全日建連帯関西生コン支部への弾圧抗議12・8集会
 許すな!労働組合つぶしの大弾圧

 12月8日、大阪市の中央区民センターにおいて、「労働組合つぶしの大弾圧を許さない!12・8集会」が開催され、全日建連帯傘下の組合員をはじめ、全港湾など近畿周辺の労働組合、労働者・市民約650名が結集した。主催は、同集会実行委。
 この全日建運輸連帯労組・関西生コン支部への今回の弾圧事件は、2018年7月以降、生コン施設・流通をめぐる労使折衝に対し関西一円の所轄警察が介入、全日建連帯労組の労働現場における正当な組合活動に対し、逮捕・家宅捜査など不当弾圧を繰り返したものである。また、ピケット、ストライキなど、現場における労働組合の労働基本権行使に対する不当な介入である。
 さらに、各府県警の組織犯罪対策課を動員し、「組織犯罪・共謀」という予断による新たな労組つぶしを画策したものであり、安倍政権が成立させた「働き方改革」法の路線と共に、労働組合の団結を否定する見せしめ的な弾圧であると言わねばならない。
 集会は、実行委を代表して全港湾大阪支部の樋口委員長からの挨拶、弁護団からの経過報告に続き、当該関西生コン支部の坂田副委員長から、今夏以降の生コン協同組合役員を含む40名以上にも及ぶ不当逮捕・拘束、再逮捕という前代未聞の弾圧の経過と、今後の闘いの展望が報告された。
 不当逮捕の経過は以下のとおり。
 7月18日、滋賀県警が、滋賀県湖東地区での建設工事に関連して、「強要未遂」容疑で生コン協同組合理事ら4名逮捕。
 8月9日、協同組合役員、関生組合員、計3名逮捕。
 8月28日~29日、「業務妨害」の容疑で、連帯労組生コン支部の武健一委員長ほか組合員3名を逮捕。
9月18日、大阪府警が、現場での「威力業務妨害」容疑で、組合員16名を一斉逮捕。10月9日、同容疑で8名(再逮捕含む)一斉逮捕。
 11月21日、大阪府警が、武委員長の再逮捕を含め4名を逮捕。
 11月27日、滋賀県警が、拘留中の3名を含む8名を逮捕。
 本来、団結権、団体交渉権、ストライキ権は労働者の歴史的、かつ固有の権利であり、現場でのビケット行動や説得活動などは、当然の権利行使として容認されなければならない。
 集会後半は、各労組、ユニオン、市民団体の仲間が壇上から発言。「この全日建に対する弾圧は、安倍政権・安倍政治による我々への攻撃だ。共謀罪の先取りであり、断固それぞれの持ち場から反撃していく!」「また市民・社会団体には、詐欺罪の適用など不当弾圧策動が続いている。これにも反撃を!」などが、一様に訴えられた。
 集会では、関生支部の組合員12名が未だ拘留中(12月8日現在)であることが報告され、カンパとともに、さらなる運動の拡大と共闘が訴えられて、この日の集会を終った。(関西I通信員)


