展望なき埋立で安倍は破滅へ
  決戦に向かう「辺野古」3・16官邸前、3・22~25連続行動

 3月16日、沖縄・那覇の県民大会との同時行動として、東京では「辺野古新基地建設反対!3・16首相官邸前アクション」が行なわれ、安倍政権は2月沖縄県民投票の結果を無視するな!新たな土砂投入はやめろ!と訴えた。
 この行動は、官邸前行動としては久々に大規模に勝ち取られ、官邸前からずーっと下の歩道までを埋め尽くす約2500名の結集となった。主催は、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会で、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会(埋めるな!連)が協賛。
 最初に、主催の辺野古国会包囲実から木村辰彦さんが挨拶、「安倍政権は、軟弱地盤の存在と設計変更申請の必要をようやく認めた。玉城知事はこの申請を承認しないし、また地盤改良工事は技術的にもできない。辺野古に基地は造れない。力を合わせて闘えば、必ず新基地は阻止できる!」と事態を明確にした。
 発言は、「辺野古県民投票の会」代表の元山仁士郎さんをはじめ、東京平和運動センターの青木さん、非戦ネットの谷山さん、FOEジャパンの水田さん等々と続いた。また、同時進行の沖縄県民大会で読み上げられている知事メッセージが、官邸前に音声中継された。
最後に、「埋めるな!連」の中村さんから、新たな土砂投入阻止のための3・22~25連続行動の提起を受けて終了した。元気が沸き、今後に繋がる官邸前行動であった。

  3・16沖縄県民大会

 3月16日の那覇市・新都心公園での、「土砂投入を許さない!ジュゴン・サンゴを守り、辺野古新基地建設断念を求める3・16県民大会」は、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の主催で1万人余が参加した。
 出張で欠席の玉城デニー知事のメッセージが、謝花喜一郎副知事から代読された。知事は、「県民投票の結果が示された今、日本政府の民主主義が問われている。そもそもこの問題が解決しないのは、日米両政府だけで県内移設を条件として県民の頭越しに進めてきたからだ。日米に沖縄を加えた新しい協議の場を求める」と表明している。
県民大会決議は日米両政府に、①県民投票の圧倒的民意を尊重し、埋立てを中止して新基地建設を即時断念せよ。②赤土混じりの埋立て土砂を全て撤去せよ。③オスプレイ配備撤回・普天間基地即時閉鎖、の3項目を要求した。

  3・25土砂投入許さず

 3月22~25日、首都圏の諸団体がひろく参加する「埋めるな!連」によって、新たな土砂投入阻止の連続行動が闘われた。
 3月22日には品川で、埋立て工事元請けである大林組への抗議行動が闘われた。
 3月23日には、駅頭一斉行動が取り組まれた。安倍たおせ!反戦実が担当の池袋駅西口をはじめ、首都圏の計29ヵ所で、辺野古埋立て反対の宣伝行動が展開された。
 3月24日には、東池袋公園で首都圏大集会・デモが闘われた。(記事別掲)
 3月25日には、朝8時から午後5時までに渡って、首相官邸前座り込み行動が闘われた。
 沖縄県民投票後、3・1、3・19と二度にわたってデニー知事は、土砂投入の中止を安倍首相に直接要請した。政府がこれを一顧だにせず、昨年12・14の②―1区域に続いて、第②区域へも土砂投入を開始すると通告しているのが、この3・25である。
 平日であるが、朝から官邸前では50人ほどが、宣伝・座り込み行動を開始。午前中、まだ土砂投入は阻止されている。辺野古現地では、海上とシュワブ・ゲート前で阻止行動が続けられている。参院では、立憲民主の有田芳生議員が、「もう一度工事を止めて、話し合う場を!」と政府を追及している。官邸前では、国会から官邸へ戻る首相公用車に抗議のシュプレヒコール。そのまま正午には官邸前集会。
 投入強行は午後からか。百人以上に増えてきた官邸前でも緊張と抗議が高まる中、埋立て区域東端のK1護岸から、午後3時ごろ土砂投入が強行された。辺野古の浜と官邸前の両方で、怒りの抗議集会が続けられた。
 また、この日の夜には、「県民投票に示された民意に応え土砂投入は中止を!3・25集会」が総がかり行動実と辺野古国会包囲実の共催で持たれ、日本教育会館に数百名が参加した。沖縄から稲嶺進さん(オール沖縄共同代表)の訴えのほか、糸数慶子参院議員、沖縄等米軍基地問題議員懇の石橋通宏参院議員(立民)など各国会野党が挨拶した。
 同時刻、反戦実など大衆闘争団体は、極右の妨害を一蹴して「3・25霞ヶ関デモ」を貫徹した(記事2面)。第②区域への土砂投入は突破されたが、今後の大闘争につながる激闘の連続行動であった。(編集部W)


