さようなら原発さようなら戦争9・18全国集会
  大飯、玄海原発の再稼働阻止

 9月18日、東京・代々木公園で「さようなら原発さようなら戦争9・18全国集会」が開かれ、全国から9500人(主催者発表)の労働者・市民が参加した。主催は、「さようなら原発」一千万署名市民の会で、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実が協力。
 午後1時半から全体集会が、野外ステージで始まった。集会では、直面する玄海原発、大飯原発の再稼動阻止などの課題とともに、前日に安部首相による解散・総選挙強行の方針が明らかとなっていたので、これに触れる発言も多かった。
 開会あいさつは、一千万署名呼びかけ人の一人の落合恵子さん(作家)、「フクシマを忘れたかのように総選挙などと言われるが、安倍の思惑通りにはさせない。そして、9・11経産省前の不当逮捕、渕上さんを釈放せよ!」と訴えた。
 フクシマからは、佐藤和良さん(福島原発刑事訴訟支援団団長)また原告団の武藤類子さんが、国民の力で勝ちとった刑事裁判を報告。来年とみられる2回め公判への注目を訴えた。また自主避難者からは、森松明希子さん(原発賠償関西訴訟原告団代表)が発言。
 直面する九州電力・玄海原発3、4号機の再稼動問題については、徳光清孝さん(原水禁佐賀県協議会会長)が報告。県民の公開討論会開催などの要求を一切拒否しつつ、7月の臨時佐賀県議会で再稼動容認決議が強行され、山口知事もこれを口実に容認。3号機が来年1月、続いて4号機が3月と再稼動を強行せんとしている。九電がこれで「配当を増やしたい」と発言、国民の生命より株主を優先する経営姿勢を糾弾した。
 なお、関西電力の大飯原発3、4号機も再稼動が迫っている。9月8日、抗議行動に包囲される中、おおい町議会が大飯原発再稼動を容認し、また福井県議会も9月28日に、再稼動容認を意味する意見書を賛成多数で採択。西川知事がこれに同意すれば、年末にも再稼動強行となる。これを阻止するため、10・15関電本店包囲全国集会が大阪市で行なわれる。
 集会では、沖縄から山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)、総がかり行動実行委から福山真劫さんもアピール。福山さんは、「安倍はもう一回3分の2をとって、改憲発議を狙っている。許せない解散だがチャンスでもある。さよなら原発!に加えて、さよならアベ!へ」と訴えた。
 最後に閉会挨拶を、鎌田慧さん(ルポライター)。安倍の解散総選挙を、「戦争の恐怖を与えて支配する火事場泥棒の謀略だ」と批判した。
 参加者は「再稼動反対」などの一斉コールの後、2コースに分かれて都内をデモ行進した。「さようなら原発一千万署名」の集計数は、本年8月28日現在で870万8251筆となっている。(東京W通信員)

  経産省前テントひろばに
  都公安条例で9・11不当逮捕

  「無届けデモ」捏造

 なお、9月11日に行なわれた「経産省前テントひろば」の6周年イベントにおいて、不当逮捕された渕上太郎さんは、9月22日にようやく釈放された。逮捕と拘留に強く抗議する。
 この日夕方、経産省前には300人ほどが集まり、昨年8月のテント強制撤去に抗議し、原発再稼動を進める同省に抗議していた。集会途中から150人ほどで、同省外周歩道をウォーキングする企画が始められたが、警察はこれを「無届けデモ」、東京都公安条例違反などと決めつけ、渕上さんを無届けデモの指揮者であるとして逮捕した。
 歩道上の移動を「無届けデモ」とすることは、他の行動にも影響し、非常に許しがたい。また、公安条例違反容疑をねつ造し、「テントひろば」運営委員など主要メンバーを狙い撃ちした政治的な逮捕である。
 脱原発に対しては基本的にはソフト警備というのが、これまでの警察の姿勢であったが、今回の逮捕がこの転換を意味するのならば、脱原発を求める国民全体への挑戦である。(編集部)