行動
  その声は届いているか

 改憲阻止、戦争法廃止に重大な影響を及ぼす参院選投票日を二日後にひかえた7月19日、46回目の「19の日」行動が、東京では衆参議員会館前で行なわれ、約1500名が参加した。参院選勝利へ目前の決起という意味も込められた行動であった。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍9条改憲NO!全国市民アクション。
 最初に、総がかり実共同代表の福山真劫さんが主催者アピール、「当面の課題は9条改憲阻止、辺野古新基地建設反対、東北アジアに非核・平和を、参院選勝利の四つ。改憲勢力に3分の2以上を取らせず、立憲野党を勝たせる。秋田、福島、沖縄で絶対に勝ちたい」と発言した。
 安保法制廃止と立憲主義回復を求める市民連合の広渡清吾さん(東大)は、「安倍首相は、改憲を論じるかどうか、これを参院選の争点に掲げている。しかし国民の6割以上が自民党改憲案に反対だ。一人でも多くの無党派層を獲得することが、改憲阻止の要になる」と力説した。
 国会野党からは、立憲民主の大河原雅子衆院議員、共産の山添拓参院議員が発言した。大河原さんは、「この参院選で衆参のねじれを作りたい、そして政権交代へ向おう。勝利は、若者、女性に希望をひろげることにある」と訴えた。
 焦点となった年金問題では、年金引き下げ違憲訴訟(2015年提訴開始、39地区5300人)の原告団から、馬場目トミ子さんが発言。「公的年金制度は、高齢者の健康で文化的な生活に足るものでなければならない。安倍政権をここでストップさせよう」と訴えた。
 最後に、憲法共同センターの木下さんが、「多くの人々が選挙に行くよう、最後まで努力を!」と訴えつつ、以下を行動提起。
・ 8月19日、「19の日」行動、午後6時半・議員会館前。
・ 9月19日、戦争法強行成立から丸4年・戦争法廃止・改憲阻止の大規模集会を予定。
・ 「イラン情勢緊迫にともなう緊急行動」を情勢に応じて設定、首相官邸前。
・ 9月17日、「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!日朝国交正常化交渉の再開を!」市民集会。午後6時半・文京区民センター。主催・「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!」市民連帯行動実行委。
 さて、参院選結果は、改憲派3分の2は何とか崩した。しかし、まったくの低投票率で、自公が過半数をかんたんに維持する結果にとどまった。総がかり行動の訴えは、国会前などに出てこれない人々には届かなかったと言わざるをえない。参院選の成果の面をふまえつつも、今後の闘いかたを再考する必要があるだろう。(東京O通信員)
 

三里塚空港反対7・14東峰現地行動
  五輪で騒音被害拡大

 7月14日、三里塚空港に反対する連絡会は、東峰地区で「飛行制限時間緩和を許さない!成田空港『第3滑走路』計画を撤回せよ!反原発―再稼働やめろ!沖縄・辺野古新基地建設反対!」を掲げて、「7・14東峰現地行動」を行ない、40名が参加した。
 成田国際空港会社は、第3滑走路を2020年代半ばまでに完成させ、さらに20年東京五輪による便数増加に対応するために、飛行時間(現行午前6時から午後11時まで)を1時間延長するという計画を打ち出した。だが、騒音被害を実際に受ける飛行ルート直下の芝山町・横芝光町住民は、あくまで飛行時間の延長を認めることができないと反対している。住民は、「空港騒音断固反対」「わたしたちの静かな生活環境をこわすな」などの看板を掲げ抗議している。
 しかし空港会社は、住民の声を無視して、19年の冬ダイヤ(10月)から飛行時間延長を強行することを明らかにしている。四者協議会(国・千葉県・空港会社・周辺自治体、2月4日)も、空港利権の拡大を優先し、住民に圧力をかける始末だ。
 7・14現地行動はまず、旧東峰共同出荷場跡で前段集会。
 山崎宏さん(横堀地区)の現地報告の後、石井紀子さんからメッセージ。石井さんは、「沖縄を思う成田の会」の主催で上映された「沖縄スパイ戦史」を観て、「沖縄について知らなかったことが多すぎるのです」と述べつつ、「とにかくアベを止めたい、引きずり落としたい。沖縄にこれ以上の罪を重ねないよう政治の流れを変えていかなければなりません」と訴えた。
 渡邉充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会)は、冒頭、「いつも三里塚に来ていた釜日労の山田将夫さんが、1月に亡くなった。釜日労の仲間が、山田さんの遺影を掲げてデモをする」と発言。また、一般社団法人三里塚大地共有運動の会の関西における取り組み、一坪共有者名簿を通した連絡の積み上げなどを報告した。
 また反空港の各地での闘いとしては、「関西新空港は、昨年9月の台風による連絡橋破壊などで、安全を無視した運用が浮き彫りになった。今年から関西新空港、神戸空港、伊丹空港が一体的に運用されるが、安全無視・利益優先の姿勢は相変わらずだ。9月8日に、関西新空港反対現地集会を行なう。」「また4月2日、伊丹空港にオスプレイが緊急着陸した。軍用航路の調査という狙いがある。そして南西諸島の自衛隊ミサイル基地建設と、空港建設とが連動する危険性に注意しなければならない」と強調した。
 繁山達郎さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)は、会の活動報告と、所有者不明土地対策法への批判と対策について発言した。
 デモに移り、開拓道路から空港滑走路に向けてシュプレヒコールを響かせ、旧出荷場跡に戻って、後半の集会。
 平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)、釜ヶ崎日雇労働組合、高見圭司さん(スペース21)、三里塚勝手連、田んぼくらぶが発言した。平野さんは、「18年4月の火事後、皆さんに応援していただき新しい冷蔵庫を設置できた。若い新社長の下で頑張っている。近くの鉄パイプで囲まれた部分が、東峰の一坪共有地。その共有者が法人に登記を移していくのに協力していきたい」と述べた。

  所有者不明土地対策法とは?

 安倍政権は、「所有者不明土地対策」を口実に、一坪共有地強奪の法整備を進めている。
 5月17日、所有者不明土地登記・管理適正化法(表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律)が成立した。この法律は、所有者不明土地対策の第二弾で、①登記官に所有者探索のための調査権限付与、探索結果を登記に反映。②所有者を特定できなかった「表題部所有者不明土地」について、裁判所の選任した管理者の管理を可能とする内容。「管理」には草木伐採、売却が含まれる。
 法制化第一弾は、18年6月成立の所有者不明土地特別措置法。公共事業での所有者不明土地の収用における収用委員会の関与が廃止され、申請も決定も知事のみでできる制度に改悪された。
 17年、安倍政権は成長戦略の一つとして、所有者不明土地対策を打ち出した。空家問題や防災を口実としているが、リニア建設など大型開発促進が真の狙いだ。18年3月に決定された2030年成田第3滑走路供用の建設計画も無縁ではない。
 今回の法改定によって、所有者不明土地は登記官が調査して所有者が分からない場合、代金を法務局に供託して、裁判所任命の管理者から買収できることになった。共有者の一部を特定できない共有地も、所有者不明土地となる。
 さらに来年には第三弾として、登記の義務化、土地所有権の放棄確認緩和などの法制化が計画されている。これが成立すれば、これまでの法律と合わせ、登記期限までに相続登記がされない共有地を、法務局に代金を供託するだけで強制買収できることになる。
 共有運動に敵対する法制定に反対し、一坪共有地を守り抜こう!
(連絡会共同報道文を編集部責任で要約)