「丸山辞めろ!」と、5・19国会前行動
 9条蹂躙は維新の体質
  今国会で、安倍改憲発議は破綻へ

 5月19日、戦争法強行成立の以来、その廃止などを求めて毎月続けられている「19の日」行動が、国会議員会館前で行なわれ、主催者発表で1900人の労働者市民が参加した。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍9条改憲NO!全国市民アクション。
 行動は今回、「戦争あおる議員は辞めろ!」などのコールで、午後2時から始まった。
 「日本維新の会」の丸山穂高衆院議員(大阪19区)が5月11日、北方四島ビザなし交流団の一員としてクナシリ島を訪問した際、団長の元島民に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」などと詰問し、さらに「戦争しないと、どうしようもなくないですか」などと迫った。戦争をけしかける憲法違反の暴言に、元島民は抗議し、根室市議会も抗議声明を出し、維新は参院選への影響を恐れて除名処分とした。維新を含め立憲民主など野党共同で17日、丸山議員辞職勧告決議案が提出された。
 行動では、丸山辞めろ!の声が続く中、国会野党から社民・福島瑞穂参院議員、立民・初鹿明博衆院議員、共産・田村智子参院議員が発言した。福島さんは、辺野古をはじめ米軍基地などへの撮影を禁止するために、改定ドローン規制法が5月17日に成立させられたことを糾弾した。初鹿さんは、イラン情勢の危険に警鐘をならし、トランプ来日で日本の平和外交が問われると指摘した。
 主催者挨拶を福山真劫さん(戦争をさせない千人委)が行ない、終盤国会下での改憲発議阻止、辺野古断念、朝鮮半島平和・日韓和解、参院選勝利について訴えた。
 各団体からは、辺野古土砂搬出反対全国協の毛利さん、メディアで働く女性ネットの林さん、法律家6団体の大江さんが発言。6月10日に土砂搬出反対全国署名の国会提出、防衛・環境省交渉が行なわれる。
 最後に小田川義和さん(憲法共同センター)が行動提起、5・25辺野古国会包囲、6・2三千万署名新宿情宣、6・7~8「朝鮮半島と日本に非核・平和の確立を!」市民連帯行動などを提起した。「6月7日、日朝・日韓のテーマで日比谷野音をぜひ満杯に!」と訴えた(午後6時半)。
 さて安倍政権と自公は、今春に今年度予算案を成立させた後は、国政全般を質疑する予算委員会をまったく全く開かないまま、衆院憲法審査会だけは木曜定例化で強行している。しかしそうやっても、憲法審査会では今のところ、改憲国民投票法改定案の採決や自民党改憲4項目の提示ができないまま、会期末6月26日が近づいている。油断できないが、今国会での改憲発議は困難となった。
 今夏参院選後に、安倍は改憲布陣を立て直せるのか。安倍は、改憲仲間としての公明と維新を、計りに掛け直すだろう。維新は4月地方選で、大阪の範囲では勢いを盛り返してきた。しかし、国政政党としては通用しないということを、参院選ではっきりさせる必要がある。
 丸山暴言は、橋下代表時代以来、9条蹂躙の言動を続けてきた維新の体質そのものである。丸山に続いて、参院比例予定候補の長谷川豊(前回総選挙で千葉1区公認候補)が、2月の講演会で「士農工商の下に、人間以下」「当然、乱暴なども働く」「プロ、犯罪の」など露骨な部落差別暴言を行なったことが発覚した。候補取り消しで済む問題ではない。現職衆院議員の足立康史(近畿比例)も、下劣発言・ヘイト発言で有名だ。
 維新は、日本の恥。自公のみならず、安倍別働隊・維新を落選させよう。(東京W通信員)


