10・29第11回「反戦・反貧困・反差別共同行動in京都」
 反撃のために総団結を!

 10月29日の京都市で、第11回目を迎えた「変えよう!日本と世界 反戦・反貧困・反差別共同行動in京都」の集会が、円山音楽堂にて行なわれた。台風22号通過の悪天候のさ中、約300の参加でやり抜かれた。主催は、同共同行動実行委員会。
 今年の京都共同行動は、集会に「改憲阻止!政治を私物化する安倍政権を倒そう!」のサブタイトルが掲げられ、10・22総選挙直後の開催ともなった。
 主催者挨拶を実行委代表世話人の仲尾宏さんが、総選挙の結果もふまえつつ行なった。安倍は戦争推進策動を総選挙のどさくさの中で立て直しつつ、その補完勢力としての小池新党が登場した。民進党の前原らと組みながら、排外主義と貧困・差別の拡大の是認を民衆に強要しつつあるのが今日の情況だ。すべての仲間は、反撃のために総団結を!と基調を訴えた。
 ゲストスピーカーは京大名誉教授の伊藤公雄さんと、沖縄在住で彫刻家であり沖縄靖国訴訟原告団長の金城実さん。
 伊藤さんは、「選挙大勝後の安倍政権は、9条改憲・自衛隊明記の策動に出つつ、情勢を右へ右へとゆり戻そうとするだろう。9条改憲には抗しつつも、我々は民衆側の生活・生存権の形ある確立、ひいては憲法観の確立をすすめていくことが、将来的には大事だ」と述べた。
 金城さんは、沖縄から見た日本国憲法や、「本土」(ヤマト)の日常にふれながら、「公職選挙法改正18歳選挙権で、若者らはうれしいやら戸惑うやらなどと巷でふれられているが、あいつら(支配者側)は、徴兵制への組み込みをねらってるんだ。そして『靖国の護持』も絶対やめんだろ?! あいつらは先をみすえて動いているんだ。」「沖縄での数々の米軍の仕出かした事件・犯罪。やつらは何をしでかしても、被害者に謝罪、賠償せんでもよいことになっとるんや。日米地位協定はそういう中味だ。日本国憲法は、地位協定の鎖で縛られ身動きできん。ここらの問題で、ヤマトはボケ―としとるんじゃないか」と切り込んで、ヤマト・沖縄をつらぬく運動の重要性を問うた。
 また金城さんは最後に、「『立憲』という言葉が最近ようやく出てきた。これはいい。歴史的にみれば、立憲のスローガンが登場してくる時は、革命が起こる時だ。護憲じゃない。我々は立憲や。大いに革命を論じ、夢と志しをもつべきだ」と檄を飛ばし、大きな拍手をうけた。
 集会中途で、「おもちゃ楽団」の川口真由美さんらが、闘いを後押しするミュージックを提供し盛り上げた。金城さんも、これに飛び入り参加。沖縄武術のパフォーマンスも登場し、会場を巻き込んで意気高揚したステージとなった。
 連帯挨拶が、衆院選大阪9区を野党共同候補で戦ったばかりの服部良一さん、戦争あかん!基地いらん!関西の集い実行委からは中北龍太郎さん、東京の「たんぽぽ舎」からは柳田真さん、米軍Xバンドレーダー基地反対京都連絡会からは福井?子さん、全日建連帯労組の代表、などから行なわれた。
 最後に実行委事務局より寺田道男さんが、まとめと行動提起を行ない、「京丹後Xバンドレーダー基地撤去、大飯・高浜など関西圏原発反対の現地闘争を軸とした運動の強化・拡大を展開しつつ、本集会の更なる継続・発展につなげたい」と結んで集会終了。
 参加者はインターナショナル斉唱の後、京都市役所までのデモ行進を貫徹した。(関西I通信員)


10・15関西電力本社包囲全国集会
 大飯原発うごかすな!

 10月15日大阪市で午後1時から、「10・15大飯原発うごかすな!関電包囲全国集会」がきびしい雨の中、全国から現地闘争を責任をもって継続して担う仲間をはじめとした約500名の結集によって、堂島近くの関西電力本社前で行なわれた。主催は大飯原発うごかすな!実行委員会、呼びかけは原子力発電に反対する福井県民会議、若狭の原発を考える会。
 関西電力は、5、6月に高浜4、3号機を再稼動し、2018年早々には大飯3、4号機の再稼動をも企図している。さらに40年越えの老朽原発である高浜1、2号機、美浜3号機の再稼動も視野に入れながら、「原発銀座・若狭」の復活を狙っている。目先の企業利益追求のため、人命と人権の蹂躙を拡散させるものである。
 関電前集会は、若狭・福井を中心に、奈良・兵庫・和歌山など近畿一円の反原発団体・個人の発言を受けつつ、また全国の仲間の参加とメッセージを受けながら、一歩も引かぬ決意・決起の集会となった。
 集会実行委からは、「雨や人数は関係ない。世論は反原発の方向に着々と動きつつあり、こうした一つひとつの闘いの構築が、今後の決め手になっていくのだ」という視点でのアピールが行なわれた。
 連帯挨拶が次つぎと行なわれた。釜ヶ崎日雇労組の三浦さんは、「釜ヶ崎労働者の視点は、ピンハネや被曝労災かくしを繰り返す悪らつなゼネコンや業者を許さない、労働者を守り、連帯して闘っていくことだ。今後も釜の現場の運動づくりの中から、反原発を担う」と述べた。
 参加者は本社に、「関電は原発をやめろ!」等々のシュプレヒコールを繰り返しながら、うつぼ公園まで移動。公園から、灘波までのデモ行進をやり抜いた。(関西I通信員)


