森友「公文書改ざん」に、国会前・全国で抗議ひろがる
 安倍政権の逃げは許さない

 安倍政権の支持率が31%(朝日新聞3月17日世論調査、前回44%)に急落し、政権は崩壊局面に入ってきた。30%割れは時間の問題。戦争法、共謀罪を強行採決して戦争国家へと様変わりさせ、森友疑惑など行政を私物化する政権に、労働者・市民の怒りが噴出している。
 財務省による森友公文書の改ざんが発覚した3月2日以降、国会・首相官邸前での市民グループによる抗議行動が始まった。そして、安倍首相・麻生財務相が「書き換え」を認めた12日以降、総がかり行動実行委をはじめ多くの団体・個人による、安倍即時退陣を求める連日の国会前抗議行動、駅頭などでの抗議行動が広がっていった。一万人を超えた3・16夕刻の国会前行動をはじめ、この終末金曜日には、札幌、青森、仙台、福島、新潟、長野、静岡、名古屋、大阪、福岡など全国各地に拡大し、激化する様相を呈し始めた。

  3月「19の日」行動

 こうした中、今年3回目の「19の日」行動、「3・19安倍9条改憲阻止・森友疑惑徹底究明・安倍内閣退陣を求める国会前行動」が、闘争の今後を左右する重要な局面で闘われた。主催は、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委と安倍改憲NO!全国市民アクション。主催発表5000人であるが、1、2月「19の日」行動のほぼ2・5倍超の人々が議員会館前を埋め尽くし、今こそ安倍を倒そう、倒せるという昂揚感のある闘いとなった。
 行動は、総がかり実行委の菱山南帆子さんが、「今日の朝刊で、安倍政権支持率が過去最低と報道されました!」と主催者挨拶をして始まり、国会諸野党が挨拶。
 社民党の福島瑞穂参院議員は、森友疑惑に関わって、「ゴミがあるからといって国有地をダンピングし、また政府答弁に合わせるために公文書を改ざんして国会に提出、市民を裏切ってきた。この事件は、安倍首相と安倍昭恵氏が起こした。佐川前理財局長の証人喚問は必要だ。昭恵氏の証人喚問も必要。首相は、この問題を隠し続け、誰が改ざんを指示したかなど真相の究明をさせないつもりだ。追及を強め、安倍政権を打倒する時は今!」と宣言した。
 連帯挨拶でも、森友関係の発言が続いた。森友問題を考える会・木村真豊中市議は、「安倍首相は辞めろ、当然のことだ。共謀罪・戦争法強行採決など、やりたい放題やってきた。憲法違反も平気だ。その延長線上で国家的犯罪を犯した。抗議行動があらゆる所で闘われている。大衆闘争で安倍内閣を倒そう」と呼びかけた。
 立憲主義の回復を求める市民連合の諏訪原健さん(元シールズ)は、「戦前の政府のやり方は、安倍政権の政治と似ている。その暴走政治の結果が、民衆を戦場に送り、命を奪うことだった。安倍政治はそれと同じだ。財務省で2名が命を絶った。この事件を許せば、いい加減にやっている人間が責任を取らない。運動が広がっている、さらに闘いを拡大しよう」と訴えた。
 続いて、沖縄の闘いについて沖縄一坪反戦地主会関東ブロックの青木初子さんが発言、「沖縄の民意が潰されようとしている。沖縄県民は、キャンプ・シュワブ前に座り込み、揺るがぬ気持ちで闘い続けている。活断層の疑いがある建設予定海域に、基地建設はできない。活断層の上には、公共施設を建設できない規定がある。沖縄の軍事要塞化を断固阻止する。5・26国会包囲行動に結集し、辺野古新基地建設を阻止しよう」と訴えた。
 次に、宇都宮健児弁護士が緊急発言、「デモ潰しの条例が作られようとしている。都議会に提出された東京都迷惑防止条例の改正案だ。『名誉を害する事項を告げること』など3類型が新たに加わり、国民の正当な活動に警察が恣意的に介入することが可能になる。安倍政権を糾弾することが名誉毀損になる。その判断は警察がする。条例改正は、我々の抗議行動を弾圧するものだ。小池知事は、安倍首相の委託を受けて、条例改正案を提出したのではないか。安倍首相は、森友疑惑追及の闘いを弾圧し、改憲をねらっている。弾圧条例と闘おう」と警鐘を鳴らした。(その後、都迷惑防止条例改正案は警察消防委員会で3月22日、本会議で29日に強行可決されてしまった)。

