安倍政権退陣4・14国会前大行動に3万人
 大衆闘争で安倍に引導を

 4月14日には、安倍政権の即時退陣を求める労働者・市民の行動が、東京・国会正門前、大阪・うつぼ公園など、全国各地で行なわれた。
 東京では国会正門前を中心に、「安倍政権は退陣を!0414国会前大行動 あたりまえの政治を市民の手で!」が午後2時から行なわれ、主催者発表で3万人が参加した。この国会正門前行動は、集会前半を「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委」が、後半を「未来のための公共」と「Stand for Truth」が主催する形で行なわれ、延べでは5万人参加とも称される。
 最初に、総がかり行動実から福山真劫さんが挨拶、「安倍が国家を私物化し、あらゆる所からウミとウソが出てきた。それがすべて安倍首相本人から出ている。これ以上の延命を許せば、日本の民主主義は終わる。ただちに退陣を!」と訴えた。
 国会野党からは、立憲民主党の長妻昭代表代行、日本共産党の志位和夫委員長、社民党の又市征治党首が発言した。立民の長妻さんは、森友公文書改ざんなどについて「公文書の管理策を、と言って政府・与党はごまかそうとしているが、まず問われているのは真相の徹底究明である。与党は柳瀬元首相秘書官らの証人喚問に応じよ。それなしに国会審議は動かない」と、野党第一党の発言を行なった。
 リレートークでは金子勝さん(立教大学特任教授)、佐藤学さん(学習院大学教授)、本間信和さん(元シールズ、現スタンドフォートゥルース)などが発言した。
 午後3時半を回って後半集会に移る時に、参加者は正門前の車道に両側から一斉に進出、久しぶりに国会前が埋め尽くされた。歓声が上がる中、国会前を埋めたま、午後5時ごろまで集会は続けられた。
 この4・14国会前は、最盛時に実数で2万程度の参加とみられる。公文書改ざんという民主政治そのものの破壊、これに対する怒りの表現としてはまだまだ小さい。改ざん糾弾で始まった3月からの行動の山場であったが、安倍を退陣に追い込むには圧倒的に力不足であった。
 4・27板門店宣言で東アジア情勢の新展開が期待される中、日本の安倍政権の無能・無力がさらけ出され、この外交面からも安倍政権の危機はいっそう進行しつつある。しかし、今後の決め手を欠いたまま、国民と安倍政権との闘いは5月連休の一時休戦に入った。空転続く国会内では野党3分の1以下であり、どう大衆闘争によって安倍を追い詰めていくのか、4・14の成果と限界は宿題を残すものとなっている。
 今回の国会前解放は、2015年安保国会闘争の8・30、9・16に次ぐものである。と言っても、全体の規模や熱気というものでは遠く及ばない。しかしそれでも、民主主義の生死にかかわる重要事に国会前占拠は当たり前だ!という感覚を、これからの世代の人々が獲得しつつあるのならば、また一つ闘いは前進したといえるだろう。(東京A通信員)