寺尾判決43ヵ年10・31狭山事件市民集会
圧倒的大衆闘争で再審開始を

 無期懲役有罪判決が下された東京高裁・寺尾差別判決(これが上告棄却で確定、その後石川さん仮釈放)から43年目を迎える10月31日、東京・日比谷野外音楽堂で、「10・31狭山事件の再審を求める市民集会」が開催された。
 次つぎに提出された新証拠で、有罪の根拠となった「3大物証」は、すべてが崩された。それでも東京高裁は居直り続けている。この日の集会・デモは、今こそ事実調べ・再審開始を求めて闘われた。会場には、部落解放同盟、労働組合、市民団体など数千名が結集した。主催は、狭山事件の再審を求める市民集会実行委員会。
 集会は、部落解放同盟中央本部の組坂繁之委員長の開会挨拶で開始された。組坂さんは、「1974年10月31日に寺尾判決が出て、死刑が破棄され、無期懲役になった。それから43年だ。内外の世論を広めて、再審・無罪を必ず勝ち取る。石川さんも78歳になる。司法当局は、石川さんのダウンを待っている。しかし我々は、決して許さない!」と発言した。
 続いて石川一雄さん・早智子さんが登壇。石川一雄さんは、「新年にわたしは、多分今頃、再審開始の決定が出ると発言した。この10ヵ月、精力的に活動してきた。しかし、事実調べもされずに、43年を迎えてしまった。非常に残念だ。多くの支援で、来年こそ再審を実現する」と決意表明し、
「来年と心に秘めて最奮起 皆の支援で司法を動かす」
と詠んだ。
 早智子さんは、「2006年5月に、東京高裁に第3次再審請求を申し立てて、11年がたった。ねばり強く取り組み、16年頃から証拠開示によって、裁判闘争は大きく進んで来た。下山鑑定(万年筆インク)、川窪鑑定(万年筆筆跡)など、無実の証拠が次つぎと出されている。悔しさをバネに再奮起して闘う。圧倒的な大衆闘争で、司法を追いつめよう」と訴えた。
 狭山弁護団からは、事務局長の中北龍太郎さんが、裁判の現段階について報告。「石川さんは、脅迫状を書いていない。コンピュータによる筆跡鑑定では、石川さんの文字とは全く違うことが明らかになった。鑑定書を年内に提出する予定だ。それは不当判決に大きく影響する。下山鑑定について、検察が反証を出した。しかし、検察の方法では、的確な鑑定はできない。有罪3大物証は全て崩れた。『秘密の暴露』(鞄発見)も崩れ去った」と報告した。
 裁判の現状を受けて、解放同盟中央本部の片岡明幸副委員長が、三つの闘争方針を示す基調提案を行なった。「東京高裁・植村稔裁判長に、一日も早く事実調べを行ない、鑑定人尋問・現場検証等をするよう強く迫っていく。そのためにも、まず、下山鑑定への反証に反論を出す。二つ目は、さらなる証拠開示を迫る闘いだ。狭山事件は、カネが目当ての誘拐だ。かなめの財布が出ていない。手帳は、どうしたのか。三つ目は、全国的な闘いの拡大だ」と提起、これに賛同の拍手が沸き起こった。
 連帯アピールでは、袴田事件の袴田巌さんの姉・秀子さんが、「巌は死刑囚のままだ。ともかく早く何とかしたい。9月26日・27日に証人尋問があり、やっと裁判が動く兆候が出た。動いてほしい」とアピール。
 足利事件の菅家利和さんに続いて、布川事件の桜井昌司さんは、「今ほど証拠が明らかになった時はない。今が好機。警察の倉庫には、たくさんの証拠が隠されている。さらに開示させ、どんな社会であろうと、真実を求めて、無罪を勝ち取ろう」と訴えた。
 最後に、狭山事件の再審を求める市民の会の鎌田慧事務局長。「石川さん、袴田さんが、こんなにも苦しんでいる。それでも、裁判官は自分で判断しない。警察が事件を捏造する。それを裁判所が暴かなくて、民主国家か。この事件は警察がでっち上げた。来年は必ず再審を開始させる」と怒りの発言。
 参加者は、居直り続ける司法への怒りを共有して、銀座デモへ出発。道行く人々に、石川無罪を訴えた。(東京O通信員)