  4・14国会正門へ

 最後に、戦争をさせない千人委員会の福山真劫さんが行動提起、「支持率31%、不支持は48%で、安倍政権の崩壊は始まっている。野党と市民の闘争が、安倍政権を揺さぶり追い詰めている。韓国民衆は、ローソク革命で朴大統領を引きずりおろした。我々も韓国の闘いから学び、安倍内閣を打倒する。10万、20万の大結集で闘おう」と訴え、以下を確認して終了した。
 3・21さようなら原発全国集会、代々木公園。
 3・22~23国会議員会館前行動
 3・25新宿東口街頭宣伝
 3・27~28国会議員会館前行動
 4月中旬・国会正門前大集会(その後、4月14日の土曜日・午後2時から正門前大行動、と設定された)
 以上の3・19行動以降、3・25日曜日の、総がかり実による新宿アルタ前行動に続く、「未来のための公共」などによるホコ天・伊勢丹前街宣(主催発表8000人)が盛り上がりをみせた。そして、やっと実現した佐川証人喚問の3・27国会が注目された。この日は機動隊カマボコ車も、多数国会前に動員されていた。が、佐川(前国税庁長官、改ざん時の財務省理財局長)の答弁があまりにくだらないものであったためか、国会前行動は不発、夕方1500人程度に終った。
 証言拒否乱発、政治家からの指示は「ございません」だけ明瞭、という証人喚問茶番劇で、安倍政権は幕引きを謀ろうとしている。国民はあきれたが、怒りが収まるわけは無い。そんなものだと思ったらお仕舞いだ。
 地域・職場から安倍政権への怒りを組織し、行動への参加をひろげよう。4・14国会正門前大行動に安倍・麻生の逃げを許さない怒りの大結集を実現し、安倍政権打倒・安倍改憲阻止に突き進もう。(東京O通信員)


