米韓合同軍事演習反対!改憲発議阻止!
  安倍対半島外交は全面破綻

 東京では3月12日に、安倍政権と中央官庁を相手に「戦争・治安・改憲NO!3・12霞ヶ関デモ」が行われ、続いて3月18日には、トランプ政権とアメリカ大使館を相手に「米韓合同軍事演習反対!3・18緊急行動」が行なわれる。戦争・改憲の連動した動きを押し返し、東アジアの平和実現・9条改憲阻止などを勝ちとるための大衆行動である。戦争法廃止・安倍たおせ!反戦実行委などの諸団体が主催する。読者各位のご参加を訴えたい。
 これら両行動は、戦争・改憲阻止の決戦的情勢となっている本年の闘いの、ほんの序幕にすぎない。南北対話の進展にも関わらず、いぜん米軍・韓国軍は4月からの米韓合同軍事演習を強行せんとしている。安倍はこの戦争挑発をけしかけ、情勢の緊張激化を頼みとして、「自衛隊」を憲法に書け!とわめき続けている。自民党は3月25日の党大会で、9条などの党改憲案文を決定して、無理やり改憲発議に持ち込もうとしている。
 ゆゆしき事態である。4月、5月と、各次元の共同行動を大きく発展させ、戦争反対・改憲発議阻止の大闘争を実現し、今度こそ安倍政権を打倒しようではないか。

 安倍政権の対朝鮮・韓国外交は、完全に破綻している。これだけでも、安倍政権即刻退陣の理由になる。現実がそうなっていないのは、朝鮮半島認識の歴史的歪みを下地とした日本メディアの偏向報道、Jアラートなどによる世論操作に、国民多数が支配され、井の中の蛙となっているからである。
 対朝鮮民主主義人民共和国の外交ではどうか。安倍政権は、米朝対決において、日本領域の戦場化をもたらす「在日米軍基地リスク」が高まっているにも関わらず、対米・対朝鮮の自主外交をまったく放棄している。「国民の生命・財産を守る」といつも言っているのはウソ、安倍が守っているのは、国民不在の「日米同盟」という「国体」である。安部のやっていることは、トランプ政権の日本動員課の課長さんにすぎない。
 他方、韓国・朝鮮の半島当事者間では、平昌冬季五輪を契機に南北対話が開始され、第二次朝鮮戦争を回避する努力が続けられている。
 南北の五輪共同参加には、IOCバッハ理事長が熱心であった。それは、彼の思惑があってのこと(放映権料の利権などで批判が高まる五輪のイメージアップを図りたい)であるが、戦争回避を求める国際世論が背景にあったことも事実である。
 平昌五輪開会式の翌日の2月10日、文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領と朝鮮民主主義人民共和国高官代表団との会談が行なわれた。朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)氏(党第一副部長、金委員長の妹)が、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の親書を手渡し、文大統領の早期訪朝を要請した。文大統領は「条件が整えば訪北する」とし、南側高官をまもなく派遣する。半島当事者による平和への努力が続けられている。国際世論も、国連事務総長もこれを歓迎している。
 これと逆に、開会式に乗り込んだ日本の安部首相と米ぺンス副大統領は、まったく孤立し浮き上がっていた。南北対話に危機感を抱く日本の安倍首相は、巻き返しを画策し、開会日のレセプションでは、文大統領に「ほほ笑み外交に目を奪われてはならない」などとと発言し、さらに米韓が米韓合同軍事演習を平昌五輪後に延期したことについて、「予定通り進めることが重要」などと圧力をかけた。後日、文政権から内政干渉だと当然の抗議をされている。
 また、ペンス副大統領は訪韓時にも、「ひき続き最大限の圧力を強化する。全ての選択肢がテーブルの上にある」などと発言している。すでにアメリカは、今年1月に佐世保の米海軍基地に4万トン級の新型強襲揚陸母艦を配備し、また嘉手納基地・岩国基地にステルス戦闘爆撃機F35Bを展開するなど、戦争準備を進めている。平昌パラリンピックの閉会以降、トランプ政権による戦争の危機は拡大する。
 しかし、米日両政権の戦争政策は、南北対話の開始以降、国際的にどんどん不利になりつつある。世界の大勢は、南北対話の進展を強く支持し、核問題の解決では米朝がまずもって対話を開始することを求めている。安倍政権の対朝鮮政策は、遠からず全面破産する。
 安倍政権の対韓国外交は、すでに全面破産している。文大統領は「3・1式典」演説で、日本の「竹島」領有権主張については、「帝国主義侵略の反省を拒むことに他ならない」と批判しつつ、日本軍「慰安婦」問題についても、「加害者である日本政府が『終った』と言ってはならない」と当然の指摘を行なった。
 文政権が1月10日、朴クネ政権が安倍政権と15年年末に合意した「慰安婦」問題合意について、大統領選挙公約の合意「破棄」では無かったが、その実施停止を発表した。昨年12月に検証委員会が、「被害者の同意を欠いた政治的合意」であり、「最終的かつ不可逆的な解決にはならない」とする報告を出した。これに基づく当然の措置であった。
 安倍政権は、政府間合意をくつがえすのは非常識だと逆上しているが、与野党で政権交代が起きたら、外交合意も変えられるのは当たり前だ。こんな非常識を言っていたら、日米SACO合意も変えられないではないか。より重要なのは内容である。被害当事者を抜きにした国際人道問題解決はあり得ない。この日韓合意が、対北・対中国の日韓米結束のために、米国がお膳立てした政治的な産物であったことは当初から明らかであった。
 安倍政権には、国際人道問題・歴史問題を解決する意思も能力もない。文政権が比較的に韓国民衆の意見を取り入れているかぎり、安倍政権の対韓国外交は展望なしである。
 問われているのは、安倍政権の外交破綻の実態を国民多数の認識とさせ、安倍政権を一日も早く退場させることである。そのためには闘いが、とくに大衆闘争が欠かせない。行動を起こし、朝鮮半島・東アジアの民衆連帯を押しすすめていこう。