8・12~15「第46回釜ヶ崎夏祭り」大盛況
  日雇締めつけ許さず

 大阪・釜ヶ崎では、8月12日の前夜祭から始まり、13日~15日にかけて「第46回釜ヶ崎夏祭り」が開催され、釜ヶ崎の労働者をはじめ多くの仲間の参加で大盛況のうちに終了した。
 今回の夏祭りは、共謀罪の強行成立によってますます改憲・戦争への道を突き進みつつも、森友・加計問題や防衛省の日報隠し等によって急速に支持率を低下させ、いよいよ「終わりの始まり」を開始しはじめた安倍政権に抗し、「原発も基地(戦争)も差別も、失業も野宿もなく、安心して働き生活できる社会」を目指す、労働者・住民の大きな胎動を実感させるものであった。
 また、釜ヶ崎労働者にとって重要な課題としてあった「ホームレス自立支援法」再延長を求める闘いは、「10年間の再延長」として実現することができた。(改正支援法6月14日成立)
 さらに、「不正受給」を口実とした日雇雇用保険の「しめつけ」に対しては、山谷、寿、笹島など寄せ場の仲間をはじめとした全国の仲間による闘う陣形が創られつつあり、失業給付金(アブレ手当)の口座振込みを強制する厚生労働省に対しては、8月初め、「当面は現金給付を行なう」とさせて、その攻撃を押し戻すことができた。

 こうした闘いの成果によって、夏祭りの成功がかちとられたことは言うまでもない。
 釜ヶ崎では夏祭りの成功を受けて、秋の闘いが始まっている。8・27沖縄闘争から始まり、9・17関西新空港反対闘争、10・15大飯原発再稼動阻止・関電包囲闘争、10・29京都での反戦共同行動、10・31狭山闘争と連続した闘いが続く。
 また、厚生労働省、国土交通省との闘いもある。さらには、「センター建て替え」問題にみられるように、「釜ヶ崎の未来」を見すえた闘う陣形の構築が問われており、これらに向けて現状をきちんと分析し、釜ヶ崎労働者の要求を闘う方針として打ち固めることが求められている。(釜ヶ崎S)


釜ヶ崎講座が
  8・14「特掃」体験学習
  8・15釜歩きツァー


 釜ヶ崎と市民を結ぶ「釜ヶ崎講座」は、釜夏祭り実行委の参加団体の一つとして、本年も取り組みを行なった。
 8・14に、恒例となってきた「特掃体験学習」を行ない(除草作業)、8・15には、定着した企画の「釜歩きツアー」を開催し、延べ40名近くの人々が参加した。
 釜ヶ崎は現在、大阪維新の会などによって打ち出されてきた「西成特区構想」の推移の中で、西成総合センターの建て替え、仮移転の工事進捗の局面にある。
 「釜歩きツアー」では、こうした情況のつぶさな事象を、案内人の水野阿修羅さんが取り上げながら、こう解説した。
 一つは、外国人(おもに東アジアからの)バックパッカーの流入と、観光向け施設の建設ラッシュに伴う流入。他方では従来からの、行き場を失ない、困窮と失業・失望を抱えた人々の流入。もう一つは、新手として台頭してきた仕事派遣業者による、おもに関東での事業拡大への、釜からの日雇仕事などの斡旋。この三つの傾向の中で、寄り場としての釜ヶ崎は今後も続いていくのではないか、と語った。
 失業・野宿・貧困は、引き続き釜ヶ崎の労働者に、今夏もきつい荷を背負わせている。さらなる運動の前進が待望される。釜講座も、連動した取り組みを強めていくだろう。(釜講座会員I)