4月「19の日」行動
 安倍政権は末期状態だが

 森友「公文書改ざん」をはじめ、疑惑・不祥事が今国会3ヵ月で13件に上り、安倍政権は末期状態に陥っている。
 問題の発生は4月に入ると、イラク日報隠し、加計「首相案件」、財務次官セクハラと一層加速、政権の行き詰まりは鮮明になった。大衆闘争の高揚で、安倍政権打倒の秋は迫っている。
 この局面で4月の「19の日」行動、「4・19森・加計疑惑徹底追及、9条改憲反対、安倍政権退陣国会前行動」が闘われ、3000名の労働者・市民が議員会館前で怒りの声を上げた。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と、安倍改憲NO!全国市民アクション。
 最初に、総がかり行動実行委の高田健共同代表が主催者アピール、「4月16日、国会議員に統合幕僚監部の三等空佐が『国民の敵』と発言した。これを許したら、2・26事件などかって来た道だ。9条に自衛隊を明記する動きは、危険だ。暴走する自衛隊を9条に位置付けるのか。」「先日の4・14、国会正門前に3万人が集まり、安倍政権の退陣を要求した。さらに行動を拡大しよう!」と訴えた。
 日本共産党・山下芳生、立憲民主党・杉尾秀哉の両参院議員らが政党挨拶。社民党の福島瑞穂参院議員は、福田財務次官のセクシャル・ハラスメント問題について、「テレビ朝日は今日未明、抗議の記者会見をした。被害者の女性記者が、テレ朝に訴えて闘おうとしている。財務省に次官のセクハラを認めさせ、謝罪させよう」と訴え、麻生財務相と森友・加計など事件の中心人物・安倍首相の辞任を求めた。
 また、沖縄の風・伊波洋一参院議員は、「安倍首相の嘘が次つぎにバレ、支持率は20%台まで急落した。権力は腐り始めている。その安倍内閣を倒せないのは、まだまだ市民の闘いが弱いからだ」と指摘し、安倍打倒の闘争拡大を呼びかけた。
 連帯アピールでは、沖縄一坪反戦地主会関東ブロック・木村辰彦さんが登壇し、「政府は、6月には辺野古側の浅瀬の海を護岸で囲い込み、土砂を投入しようとしている。これを許せば、海は死んでしまう。安倍政権は、あらゆる手段を使って県民をあきらめさせ、11月の県知事選で、翁長知事を追い落とそうとしている。マスコミは、基地建設が進んでいると宣伝している。しかし、まだ4%しか進んでいない。大浦湾側の埋め立て予定地の海底は超軟弱地盤で、さらに活断層の存在も明らかになった。工事はできない。追い詰められているのは、安倍政権だ。辺野古では4・23~28に、『辺野古ゲート前連続6日間集中行動』が闘われる。翁長知事が毅然と工事に関する権限を行使し、市民が全国的に立ち上がれば、必ず勝てる。5・26国会包囲に結集せよ」と訴えた。
 また、東京地域ネットワークの代表から、各地域での3千万署名への取り組みなどが報告された。
 最後に、主催側から、「安倍内閣は揺らぎ始めた。あと一押し、何としても安倍政権を退陣に追い込もう」としつつ、以下の闘いへの結集が呼びかけられた。
 4・20「あたりまえの社会を考えるシンポジウム――貧困・格差の現場から」、東京・北トピア。
 5・3「憲法集会」、東京・有明防災公園。
 5・19「19の日行動」、午後2時・衆参議員会館前。
 5・26「美ら海 壊すな 土砂で埋めるな5・26国会包囲行動」、午後2時・国会周辺。
安倍政権の対朝鮮・対米外交が完全に破綻し、「改憲」「働き方改革」でも躓きをみせている。安倍打倒の闘争を牽引し、勝利するために、民主的・左翼的な労働者民衆の自立勢力を今こそ前進させよう。(東京O通信員)

