3・1朝鮮独立運動100周年 2・24東京集会
  半島情勢は「百年目の大改革」

 3・1朝鮮独立運動100周年を迎え、2月24日東京集会が文京区民センターにおいて、280名の参加でもたれた。主催は、多くの呼びかけ人・賛同団体による「2019 3・1独立運動100周年キャンペーン」。
 3・1独立運動は、日帝植民地支配から10年目の1919年3月1日ソウル・パゴダ公園に集まった民衆による独立宣言に始まり、朝鮮全土を席巻した大運動で、多大な犠牲にもかかわらず日帝支配と果敢に闘かわれ、東アジアの解放運動の起点ともなった。朝鮮・韓国では、日帝敗戦直後に創設されたコンミューン的組織、人民委員会の闘い、また韓国で唯一の武器をとった民衆抵抗である80年光州蜂起、その後の87年民衆大抗争、そして朴クネ打倒を導き出したキャンドル革命へと引き継がれる起点にもなった。
 集会は、日韓民衆連帯全国ネットワーク共同代表の渡辺健樹さんが主催者あいさつ、このかんの経過と取り組みを述べるとともに、当日行なわれた沖縄県民投票にも触れ、辺野古新基地建設阻止への連帯も表明された。
 映画『植民地支配に抗って―3・1朝鮮独立運動』の上映にひき続き、3・1独立運動(100年)に思うこととして、3名のスピーカーから発言があった。東大教授の外村大さんからは、3・1独立運動に関わる石母田正と梶山幸之の作品に触れ、朝鮮植民地支配を他人事として捉えていないことを紹介した。女たちの戦争と平和資料館の渡辺美奈さんからは、当館が開催する朝鮮人性奴隷たる「慰安婦」の声を聞く特別展の案内がなされた。「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会共同代表の森本孝子さんからは、安倍政権による朝鮮学校無償化不指定攻撃に対する闘いの経過と、支援の訴えが切々と語られた。
 休憩をはさんで、東京朝鮮学校高級学校生徒の皆さんから、「アリラン」などの合唱が行なわれた後、4名の韓国ゲストが紹介された。
 韓国進歩連帯常任共同代表のハン・チュンモクさん、4・27時代研究院国際分科長のソン・ジュンモクさん、コリア国際平和フォーラム共同代表のリュ・ギョンワンさん、ウリハッキョと子どもたちを守る市民の会共同代表のソン・ミヒさん、がそれぞれ紹介された。
 報告は、ソン・ジュンモクさんから、「南北共同の3・1独立運動(100周年)の視点から」との演題で行なわれた。その講演内容は、後日2月27~28日にハノイで行なわれた米朝首脳会談に対する、韓国進歩勢力の期待値が多分に盛り込まれたものであった。
 日本のマスコミは、この首脳会談で具体的合意に至らなかったことをもって、決裂との評価を下している傾向にあるが、相違点を埋めることが出来なかっただけであり、戦争でも勃発しそうな表現が飛び交うのは、的外れもここまで言うかという感じである。基本原則は昨年6月の一回目の首脳会談で合意されており、新たなロードマップが必要なだけではないだろうか(トランプにとっては大統領選のためにも、強気な姿勢とゆっくりとした推移のほうが有利なはずだ)。
 講演内容に戻るが、レジュメに即して紹介すると、①100年目の大改革として、3・1独立運動の歴史的役割が昨年来の朝鮮半島情勢を作り上げてきたと述べられ、
 ②「ハノイ共同声明はシンガポール共同声明の実行策」と表題が付けられたが、合意できなかったことへの韓国進歩勢力としての予見的見解が述べられ、「もし、この会談がそのような制限的レベルの合意に留まるならば、首脳会談は実務交渉となり、3回目、4回目の首脳会談が必要になるだろう」と指摘している。
 ③朝米の関係正常化、朝鮮半島の平和体制、そして朝鮮半島の非核化の項目では、シンガポールでの合意に基づき、今回のハノイでの合意内容の可能性が述べられた。
 ④朝鮮半島の全民族的な統一運動、その始まりという項目では、ハノイ首脳会談の合意成功を前提に表現されている。今後韓国進歩勢力が、どのような方針を取るのか注目されるが、ただレジュメでは「私たちは4月27日から9月19日まで、6・15南北共同委員会が定めた南北共同宣言の実践運動期間中に、朝鮮半島と東北アジアの平和定着のための国際宣言運動を提案」するとしている。
 ⑤日本は過去を清算し、朝鮮半島の平和統一を支持すべきとの項目では、安倍政権によるこのかんの韓国・朝鮮への対応と軍拡、改憲の動きを厳しく批判している。
以上の報告の後、この100周年キャンペーンを呼びかけた諸団体から発言。ユース・スタディツアー参加の若者たち全員から、一人ひとり感想が述べられた。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さんからは、沖縄県民投票の当日に寄せてということで、青木さん自身の心情も込めて必勝の思いが語られた。
 「日本からの応答―3・1朝鮮独立運動100周年にあたっての民衆宣言」が、日韓ネットの日向さんから朗読された。
 ピースボート共同代表の野平晋作さんが行動提起、日朝協会会長・石橋正夫さんの閉会あいさつで終了した。
 3月1日には、「3・1独立運動100周年キャンペーン」が呼びかけたリレートーク&キャンドルアクションが、600名の結集で、新宿駅東口アルタ前広場にて行なわれた。「在特会」など右翼排外主義の妨害を撥ねのけて、果敢にトークが続けられた。(東京Ku通信員)