普天間基地即時返還2・19国会正門前に3000人
  運用停止期限は切れた

 「普天間基地はただちに返還!」「土砂投入絶対反対!」、怒りの声がこだまする国会前で2月19日、「普天間基地即時返還!県民投票勝利!安倍9条改憲NO!2・19国会正門前行動」が闘われた。雨が降り出す中、約3000名の労働者・市民が結集。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と安倍9条改憲NO!全国市民アクション、および「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委。
 前日18日は、5年前の仲井真知事時代に安倍政権が沖縄県と約束した、米軍普天間基地運用停止の期限であった。しかし、アメリカと安倍政権はこれを無視、普天間基地返還を求める沖縄県民の願いを踏みにじった。
 2月の「19の日」行動は、この普天間5年以内運用停止の期限と重なり、また2・24沖縄県民投票で再び辺野古NO!の民意が示されるであろうという重大局面での、行動となった。
 正門前の集会は午後6時半から、泉澤章さん(憲法共同センター)による主催者アピールで始まった。「政府は、新基地建設反対闘争をあきらめさせようと土砂投入を強行した。しかし、この行為は、沖縄県民の民意を押しつぶすことができなかった。沖縄は闘い続けている。本土の我々が、あきらめる訳にはいかない。政府を追い詰めよう」と訴えた。
 国会野党発言では、立憲民主党の石橋通宏参院議員が挨拶、「政府は、沖縄の美しい自然と沖縄の民意を踏みにじる暴挙に出ている。民主主義・平和・地方自治を守り、この国に民意を尊重する政治を取り戻す。これが新基地反対の闘いだ」と訴え、自党のスタンスを鮮明にした。
 沖縄の風・伊波洋一参院議員は、「県民投票の成功に向けて闘っている。必ずや土砂投入を止めさせる。埋立て海域の軟弱地盤が明らかになった。7万本以上の杭を打つというが、これはできないだろう。断念させるまで闘う。勝つまであきらめない」と決意を示した。
 他に日本共産党・山下芳生、国民民主党・大島九州男の両参院議員、立民・本多平直、自由党・日吉雄太の両衆院議員も挨拶した。
 連帯アピールでは最初に、辺野古新基地をつくらせないオール沖縄会議・山本隆司事務局長が登壇。「安倍政権はことある毎に、普天間の危険性除去のためと言うが、米軍に何も言えず、何もやっていない。普天間第二小学校は、米軍機が上空を飛ぶたびに避難している。米軍機の墜落を想定して避難訓練もしている。こんな学校が全国にあるのか。」「県民投票では、期日前投票が順調に進んでいる。3・16には、大規模な県民集会を那覇市で開催する」と報告した。
 憲法学者の石川裕一郎聖学院大教授は、「今、辺野古で起きていること、それは沖縄が圧倒的暴力で弾圧されていること。安倍政権の6年間は、反対の声は力でつぶし、行政権だけで政治を進めるということだ。沖縄で起きていることは本土でも起こる。国民全体の問題として捉え、闘うべきだ」と訴えた。
 「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委の野平晋作さんは、「県民投票では、辺野古新基地反対の民意が再び示されるだろう。今こそ本土の闘いが求められる。沖縄県民集会の3月16日の同時刻に、東京で全国で声を上げよう」と訴えた。
 最後に、総がかり行動実の菱山南帆子さんが、「安倍との熾烈な闘いが続いている。闘いの苦悩は、勝利でしか癒されない」と述べつつ、
・ 3・19「19の日」行動 午後6時半・議員会館前。
・ 5・3憲法集会 過去最大規模で有明防災公園。
・ 6・7~8日韓連帯集会(予定)
これらを行動提起して終了した。
 なおその後、東京での3・16同時行動は、「3・16首相官邸前アクション」として取り組むことが決まった。沖縄県民投票の黙殺を許さない、3・25からとする新たな土砂投入は止めろ!を訴え、大規模な官邸前行動を実現する。(東京O通信員)


2・17新宿アルタ前、宜野湾市民大会と同時行動
  普天間即時停止を

 2月17日、東京・新宿アルタ前を起点に、「普天間5年以内運用停止」はどうなった!2・17新宿デモが行なわれた。主催は、辺野古の海を土砂で埋めるな!首都圏連絡会で、約200人が参加。
 この日曜日は、明日が普天間基地の運用停止期限であり、普天間基地が居すわる宜野湾市では、「普天間は今日でおしまい」を掲げて、運用停止を求める総決起大会が市民会館で開かれている。宜野湾市民はこのかん、松川市長の県民投票ボイコットを止めさせ、県民投票の全県実施をかちとる先頭に立ってきた。県民投票勝利の総決起大会でもある。主催は、地元市民団体とオール沖縄会議。
 新宿デモは、これとの同時行動。アルタ前での集会では、宜野湾市議の桃原功さんからのアピールもあった。当面の行動を確認した後、大成建設本社に抗議し、新宿駅を一周するデモ行進が行なわれた。
 筆者はアルタ前で、「普天間停止、明日が期限」のボードを掲げてスタンディングしてみたが、若い人が「自分のツィッターに載せたいので、撮っていいですか」と寄ってきたり、同世代のおじさんが安倍非難を長々と話し掛けたりと、短時間でも好反応であった。(東京W通信員)