「3・11」7周年、3・21全国集会1万2千人
  国会には原発ゼロ法案

 2011年「3・11」の東日本大震災・福島第一原発事故の発生から、今年3月で丸7年となった。
 この日に先立つ3月9日、「原発ゼロ基本法案」が衆院に、立憲、共産、社民、自由の野党4党によって共同提出された。法案は、法施行後の5年以内の全原発廃止、核燃サイクルからの撤退、原発輸出の中止、2030年までに再生可能エネルギーを電力供給量の40%以上にする等とするもの。
 3月21日、東京では寒の戻りであったが、代々木公園で「3・21さようなら原発全国集会」が開かれ、昨年を上回る1万2千人(主催発表)が参加した。主催は、「さようなら原発」一千万署名市民の会。
 7年がたって国が被災者への支援打ち切り、年被曝20シーベルト基準での帰還策をすすめるなか、集会では、福島の「ひだんれん」や「脱ひばく子ども裁判の会」、区域外(自主)避難者から抗議の声があげられた。また、東電などを相手に損害賠償請求裁判を闘っている被曝労働者(仮名あらかぶさん)、東海第二原発再稼動反対について村上達也元東海村村長などが発言した。
 また、「核再処理実験阻止30キロ連帯」のイ・キョンジャさんから、韓国の反原発運動・平和運動の報告が行なわれた。
 例年恒例のフクシマ連帯キャラバンからの報告の後、河合弘之さんが原発ゼロ自然エネルギー推進連盟(原自連)として発言し、また逢坂誠二衆院議員(立憲民主党エネルギー調査会会長)が原発ゼロ法案の国会提出を報告した。
 フクシマ7年となったが、脱原発の底流は広がり続け、本流になろうとしている。安倍政権と電力資本は、3月14日に関電大飯原発3号機、3月23日に九電玄海原発3号機と再稼動を強行したが、原発依存・推進に未来がないことは国民多数がすでに知ってしまっている。
 脱原発の大きな世論を背景に、司法界でも一進一退となっている。昨年の広島高裁12・13仮処分判決は、阿蘇カルデラ巨大噴火の可能性を考慮し、四国電力伊方3号機の運転停止を命じた。高裁判断で原発が止まったのは初めて。他方、佐賀地裁は先日の3・20判決で、火山リスクを認めず、住民側の停止仮処分申し立てを却下している。
 また3月19日には函館地裁が、青森下北半島の大間原発ついて、函館市らの住民原告による工事差し止め請求を棄却した。その理由は、「運転開始の具体的目途が立っていない現時点で、重大事故が発生する具体的危険性は認められない」などとするもので、これでは建設中ならすべて容認ということになってしまう。また、全炉心MOX燃料という大間原発の特性について、司法判断を放棄している。
 闘いは続く。まずは原発推進の安倍政権を倒さねばならない。そして遠からず、国会で原発ゼロが可決されることとなるだろう。(W)


三里塚管制塔占拠闘争40年
  
今こそ新たな世直しを!

 3月25日午前11時より、東京・御茶ノ水の連合会館で、「1978年3・26三里塚管制塔占拠闘争40年 今こそ新たな世直しを!3・25集会」が、北海道から山口まで全国から約300名が参加して開かれた。主催は、三里塚芝山連合空港反対同盟(柳川秀夫代表世話人)と元管制塔被告団。
 第一部は、『三里塚のイカロス』の上映。
 第二部の集会は、元管制塔被告団の中川憲一さんの司会で始まり、壇上には、第九ゲート突入で亡くなった新山幸男さん、管制塔被告であった原勲さんの遺影が掲げられた。
 集会で、反対同盟の柳川秀夫さんは、「現在、第3滑走路計画で空港はさらに巨大化しようとしている。が、反対する共同体はすでにない。三里塚の課題は魂の問題だ。腹八分で持続できる社会をめざす。世直しの考え方が、今こそ備わっていないとダメだ。七十歳になったが頑張る」と述べた。
 元管制塔被告団の平田誠剛さんが、闘争時の様々なエピソードを紹介しながら、その後、福島原発事故被災者救援運動に参加、3・26を闘った人々が各地で活動していることを報告した。
 さらに、管制塔裁判の弁護団だった清井礼司弁護士が、「当時の三里塚はベトナムに通じていると思っていたが、今は沖縄の空とつながっている」と述べ、また三里塚物産の平野靖識さんが、「三里塚反対闘争の中で産まれた有機農業や三里塚物産は、現在、3・26闘争を担った仲間の息子さんが後継者になっている」と報告した。
 加瀬勉さんの「旗開き」での挨拶、木の根幻野祭の映像と大森武徳さんのメッセージが、ビデオで紹介された。また、石井紀子さんのメッセージが代読され、「女性たちの闘いが、再び出会うように」と訴えた。
 現地より山崎宏さんが、第3滑走路をめぐる状況の報告があり、また鎌田慧さんが、「三里塚闘争は、秩父困民党や谷中村の闘いなどを引き継いだ。3・26の占拠闘争は今は無理だが、沖縄辺野古のように闘い抜いていこう」と呼びかけた。
 さらに、反空港全国連から渡邉充春さんの全国の闘いの報告、福島原発告訴団の中路良一さんなどの発言があった。
 最後に、元管制塔被告12名(欠席4名)が、壇上に並んで発言した。集会は第三部・懇親会で終了した。(東京A通信員)