行動し情勢動かせ!
       安倍打倒へ

 国会与野党は、安倍首相が衆参同時選挙も策動する中、参院選挙戦に入った。反安倍の勢力の多くが、「憲法」も「辺野古」も参院選の結果待ちという姿勢になり、トランプ来日への抗議を含め大衆闘争が低調化している。参院選で改憲派「3分の2」を崩さねばならないが、選挙に勝つためにも、大衆闘争による反安倍の盛り上げが問われている。(編集部)

トランプ来日・天皇会談反対!
日米安保強化反対!5・25行動

沖縄・韓国民衆と連帯し

 5月25日、夕刻に米国大統領トランプが羽田に到着しようとする日の午前中に、都内新橋で、トランプ来日反対の集会・デモが行なわれた。主催は、35団体などの参加による「トランプ来日-G20反対!実行委員会」。
 この集会・デモは、「トランプ来日・天皇会談反対!日米安保強化反対!」を筆頭に、「沖縄に米軍・自衛隊基地はいらない!」「戒厳体制の日常化NO!」「沖縄・韓国の民衆と連帯して闘うぞ!」とのスローガンを掲げている。
 午前10時過ぎから、ニュー新橋ビル地下の集会室をいっぱいにして決起集会がもたれ、85名が参加した。
 最初に、主催の実行委員会から池田五律さん(戦争に協力しない!させない!練馬アクション)が挨拶。「この実行委の行動では、トランプ来日反対を、おもに日米安保強化に反対する立場から取り組む。また、6月28日からの大阪G20とトランプ再来日、来年の東京五輪と続く戒厳態勢の日常化、これとの闘いも重要だ。」「今回の来日でトランプが28日には、海上自衛隊の改造予定空母『かが』に、安倍とともに乗船しようとしている。F25Bなど武器爆買、安保強化の象徴だ。戦争法による任務拡大、南西諸島での陸自ミサイル基地建設など、自衛隊の役割強化を許さない!」と基調を提起した。
 連帯発言は最初に、沖縄反戦地主会関東ブロックの大仲尊さんで、「とくに沖縄でドローン撮影を禁圧せんとする、ドローン規制法改定を糾弾する。本日午後の辺野古NO!国会包囲へ総結集を!」と訴えた。
 「終わりにしよう天皇制!代替り反対ネットワーク」の井上森さんは、「退位・即位時の反天皇ウィークは、5月1日銀座デモに500人、全体で1000人と予想以上の参加で成果を収めた。27日に天皇徳人がトランプと会談しようとしているが、皇室外交じたいが違憲だ。これがアイマイにされている。またトランプは、どこの国でも万単位の抗議デモで迎えられているのに、日本ではケタ違いに少ないという現状がある。会談を許さず、明日の新宿デモに結集を。また7月15日にナルヒト天皇制の検証集会(文京区民センター、午後1時半)をやるので、これにもご参加を」と報告した。
 在日韓国民主統一連合の宋世一さん(ソン・セイル)は、このかんの朝米交渉についてトランプ政権に段階的同時的行動を求めつつ、私たちは「非核ワン・コリア」を必ず実現すると確信を語った。他に、ジグザグ会などの仲間が発言。
 実行委参加団体からは3者、戦争法廃止・安倍たおせ!反戦実行委、破防法・組対法に反対する共同行動、立川自衛隊監視テント村の仲間が、今日以降の闘いを決意表明した。
 最後に、G20大阪NO!アクション・ウィーク実行委、フィリピンBAYAN日本支部、米国ANSWER連合からの連帯メッセージを確認して、集会を終了。
地上に出てきた仲間たちは正午、新橋駅前からデモに出発。デモ隊は、若干増えて100人ぐらいか。米大使館近くの虎ノ門で来日反対の声を大きくしつつ、日比谷公園までデモ行進。仲間たちは、季節外れの暑さに負けず、午後の国会包囲に向った。
 また、翌日の「おわ天ネット」が主催の、「新天皇・トランプ会談反対5・26新宿デモ」は、天皇主義右翼のいつもの妨害を制しつつ、新宿東口アルタ前集会を起点に午後3時から約150名で闘われた。
 なお、6月28~29日に日本で初めて開催される大阪G20サミットに対しては、東京での6・25行動(集会案内参照)の他、大阪市でメインの抗議行動が取り組まれる。「サヨナラ安倍!サヨナラトランプ!G20大阪NO!デモ」が、日曜日の6月23日に新町北公園(午後1時集合)を起点に行なわれる。28日当日は天保山公園(午後1時集合)からデモ。主催は、G20大阪NO!アクション・ウィーク実行委。(東京W通信員)


