東京5・3憲法集会に5万5千
  共謀罪NO!前面に

 5月3日の日本国憲法施行70周年の日、東京江東区の有明・臨海防災公園において、「いいね!日本国憲法 平和といのちと人権を! 5・3憲法集会」が開かれ、同所昨年5万人を上回る5万5千人(主催者発表)が参加した。主催は5・3憲法集会実行委、協賛が戦争させない・9条壊すな!総がかり実行委、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合。
 今年の5・3憲法集会は、「共謀罪に反対」、「辺野古新基地建設の撤回」、「戦争法の廃止」、「原発のない社会」などを掲げ、安倍政権退陣を求める集会である。
 午後1時からの本集会は、ピーコさん(ファッション評論家)、池内了さん(世界平和アピール七人委員会)、坂手洋二さん(劇作家)、山田火砂子さん(映画監督)、落合恵子さん(作家)、伊藤真さん(弁護士)、植野妙実子さん(憲法学)が発言した。
 ピーコさんのこういう集会での発言は珍しいが、「自民党の改憲草案では、政治家などが憲法を守らねばならないのに、国民が守らねばならないとなっていて、気持ちが悪い。こういうことを言う人が首相である以上、改憲に反対だ」と語った。
 「立憲野党」挨拶として、民進党・蓮舫代表、日本共産党・志位和夫委員長、自由党・森ゆう子参院議員、社民党・吉田忠智党首、参院会派「沖縄の風」・伊波洋一幹事長が発言した。
 森さんは、97条「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって」を読み上げて、今の闘いを鼓舞した。伊波さんは、「国連の植民地解放決議を受けて、1962年琉球立法院決議が行われた。これは、独立ではなく平和憲法の下への復帰を選んだものだが、しかしその後も、全国でもそうだが沖縄ではとくに、米軍基地によって憲法が適用されていない。主権者国民の力で、日本を変えよう!」と訴えた。
 「共謀罪NO!」「憲法が大切にされる国へ」などのプラカードアピールが、菱山南帆子さん(5・3憲法集会実行委)の掛け声で、会場いっぱいに行われた。
韓国からの特別ゲストとして、李泰鎬さん(イ・テホ、参与連帯政策局長)が発言。李さんは、「若者たちがヘル朝鮮と呼び、これが国か!と叫んで集まり、ついに大統領を引きずり下ろした。私たちが主人、人間が優先だ。平和憲法の主人になろうとする日本の人々に連帯する!」と語った。
沖縄からのアピールとして、山城博治さん(基地の県内移設に反対する県民会議)が大歓声の中、登壇。「政府は先月25日、護岸着工なるものをやったが、埋立てはできません、不可能です!」と現状を報告し、辺野古の闘いへの全国の支援連帯を訴えた。
共謀罪の創設を許さないアピールとして、米倉洋子さん(共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会)が、「閉会まで1ヵ月半、何としても廃案へ!」と訴えた。
最後に、総がかり行動実行委の高田健さん(共同代表)が行動提起。「トランプ政権による朝鮮半島危機に便乗し、安倍政権が『米艦防護』を発動するなど、緊張を煽り立てているのは憲法違反だ!」「連休明けは共謀罪阻止の連日行動へ!」と訴えて、閉会した。(総がかり実行委としての共謀罪阻止行動は、5・9~12及び15~19に議員会館前行動。5・16日比谷野音集会・午後6時半など)。
ぼう大な参加者は我慢強く待機しながら、2コースに分かれてパレードに出発した。(東京A通信員)


5・3おおさか総がかり集会
  自らの運動を作ろう

 5月3日大阪では、「憲法こわすな!安倍政治を終らせよう!5・3おおさか総がかり集会」(主催・同実行委)が大阪市扇町公園にて開催され、約1万8千人が結集した。
 主催者挨拶を、大阪憲法共同センターの丹羽徹さんが行ない、続いて民進、共産、自由、一段と声をはりあげた社民党の福島みずほ参院議員と、国会野党4党が連帯挨拶を行なった。
 各アピールが、「共謀罪の4度目の廃案を!」と呼びかけた大阪弁護士会の伊賀興一さんをはじめ、安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める関西市民連合、子どもの未来を考えるママの会・大阪、森友学園問題追及の木村真・豊中市議、吹田市役所出身でジャーナリストの西谷文和さんなどから行われた。
 西谷さんは、次のように語った。「最近まで、シリア自由軍に随行して、シリア国内に取材に入っていた。どこともなくロケット弾が飛来してきて、眠れぬ夜が続いた。4月7日、トランプ政権はシリアをミサイル攻撃し、トマホーク59発を打ち込んだ。1発は約1億円。壊されたアサド政権のミグ戦闘機は1機20億円以上はする。米やロシアにとって、これだけの大金を使う戦争は、大儲けで止められないんです。私はそういう意味で、プーチンとトランプは後ろで握手していると確信する。皆さん!だまされてはいけない。事実を知り、真実をめざして頑張ろう!」。
 関西市民連合の朴代表も、「他人まかせになってはならない。自らの意思と知恵で、運動を作り出していこう!」と発信した。
 デモ行進は3コースに分かれ、「安倍は憲法を守れ!」「共謀罪を許すな!」等のアピールをくり広げた。(関西I通信員)


松戸5・3憲法記念日の集い
  許すなメディア支配

 本年で15回目となる「2017年・松戸憲法記念日の集い」が、5月3日千葉県松戸市の市民会館大ホールで、1400名の参加で行なわれた。主催は、集い実行委員会。
 集会は、ナチスからユダヤ人を救ったと言われる杉原千畝を扱ったオペラの公演が行なわれた後、メインゲストの岸井成格さん(毎日新聞・特別編集委員、TBSテレビの報道番組でコメンテーターとして活躍中)の講演が行なわれた。
 岸井さんは講演で、安倍政権による様々な反動的な諸政策のなかでも、メディアに関わる問題点について論及した。岸井さん自身の番組制作に責任ある立場から、安倍政権のメディアへの攻勢によって、メディアの担い手たちの中に、政権を監視すべきメディアの役割を捨て去り、欧米諸国では見ることのできない政権擁護の立場を取る部分が作られ、メディアに明らかな分裂状況が生み出されていると指摘した。その上に立って岸井さんは、改憲策動、共謀罪新設策動に立ち向かっていくことを表明した。
 集会後、参加者有志によって、共謀罪阻止・改憲反対を掲げた約150名の市内デモが行なわれた。(千葉A通信員)