12・1釜ヶ崎講座「仕事づくり集中講座 フリーヘルプから学ぶ」
 釜ヶ崎で社会的起業に挑戦

 12月1日、大阪・釜ヶ崎の中心にある西成市民館にて、第15回釜ヶ崎講座学習会「仕事づくり集中講座 フリーヘルプから学ぶ」が開かれ、約30名が参加した。これは、釜講座とNPO釜ヶ崎支援機構のタイアップ企画としては、6月、9月につぐ3回目の学習会であった。
 今回の話題提供者は、NPO法人フリーヘルプの西本精五理事長。フリーヘルプは、兵庫県加古川を立ち上げ起点として今日、東加古川、神戸(長田・湊川地区)で「古着販売」の店舗を自力経営。その売上で、差別や排除を受ける生活困窮者や野宿者の生活支援を続けている。
 西本さんのお話しは概要以下のとおり。
 ①私は社会に出て、衣料品業界一筋で生きてきた。「古着」の輸入・卸小売に携わる過程で、欧米諸国の流通過程を現地にも赴いて勉強してきた。イギリスの「チャリティーショップ事業」が同国の社会活動と深く結びついている仕組みを知り、その活動を日本で応用しようと思った。
 ②09年11月、加古川でチャリティーショップを開店。「寄付」という考えを基点とするのがチャリティーショップの成り立ち。日本では古着は「買取り」の考えで、叩き値で買い取られるので年間二百万トンの古着が捨てられる。再利用されるのは2割。日本のリサイクルの考えは、基本的に江戸期からの商品流通。欧州は資源ととらえ、教会を母体としながら個人の役に資する無料品とするという、リサイクル活用の歴史的相違がある。
 ③店舗事業は、障碍を持つ人にも働いてもらっている。お互いのケアの心配りが何よりも大事だ。売り上げの中から、地域の母子親子の学習塾や、フードバンク、ウィメンズネットと協働しての片親家庭への食品・生活品の送付活動、また、「神戸の冬を支える会」と連携しての野宿者等への生活相談、播磨地域での困窮者相談会も続けている。
 こうしたフリーヘルプの社会的起業の過程が、映像を交えて分かりやすく説明された。
 これを受けて、釜支援機構の松本事務局長が発言、「フリーヘルプとの付き合いは十年近くになる。すでに釜ヶ崎での店舗事業の端緒も切られているが、行政がらみの仕組みづくりで難しさを知る釜ヶ崎での事業立ち上げは、簡単とは思わない。今後も知恵を頂きながら着実に進みたい」と応答した。
 質疑応答の後、最後に釜支援機構の山田理事長が、「70年代から80年代をピークとした日雇い労働者の街の様相は近年、世代交代を伴ないつつ激変している。就労人口・居住人口の激減が、かってないスピードで訪れている。いろんな攻防の中にあって、ここで頑張ってきた人、生きづらさを抱え、ここを頼って流れ着いた人など、これらを包摂しきれる街の仕組みを形づくれるか、である。多種多様な条件の中にあって、一つでもこうした事業展開が成果を上げることに期待しつつ努力したい」と述べて、タイアップ学習会を終了した。
 なお、今冬の第49回釜ヶ崎越冬闘争での、釜ヶ崎講座による企画は、
 12月30日「釜講座・越冬闘争連帯行動デー」、午後5時半・釜ヶ崎日雇労働組合事務所集合。
 1月3日「新春釜ヶ崎歩きツアー」、正午45分集合・釜日労事務所前
と行なわれる。
 越冬闘争全体のおもな日程は次のとおり。
・医療センター前野営体制(布団敷きと警備)、12月28日~1月3日
・人民パトロール、12月30日~1月3日
・医療パトロール、12月28日~1月3日
・炊き出し(夜6時~)、12月28日~1月3日
・越冬祭り(三角公園ステージ、連日午後から)、12月30日~1月3日
・お礼参り行動(=対府市要請行動)、1月4日午前
(関西I通信員)


三里塚一坪共有運動が法人化
 「闘いは新しい革袋に」12・2報告集会

 12月2日、東京・文京区の文京区民センターで、「三里塚大地共有運動の会」設立報告集会が開かれた。主催は「一般社団法人三里塚大地共有運動の会」で、三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)など80余名が参加した。
 1966年に始まった大地共有運動(一坪共有運動)は、三里塚空港建設に反対し、新東京国際空港会社(現・新東京国際空港公団)の土地買収に抗するため、名義を多数に分割して共有する運動であった。反対する農民と全国の支援する人々との運命共同体の団結形態を創り出し、三里塚闘争の大きな力となってきた。一時期には共有運動者が襲撃されるなどの妨害もあったが、これらをはねのけて堅持されてきた。
 しかし、共有者の高齢化は現実的であり、相続問題も発生することも多くなり、名義を一本化することによって、相続手続きの煩雑さから来る共有者の空洞化への対処や、最近の裁判による金銭買収強奪などに対抗するために、共有運動組織の法人化に踏み切ったものである。
 すなわち「大地共有委員会」は解散し、11月1日に一般社団法人「三里塚大地共有運動の会」が設立された。登記費用はカンパで集め、個々の共有者に対しては無償で名義変更に応ずることになる。共有者は社団の社員として「大地共有運動の会」の運動を堅持し、三里塚空港反対を貫いていくことになる。
 設立報告集会では、まず共有委員会の加瀬勉さんが、「三里塚闘争は我が闘争である。運命を共にする。沖縄も同じ」、「今後の闘い・新しい酒は、新しい革袋に入れて闘おう」と述べ、反対同盟の柳川秀夫さんは、「共有地には、当時土地を提供してくれた百姓の思いが脈々と生きている。それを法人化で守り抜いていく」と述べた。
 また、社団法人の代表理事を務めることとなった山口幸夫さんは、「民衆の思想的原点である闘いを、もう一度考え直し、深める機会としよう」と呼びかけた。(共有者S)