石川逮捕56年
 5・23狭山事件の再審を求める市民集会
  新証拠積み上がって決戦局面

 5月23日、石川一雄さん別件逮捕から56年目のこの日、東京・日比谷野外音楽堂で、「5・23狭山事件の再審を求める市民集会」が開かれ約2000名が参加。「狭山事件はいよいよ最終段階、後藤裁判長の任期中に再審の道筋をつける」固い決意が、会場にみなぎった。主催は、狭山事件の再審を求める市民集会実行委。
 狭山事件は、下山第一・第二鑑定、福江鑑定など重要証拠が次々に提出され、決戦の時を迎えている。
 さらに狭山事件弁護団は4月1日、再審請求の新証拠として、「狭山事件における捜索・差押に関する心理学実験」と題する原・厳島鑑定を東京高裁に提出した。
 原・厳島両教授は、復元されたお勝手を使って、鴨居の万年筆を含む5点の目的物を探す心理学実験を行なった。その結果、捜索経験の無い素人の大学生でも12人の被験者全員が、30分以内に鴨居上の万年筆を発見した。
 狭山事件捜査では、教育を受けた警察官が2回もの家宅捜索で、万年筆を発見できなかった。万年筆はその時無かったと考えざるを得ない。3回目の家宅捜索による発見は、その後何者かが鴨居の上に置いた結果であると考えられる。
 原・厳島鑑定で、石川さん無罪の新証拠が、さらに積み上げられたのである。
集会は、組坂繁之・部落解放同盟中央本部委員長が開会挨拶、「56年前の今日、石川一雄さんは、部落差別に基づく差別捜査で無実の罪をきせられた。今80歳。何としても生きている間に、見えない手錠をはずす。後藤眞理子裁判長が退官になる前に、何とか再審の道筋を!」と決意表明した。
 石川一雄さん・早智子さんが登壇。石川一雄さんは、「今年こそ本当に冤罪を晴らす。そのために鑑定人尋問を実現したい。再審開始にむけ今年こそ命を懸けて闘う。80歳になった。しかし、これからが私の第二の人生だ。前進していく」と発言。そして、
 狭山には司法は今も治外法権 光のぞけどみなの警鐘
と詠んだ。
 狭山弁護団から中山武敏主任弁護士と中北龍太郎事務局長が報告。中山さんは、「第3次再審請求で弁護団は、221点の新証拠を提出している。下山・福江鑑定など重要証拠について、裁判官に理解してもらう必要がある。さらに、何ゆえ嘘の自白をしてしまったのか、そこに部落差別の実態がある。それも理解してもらう必要がある。証拠開示と事実調べが大きな鍵。これからが大きな山場だ」と報告、狭山闘争が決戦の時期に突入したことを告げた。

 袴田事件再審取り消しを取り消せ

 連帯アピールは、足利事件の菅家利和さん、布川事件冤罪犠牲者の会の桜井昌司さん、狭山事件の再審を求める市民の会事務局長の客野美喜子さん、そして袴田事件の被害者実姉・秀子さん。袴田秀子さんは、「石川さんは56年、巌は53年闘っている。巌は今83歳、いつ何があるか分からない。支援をお願いしたい」と訴えた。
 また、袴田さんを支援する清水・静岡市民の会の山崎俊樹さんが、次のように訴えた。「1972年、袴田巌さんが犯行時に着ていたとされる味噌漬けズボンの第1回目の着装実験が行なわれた。はけないばかりか、体を中に入れることさえできなかった。明らかに小さすぎるズボンだった。袴田さんは獄中で体を鍛え、現役ボクサー並みに体を絞って3回目の実験に臨んだ。それでもはけなかった。裁判長は、ズボンはY体で体型もY体だからはけたはずと決めつけた。裁判官の思惑一つで死刑判決が下された。」「袴田さんは無実だ。しかし18年6月11日、東京高裁は静岡地裁の再審決定を取り消した。袴田さん石川さんの再審開始を勝ちとろう」。
 集会は、再審開始を強く求める集会アピールを発して終了、銀座方面へデモ行進を行なった。
 「決戦」が強調された。今こそ地域・職場から狭山の取り組みを!(東京O通信員)