  3・24首都圏大集会・池袋デモ

 3月24日、都内の東池袋中央公園で、「沖縄の声を聞け 止めろ!新たな土砂投入 首都圏大集会」が開催された。450名が参加し、池袋駅周辺をデモ行進し、「辺野古の海を土砂で埋めるな!」「県民投票を無視するな!」とアピールした。この集会・デモは、翌25日に政府が企図している新たなエリアへの土砂投入に反対する連続行動の一環として、3月22日の「大林組前行動」、同23日の首都圏22カ所(別の日を含めると29カ所)での「駅頭一斉行動」の上に実施された。
 集会では主催者を代表して沖縄環境ネットワークの花輪伸一さんが発言。県民投票で埋め立て反対72%と民意が明確になったのに、政府はこれを尊重しようとしない、これは「民主主義、地方自治を否定するものだ」と非難し、一日も早く安倍政権を終わらせ、基地建設を終わらせようと訴えた。
 沖縄現地からは山城博治さんが電話で参加。「いよいよ大きな局面にさしかかる。必ずや基地建設を止めるという決意を新たにしたい。」「この国の民主主義が問われている。手をつないで止めよう」と協力を求めた。
 そして、22日の大林組前行動の報告。つづいて、昨年12月14日の土砂投入開始以降3カ月以上首相官邸前で座り込む女性たちからの「一緒に抗議の声を!」というアピール。更に、宮古島の人々の生活が自衛隊基地建設で危うくなっている、「島の人たちに任せるのではなく、皆の力を!」との訴えがなされた。
 最後に「埋めるな!連」の尾沢さんが締めくくりの発言に立つ。22日以降の「連続行動」を総括しつつ、この日のデモの貫徹と、あす25日の首相官邸前座り込みを訴えた。そして「本土」の私たちの課題として沖縄と繋がっていく。安倍を糾弾し土砂投入を止めさせていく、全力で展開していきたいと決意を述べた。
 「本土」の私たちが自己の問題としていかに闘っていくのか、闘いはその意味でも正念場の局面に入っていく。集会参加者は決意を新たに、池袋の繁華街をデモ行進した。(M通信員)
 
 
新・天皇元号はいらない!
  天皇主権者扱いの即位式に対峙し、5・1主権在民メーデーを推進しよう

 天皇元号「――」強制を許さず、5・1天皇代替わりによる天皇制強化に断固反対しよう。
 4月1日、新天皇元号を「――」とすることを、前回代替り時のように官房長官が発表するだけでなく、勝手な意味付与を行いつつ安倍首相が直接、国民に宣伝した。これは、政権浮揚のための浅はかな天皇利用であり、違憲行為である。
 天皇元号を法制化していること自体が、違憲である。元号法は、天皇が時間さえ支配するとする神権天皇制や旧憲法の天皇主権制を部分的に復活させるものであって、国民主権の現行憲法に反する違憲立法である。元号法制化の以降、国民は生活の便宜という面からも、甚だしい支障を強いられてきた。元号法による公文書での天皇元号記載強制、これを即時中止せよ。
 さて、4月30日に天皇明仁が退位し、5月1日に新天皇徳仁の即位儀式、また「三種の神器」継承儀式が行なわれる。前者の国事行為とされる即位儀式で、高御座に天皇が座り、三権の長などが平伏するやり方は、天皇を主権者扱いする暴挙である。また天皇家の宗教儀式にすぎない後者を、政府が公的儀式であるかのように描き出すのは、露骨な政教分離原則違反である。
 安倍政権は、全世界労働者団結の日5・1メーデーに、新天皇即位をぶつけてきた。天皇制は、労働者と資本家の階級対立、また人民と政府の対立をごまかし、双方を臣民として一体化させるための道具、国民統合支配の道具である。天皇制強化に対峙し、断固としたメーデー行動を実現しよう。
 秋には、大嘗祭と、各国の来客を呼んでの即位大典が行なわれる。皇室神道では、大嘗祭で神権を得てはじめて、新天皇は天皇になれるとする。その宗旨に沿って、国事行為の即位儀式をまたやるというのは憲法違反である。大嘗祭を「公的行為」化せんとする策動などは、もってのほかである。
 これら一連の天皇代替わり儀式は、旧憲法下で存在した登極令を踏襲している。前回代替りでは、89年「大葬」、90年「即位の礼」として強行された。今回は生前退位で「大葬」は無いが、現憲法下での象徴天皇制すら逸脱する一連の即位儀式は、とうてい許されるものではない。
 明仁天皇の30年は、憲法に規定の無い「公的行為」拡大の30年であった。それに伴い天皇・皇族関係報道が増大した。これによって天皇制は、世論の中で天皇への無関心を減らし、天皇への関心・敬意を増やすことにかなり成功を収めた。
 しかし反面、「公的行為」拡大による天皇職務増大と天皇高齢化との矛盾、また皇位継承者の減少という不安定性が出てきた。そこで、天皇制の持続可能性を心配する明仁は、8・8メッセージを出した。政治権限の無い象徴天皇が、実質的に法(皇室典範)の改定を求めるという違憲行為であった。
 安倍首相と反動支配層は、旧憲法の復活という野望にそぐわない「生前退位」に抵抗した。結局、安倍政権らと天皇との妥協が成立し、皇室典範の改定ではなく、退位特例法の制定による今回限りの生前退位となった。
 明仁が平和主義者で、アベ政治に抵抗していると見るのは滑稽である。天皇・皇族は、国家の重要一機関としての自己の地位と役割を自覚し、その立場を今後も守るために、かれらなりの対応を取っているだけである。
 8・8メッセージ以降、天皇・皇族自身による「象徴天皇制はこうあるべき」という発言が目立ってきている。秋篠宮文仁が、大嘗祭の内廷費利用と簡素化を提案したことも、その一つである。それらの発言を、主権者国民が有り難く拝聴するという傾向になっている。
 しかし、天皇制の今後を決めるのは、現憲法で主権者とされる国民である。国民は、天皇制を存続させることもできるし、逆に憲法を改正して天皇制を廃止することもできる。
 天皇制強化に断固反対し、天皇制廃止あるいは主権在民擁護を掲げる5・1メーデーを推進しよう。東京五輪へ向けた、あらゆる天皇制ナショナリズム国民統合策に反対しよう。(A)