K8護岸使用に抗議し、6・24官邸前行動
  中止せよ!度重なる違法工事

 沖縄辺野古の海では、昨年12月14日以来のK9護岸を違法使用した土砂投入につづき、その後新設されたK8護岸を違法使用しての埋立土砂搬入が、6月11日から強行された。
 桟橋として違法に利用する護岸が2本となり、海上からの土砂搬入は加速される。このK8使用開始は、7月参院選を前に、沖縄県内と全国の世論に対して工事の進捗を演出し、辺野古「移設」は既成事実と思わせるための政治的工事である。しかし、この辺野古浅瀬側でも、政府は最初の区域を半年で埋めると言っていたが大幅に遅れており、軟弱地盤・活断層がある大浦湾側では、工事の展望がまったくない。工期も費用もわからない、でたらめ「公共」事業である。
 このK8使用開始強行などをふまえて、東京の首相官邸前では6月24日午後7時から、「くりかえす沖縄の民意無視を許すな!辺野古埋立てやめろ6・24官邸前緊急行動」が闘われた。辺野古への基地建設を許さない実行委員会の主催で、約一百名が参加した。
 最初に、主催者から尾澤さんが発言、「K8使用は、目的外使用、設計変更許可無しの2点で、埋立承認に反する違法行為を重ねるもの。度重なる違法工事は直ちに中止せよ。玉城デニー知事も、違法工事中止を訴える全国キャラバンを開始し、また、埋立承認撤回に対する国の取り消しを訴える裁判闘争も開始する。デニー知事と沖縄県民を支え、現地派遣行動、東京での行動を今こそ拡大しよう!」と訴えた。
 ここで、4月21日の衆院沖縄3区補選で圧勝した屋良朝博衆院議員が登場。屋良さんは、「この場にわたしがいるということが、沖縄の民意です。民意を無視し続けるなら、日本に民主主義はありません」と切り出し、元新聞記者らしく、そもそも沖縄に海兵隊が居る合理的理由が無いことを説得的に明らかにした。
 その他、中野区議会での「沖縄の民意尊重」意見書採択を求める運動の報告、官邸前毎日座り込みを続けるウチナンチュ女性たちの発言、辺野古・高江を守れ!NGOネットによる辺野古埋立て反対国際署名(この日、署名1万9千余筆を提出)の報告、またストップ辺野古埋立てキャンペーンから、埋立て工事元請の大林組、大成建設の株主総会への抗議行動呼びかけなどが行なわれた。
 最近の現地報告では、「K8使用で、琉球セメント安和桟橋からの海上輸送が強められている。仮置場赤土の積み出しに、沖縄県が許可を与えているのは理解できない。赤土が安和の海にも流れ出ている。県赤土防止条例違反である。安和でも、本部塩崎港でも、シュワブゲート前でも人は足らない。現地に行こう!」と訴えられた。
 最後に辺野古実から行動提起。「辺野古へ行こう!キャンペーン第2弾」を展開中。この一環としての「止めろ!土砂投入7・6集会」(文京区民センター・午後6時半)への参加、そして「できない!つくらせない!辺野古新基地7・21新宿アクション」への結集が訴えられた(アルタ前集会は午後2時、なお6・15が雨天延期)。
 K8使用による工事加速への対抗、また参院沖縄選挙区の闘いに沖縄の人々が尽力できるようにするためにも、6月~7月は特に、首都圏・全国から沖縄現地への行動参加が呼びかけられている。(東京A通信員)

  6・26〜29現地派遣

 辺野古実の呼びかけに応えて沖縄派遣団に参加した4名は、6月26日午前11時、那覇空港に到着した。シュワブ・工事用ゲート前に着く頃には台風の山は過ぎていたが、ゲートは閉じられ、帝国警備の警備員20名ほどが整列していた。
 6月27日午前8時、曇り。シュワブ・ゲート前にうるま、北中城などの島ぐるみ会議の人々が集まってくる。50名位。台風翌日でダンプの動きがないようだということで、午前10時からはテントの方に移動。その頃には100名ほどになっていた。
 午後は募集があったので船に乗せてもらう。台風の影響か、ダンプの動きはわずか。K8護岸の工事や貨物船から台船に土砂を移す作業は動いていた。ウミガメが海面上に顔を出し、アジサシが小魚をくわえて飛び交うが、産卵・営巣の場が工事で壊されているとのこと。サンゴときれいな小魚も、のぞきメガネで鑑賞できた。
 6月28日午前8時、20名弱。この日はダンプが登場。ごぼう抜きされる。昼前に琉球セメント安和桟橋の方に行く。
 琉球セメント安和桟橋のゲート前では、30名ほどがのぼり旗を林立させながら、輪を描くようにデモをしていた。「辺野古に土砂を送らせないぞ!」「美ら海が泣いているぞ!」「新基地建設反対!」我々もその中に加わっていった。土砂搬入ダンプは列を成すが、ゲート前での赤信号と抗議デモに徐行を余儀なくされ、少しづつしか入れない。
 構内をのぞき見ると、「岩ずり」というよりも条例違反の「赤土」が山積みされていた。夕方、平和市民連絡会から「持久戦で勝利する」との締めくくりの発言があり、この日の闘いを終えていった。
 6月29日午前8時、シュワブゲート前。土曜日は、このところ搬入がないとのことだが、予定通り座り込みを実施。12時、60年前の6月30日に米軍戦闘機墜落で犠牲となった宮森小学校生徒11名を含む18名に想いを馳せ、黙祷。
 今回の沖縄現地の闘いに参加し、民意を背景にした自信と不屈に闘う意志の一層の強まりを感じた。(M)
 

平和確立へ板門店・米朝米朝首脳会談
 退場せよ!有害無能な安倍政権

 米国トランプ大統領が6月30日、電撃的に韓国から板門店に行き、朝鮮・金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とともに軍事境界線を行き来した後、1時間に渡り3回目の米朝首脳会談が行なわれた。少なくとも、米朝の実務者協議の再開が合意された。
 米朝関係は、今年2月のハノイでの第2回首脳会談において具体的合意が達成されず、その停滞と後退が危惧されていたが、今回の板門店・米朝首脳会談の実現によって、明るい展望がふたたび現われてきた。
 トランプが板門店で朝鮮に入境したことは、米国の朝鮮との戦争がすでに終っていることを劇的に表現した。朝鮮戦争終結宣言はもちろん、中国を加えて停戦協定を平和協定に代える交渉に入ることも、やろうと思えばすぐにできるはずである。
 今後、米朝両国政府が、昨年6月シンガポール第1回首脳会談で合意したところの、①新しい米朝関係の構築、②朝鮮半島の平和体制の構築、③「板門店宣言」を再確認し、朝鮮半島の非核化に向け努力する、この3原則の具体化へ向けて進むことを期待したい。その具体化の鍵は、ハノイで段階的合意を拒否した米国の姿勢、これが変わることにあるだろう。
 安倍政権は、米朝関係の進展に何ら寄与せず、このかん邪魔ばかりしている。日朝関係改善は、米朝関係改善とは別に独自の諸課題がある。外交の真価が問われるが、6月12日の安倍イラン訪問では、トランプの伝言役に過ぎなかった。安倍を代えなければ、日本は世界から取り残されてしまうだろう。(A)