福島原発事故・東電刑事公判に大結集を
  大津波予測不能は真っ赤な嘘

 4月中の5回にわたる福島原発事故・東電刑事公判で、東京電力・武藤元副社長が、津波対策実施の引き延ばしをねらった裏工作を指示していたことが、元社員らの証言で明らかになった。
 東電は、「巨大津波を具体的に予測できなかった」として無罪を主張している。しかし、東電は、2002年の国の地震調査研究推進本部(推本)が公表した地震予測「長期評価」に基づき、対策を進めていた。それを途中でサボタージュし、津波対策引き延ばしのための工作さえ指示していた。これが、公判から明らかになった真相である。「具体的に予測できない」は、責任逃れの言以外の何物でもない。
 4月10、11、17日(第5回~7回)に行なわれた公判は、事故前に津波対策を担った東電社員・高尾誠氏が出廷、証言した。高尾氏は、東電が07年11月に設けた「地震対策センター」で津波対策を検討した「土木調査グループ」に所属。検討結果を武藤副社長に報告する任にあった。
 24、27日(第8~9回)は、土木調査グループのマネージャーを務めた元社員・酒井俊朗氏(高尾証人の上司)が証言に立っている。
 高尾証言によると、電力各社は旧原子力安全・保安院から地震対策見直しを求められる中、土木調査グループは、推本の「『長期評価』を採り入れるべきとの意見で一致していた」ことが判明した。そして08年6月、原子力元副本部長だった武藤元副社長に報告した際、防潮堤設置に必要な許認可を調べるよう指示され、検討を続けていたことが明らかになった。
 さらに、高尾氏が07年12月10日、「推本の『長期評価』の扱いは、確率論で考えるならば、採り入れなければ批判される」として、「他社にも推本の評価でやるべき」と連絡した事実が、海渡弁護士によって報告された。
 東電はこれまで、15・7mの津波は「試算に過ぎない」と繰り返し表明してきた。しかし、社員の証言からは、対策につなげる前提で社内手続きが進んでいた実態が、浮かび上がったのである。
 ところが08年7月、防潮堤建設に向けた対策を指示していた武藤元副社長自身から、突如採用見送りが指示され、対策は棚上げになった。その後も社員は、「津波対策不可避」と記載した社内会議用の資料を作成。09年6月ごろには、関係部署が連携した対策会議の設置を提案するが、不要とされた。東電は、津波対策を推進していたが、突如サボタージュを決め込み、大津波が襲うことになった。
 8、9回公判では、酒井元社員が、「推本の長期評価を基に、津波水位を予測する必要があると考えていた」と証言。「現場では、巨大津波への対策が必要との認識を共有」、「対策を終えなければ、原子炉を停止する事態になりかねないことを危惧していた」と説明した。
 そして酒井氏は、「武藤元副社長が、国の有識者会議のメンバーに同意を得るよう、根回しを指示した」と証言。当時東電は、09年1月までに原発の安全性を確認し、旧保安院に報告し、その有識者会議による審査を経ることになっていた。元副社長は、長期評価を反映させない方針を有識者に説明し、理解を得るよう元社員に指示。5人の有識者に、津波対策を保留する東電の方針が伝えられた。つまり裏工作だ。「予測不能」は、真っ赤な嘘だった。
 裁判は、巨大津波が襲来する危険性を具体的に予測できたか、対策を講じていれば事故は防げたか等を争点に進められている。これまで9回の公判では、新事実が次々に暴露され、東電無罪の根拠が崩されている。さらに新事実をつみあげ、東電の責任を問わねばならない。
 経済産業省は4月27日、今夏に改定する「エネルギー基本計画」の骨子案を発表した。原発新増設の必要性を明記しなかったものの、重要なベースロード電源と位置付け、原発推進の姿勢を堅持している。2030年度の総発電量に占める原発比率20~22%とする14年策定の計画を踏襲、これでは原発新増設なしには達成できない計画案となる。
 安倍政権は原発再稼動を推進し、7原発14基が新基準適合とされ、4月末現在5基が稼動し、大飯4号が続こうとしている。
 東電は、政府の姿勢を背景に、柏崎刈羽原発の再稼動を画策し、また東海第二原発の再稼動をめざす日本原子力発電に、東北電力と共に資金援助する意向さえ示している。
 また一方で東電は、福島県浪江町の住民約1万5千人が申し立てた裁判外紛争解決手続き(ADR)で、慰謝料増額の和解案受け入れを拒否した。「他の避難者との間で公平性を欠く」なる屁理屈で。
 東電と国に事故の責任をとらせ、再稼動阻止・全原発の廃炉を実現しなければならない。東電刑事公判は、5月は8、9、29、30日(第10~13回)と4回予定され、傍聴整理券配布は8時20分より開始される。東京地裁前に結集し、大闘争で国・東電を追い詰めよう。(東京O通信員)