5・25「示そう辺野古NO!の民意を」全国総行動・国会包囲
  「本土」の我々に解決責任

 「沖縄の民意は示された。今、本土の私たちにボールは投げ返された。私たちに解決する責任がある。私たちの力を今こそ示す時です!」
 と、主催者挨拶・野平晋作さんの切実な訴えが、国会周辺に響きわたる。
 辺野古新基地建設阻止に「本土」の闘いの高揚がまさに問われる時を迎えて、5月25日、「示そう辺野古NO!の民意を」全国総行動が各地で行なわれた。東京では午後2時から、5・25国会包囲行動が行なわれ、主催者発表で5000人の労働者・市民が結集した。主催は、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委、基地の県内移設に反対する県民会議の3団体。
 沖縄では、2月の県民投票で72%が辺野古NO!の民意を示し、4月衆院沖縄3区補選では、「オール沖縄」候補が、辺野古推進を初めて公然と掲げた自公候補を大差で打ち破った。それでも安倍政権は、土砂投入を続行、権力総がかりで沖縄県民に襲いかかっている。「本土」の闘いが、今こそ問われている時はない。
 包囲行動の国会正門前エリアでは、野平さん(辺野古国会包囲実)の挨拶を受けて、落合恵子さん(作家)が発言、「大勢の沖縄県民が埋立て反対という意志を表明したのに、政府はほんのわずかでも誠意を示していない。安倍内閣の暴挙を許すことは、この国の民主主義を破滅させる」と指摘した。
 沖縄からの訴えでは、安次富浩さん(ヘリ基地反対協共同代表)が登壇。「昨日米軍は、パラシュート降下訓練を嘉手納基地で実施した。本来降下訓練は伊江島だった。安倍はこれを容認した。とんでもない政治状況だ。しかし沖縄の未来は我々が開く。我々は絶対あきらめない。衆参同時選挙が予想される。これも受けて立つ。堂々と闘って安倍を倒す。この国を変えよう。世直しするのは国民だ!」と決起を促がした。
 そして、玉城デニー沖縄県知事からのメッセージが読み上げられた。「叡智と努力で、県民投票の民意を実現していく」とする知事の固い意志が伝えられた。
 政党挨拶では、立憲民主党・石橋通宏参院議員、国民民主党・森裕子参院議員、日本共産党・小池晃参院議員、社民党・福島瑞穂参院議員が発言した。立民の石橋さんは、「辺野古工事は、費用も工期も分からない。仮に工事が完了しても、普天間返還の保証はない。こんな工事で安倍首相は、いつまで民意を踏みにじり続けるのか。この国の民主主義と憲法を守るために、今声を上げる時だ!」と野党第一党の姿勢を示した。
 続いて、「本土」での闘い方の例として、都内武蔵野市の内山さと子市議会議員が発言。3月市議会での県民投票尊重意見書の可決(23中、公明含む17が賛成)を報告した。多くの自治体では6月本会議。政府への意見書を採択させる好機である。
 藤本泰成さん(戦争をさせない千人委)は、学者・文化人公開質問状について報告。「13項目の質問に対し、防衛省は誠意に欠ける回答に終始している。軟弱地盤について防衛省は、費用も工期も目途をつけていない。地盤改良工事のための工法も、工事船や土砂の見通しも示せず、しかるべき時期に正確な回答を出すと答えた。工事費の概要がないまま、公共工事を強行している。財政民主主義の破壊だ」と指摘した。
 アピール文が宮沢洋子さん(憲法共同センター)から朗読され、拍手で確認された。アピールでは、「玉城デニー沖縄県知事は、安倍政権に対して、工事をいったん中止して協議に応じるよう再三求めています」としつつ、我々は「辺野古新基地建設を必ず止め、普天間基地の無条件返還を実現するために、全国の力を総結集」しようと呼びかけた。
 最後に、閉会挨拶を高田健さん(憲法9条を壊すな!実行委)。「安倍首相は何とかして改憲発議をしようとしている。しかし現状では、ほとんど失敗している。残された道は、参院選で再び3分の2を取ることだ。これを阻止して安倍内閣を崩壊させる。野党共闘と市民連合は、辺野古NO!を掲げた政策協定を結ぶ。参院選はこれを掲げた選挙戦となる」と述べた。
 その後集会は、各エリアで第2部として続けられた。沖縄からは、大城悟さん(沖縄平和運動センター事務局長)、瀬長和男さん(沖縄統一連事務局長)が発言した。
 この日の闘いは全国38ヵ所で取り組まれ、その一つ奄美大島では、辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会が第6回総会および、地元団体と共催の反基地決起集会を行なった。奄美大島は、辺野古土砂搬出予定地であり、また自衛隊ミサイル基地建設が強行されている。
 国会包囲の行動では、目前の参院選が当然意識されたが、選挙情勢を根底から動かすものとしての大衆闘争、この立ち遅れが痛感された。「本土」の闘いを立て直し、土砂投入を止めよう。(東京O通信員)