9条改憲阻止!第二次朝鮮戦争絶対阻止!
 本年は憲法決戦に勝つ年だ

 新年に入って安倍首相が事実上、年内の改憲発議を宣言して、憲法改悪の危険が一段と高まっている。改憲発議を阻止し、安倍政権を打倒することが年内の最大の課題である。
 1月4日、安倍は年頭の首相記者会見で、「今年こそ、憲法のあるべき姿を国民にしっかり提示する」と発言。改憲についてただ議論するにとどまらず、発議に向けて具体的な手順を進める決意を示したのである。またこの発言は、国会で指名された首相職にありながら、現憲法が「あるべき姿」ではないと勝手に断定するもので、憲法99条「国務大臣等の憲法尊重擁護義務」に公然と違反するものである。
 また安倍は、1月22日の自民党両院議員総会で、「わが党は結党以来、憲法改正を党是として掲げてきた。いよいよ実現する時を迎えている」と発言。改憲実現へ並々ならぬ意欲を露骨にした。
 安倍自民党は、3月25日の自民党大会で自民党改憲案を決め、衆参の憲法審査会に提出するとしている。昨年末、自民党改憲推進本部は、改憲4項目をまとめた。それは①9条改憲(自衛隊明記案と9条2項削除案の両論併記)、②緊急事態条項、③教育無償化、④参院合区解消であるが、今のところ安倍の太鼓持ちどもによって自衛隊明記の加憲案が本命視されている。
 安倍らは、今通常国会で自民党案などの論議を憲法審査会で開始させ、拙速に強行すれば今国会で、あるいは閉会中も憲法審査会審議を続けさせて、秋の臨時国会で発議を強行し、来春までに改憲国民投票実施という日程を描いている。これは、来年4月の統一地方選挙、4・30~5・1天皇代替わりの以前に、改憲国民投票までさっさと済ませるという強行軍である。
 改憲派は、年内発議ができなければ、来夏には参院選挙があり、発議の機会が失われるという危機感を持っている。来る参院選では、改憲派両院「3分の2」が参院で崩れる可能性が高く、また改憲国民投票と参院選の同時実施には、公明党が反対といわれている。
改憲手続きは、まず一定数以上の国会議員が改憲原案を提出、次いで両院の憲法審査会で過半数の賛成を得、本会議で両院3分の2以上の賛成によって発議となる。発議後30日~180日の間で国民投票実施となる。
 改憲国民投票法は欠陥法である。国民投票成立の有効投票率の規定が無く、国民の低い関心の中であっても、特定勢力の組織票によって憲法が書き換えられるおそれがある。また、投票日の二週間前までは有料広告が自由となっており、改憲派の日本経団連や金権自民党に有利である。国民投票運動では、公務員の勤務時間外の活動も制約されるおそれがある。それで、発議は改憲国民投票法の改正が前提、と言う声が国会野党などで高まりつつある。
 しかし安倍ら改憲派が、これら野党・国民の懸念を無視し、発議・国民投票を強行しても、かれらが敗北し自滅する可能性は高い。各種の世論調査がそれを示すが、1月13日実施の共同通信世論調査では、「安倍政権下での改憲」に反対54・8%、賛成33%で、反対は昨年12月調査より6・2%増である。「9条自衛隊明記」についても反対52・7%、賛成35%とその差は大きい。
 この差は、当面の9条改憲反対3千万署名など改憲反対運動の拡大によって、さらに大きくすることができる。改憲派が決定的に巻き返し優位に立つには、戦争勃発などの情勢激変が必要だろう。「存立危機事態」突入、自衛隊さんありがとうの国民唱和によって、このかんの国政選挙での自民党固定票(約1800万票前後)を大きく超えて改憲支持国民投票票を動員する、そんなシナリオも考えられる。ファシスト安倍は9条改憲に政治生命を掛けており、その為になら、どんな謀略もやりかねないと見ておくべきだ。
 この意味でも、米トランプ政権の先制攻撃によってのみ始まるおそれのある、第2次朝鮮戦争を絶対に阻止しなければならない。現在の南北対話局面の持続を支援して、東アジアの緊張緩和を実現することが問われている。少なくとも年内を緊張緩和の局面とすること、これが改憲阻止の外部環境として必要だ。
 国会は1月22日に開会し、安倍は23日に施政方針演説を行なった。演説では、現在の国際ブルジョア潮流である「生産性革命」と結びつけて、「働き方改革」を前面に出している。改憲については、首相と党総裁の立場を使い分けて、「憲法審査会で議論を深め、前に進めることを期待」と述べるにとどめた。しかし、「国の理想の姿を語るのは憲法」との憲法観を示し、立憲主義を相変わらず理解せず、自分勝手な「理想」で改憲を私物化する姿勢をばくろした。
 安倍は1月30日の衆院予算委で、自衛隊明記改憲案について、「フルスペックの集団的自衛権の行使は認められないのではないか」と答弁した。安倍ら改憲派は、自衛隊加憲案は当面の策で、その次は2項削除をめざすと公然と語っている。安倍の答弁は、目指しているのは、フルスペックの集団的自衛権行使ですということになる。
 もっとも、戦争法(安保法制)が「限定的」というのも正確ではない。「存立危機事態」かどうかは政府が決めてしまう。平時においても、米軍「武器防護」で戦争に突入する。また「PKO新任務付与」や「派兵恒久法」で、集団的であれ個別的であれ、日本の海外武力行使に道が開かれた。
 労働者共産党の昨年11月の第7回大会は、その決議で「安倍9条改憲案は、自衛隊合憲化一般ではなく、戦争法によって集団的自衛権行使・海外武力行使ができるようになった自衛隊を憲法に追認させるもので、極めて悪らつな改憲案である」と指摘した。
 まず戦争法を廃止しなければ、話しにならない。自衛隊明記の是非を問うのはその後でよい、と多くの人々が思い始めた時、安倍の改憲野望は壊滅する。
 年内発議を阻止し、安倍を終らせるときが来た!