沖縄県の審査申し出を
  国地方係争委不当却下

 2月18日、総務省の第三者機関「国地方係争委員会」は、第4回会合で、沖縄県による埋立て承認撤回の効力を国が一時停止したことに対する、沖縄県の審査申し出を却下することを決定した。国の対応が違法か否かを審議せず、入り口で門前払いした形である。
まさに政権への忖度だ。地方自治という現憲法の基本原則が問われている時に、地方自治法上の「審査対象に当たらない」とする決定では、何人も納得しない。また、国地方係争委は2月末までに決定を出せばよかったが、24日の県民投票で民意が鮮明となる前に、逃げるように判断放棄という格好となった。国地方係争委・富越委員長は恥ずかしくないのか。
 沖縄県は、この不当決定を遺憾としつつ、国交省の効力停止の取り消しを求めて提訴する方針。(編集部)


2・17大阪
 狭山事件の再審を実現しよう
         市民の集いin関西

  本田神父語る―
  「釜ヶ崎からみた狭山事件」

 2月17日、大阪市の阿倍野区民センターにて、3回目の「狭山事件の再審を実現しよう市民のつどいin関西」が600名を超す盛況の中で開催された。主催は同集会実行委。関西一円の部落解放同盟を筆頭にした狭山事件を取り組む諸組織の呼びかけ、また釜ヶ崎支援機構、釜ヶ崎日雇労組、全日建連帯労組、大阪教育合同労組等の協賛によって準備されてきた。
 集会は、部落解放同盟大阪府連・高橋書記長の挨拶で始まり、冤罪被害者アピールとして、「狭山事件」当事者である石川一雄さん・早智子さん夫婦のほか、「清水(袴田)事件」の同じく当事者の袴田巌さん・姉の秀子さんが招待され(あいにく巌さんは体調不良で欠席)、両事件の司法での再審請求進行と事件の完全勝利の展望がトークセクションの形で語られ、参加者一同それを確信していく集会企画であった。
 当日登壇の石川さん夫婦、そして袴田秀子さん、皆さんすぐれて意気軒昂であった。しかし事件当事者の高齢と健康を考えるとき、残された時間はあまり多くないと石川早智子さんは語った。集会は、弁護団・運動体をはじめ一人ひとりの共感と行動の結集が、早期の事件の完全勝利につながることを力強く発信するものであった。
 集会第1部では、これら冤罪被害者アピールとともに、記念講演として、会場近隣の釜ヶ崎から駆け付けた本田哲郎さん(フランシスコ会司祭)が、「釜ヶ崎からみた狭山事件」と題して語った。
 本田さんは、自らの体験を鮮明に引き出す形で概要以下のように述べ、「普通の人々」の予断と偏見が一つの要因となった狭山事件の本当のあり様に触れた。
 私は、30年以上前に釜ヶ崎にやってきた。職業柄、宗教者として(釜の)労働者にどのようにして寄り添い、共感を得ることが出来るかを常々考えていた。日雇の仕事にも出て、労働者と一緒に働き寝食を共にする努力もした。労働者に合わすため仕事着もわざと汚したりもした。これが労働者との団結であり、気持ちの共有とたかをくくっていた。しかし年月を経て、一人の先輩労働者の実際の気持ち、誰にも言いたくない心のトラウマやわだかまりの微塵も理解できていない自分の存在を、その先輩の言葉の端から感じていく自分があることに気付かされていくことになった。
 「人は相手の立場に立って考えることはできないこと」が長年の中で次第、次第に分かってきた。その人がどんな気持ちで社会から押し込められ、小さくされ、辱めを受けてきたのか、そんな簡単に分かるなんて出来るものではない。自分を押し出すのではなく、その人の存在を借りて、またその人の尊厳を大切にする中でしか正義は見えてきません、と私は思っています。
 「狭山」も「袴田」も、そして「沖縄」や「フクシマ」でも、最も小さくされ正義を奪われ、かつ希求する人々は誰なのか、これらへの向き合いとは、を投げかける本田さんの言葉であった。
 第2部はライブ公演。関西拠点のカオリンズさん、アカリトバリさん、そして小室等さん。小室さんは、映画『SAYAMAみえない手錠をはずすまで』のギター音楽などを担当、今後も両事件解決へ向けての誓いの演奏であった。
 集会は最後に、「そうはいくかよ」のプラカードを全員で掲げて連呼。解決引き延ばしを図る司法権力を糾弾して終わっていった。(関西I通信員)