反戦実、組対法反対共同行動などが3月総行動
 戦争・治安・改憲NO!

 戦争法廃止・共謀罪反対など大衆運動の拡大・発展、また「森友学園」国有地格安売却問題などで、安倍政権が大きく揺らぎ始めている。
 この情勢下、おごる安倍政権の暴走を許さず、共同した力で政権を打倒すべく、東京では3月4日「戦争・治安・改憲NO!3・4集会」、また3月14日「霞ヶ関デモ」が、「戦争・治安・改憲NO!総行動実行委員会」の主催で行なわれた。この総行動実行委には、戦争法廃止・安倍たおせ!反戦実行委をはじめ、破防法・組対法反対共同行動、戦争に協力しない!させない!練馬アクション、立川自衛隊監視テント村、医療観察法反対ネット、都教委包囲ネット、救援連絡センターなどが参加。
 3・4集会は、文京区民センターで3・13霞ヶ関デモへと続くものとして開かれ、夕刻に約180名の労働者市民が詰めかけた。
 集会は、総行動実行委を代表して、破防法・組対法に反対する共同行動の石橋新一さんが、8団体が初めて共同しての取り組みです、この総行動を闘いぬこう、と挨拶して開始された。
 連帯挨拶では、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの宮平真弥さんが発言、「山城博治さんらが不当に逮捕され、拘束が続いている。山城さんの獄中死をねらっているとしか言いようがない。早期釈放を求める。抗議の葉書を出そう」と訴えた。(山城さん3月18日ようやく保釈)。
 次いで、日韓ネットの尾沢孝司さんが、「韓国サンケン(本社・埼玉県新座市)は昨年9月、生産部門の労働者32名を整理解雇した。これに抗議して日本で解雇撤回闘争中だ。3月26日、サンケン本社デモに是非参加を!」と呼びかけ、「国境の壁を労働者の連帯で打ち破ろう」と結んだ。
 そして、纐纈厚さん(山口大学名誉教授)が、「抑圧と差別を強いる日米同盟を排す」の演題で講演。教授は、「戦争法は、自衛隊による海外派兵の恒久化を意図し、トランプ政権下、米国の代替軍事力として対中国の正面に突き出される関係の常態化」をもたらすと指摘。「アジア民衆との連帯強化を一段と鮮明にする秋(とき)」だと強調した。
 続いて各領域からの提起として、救援連絡センター代表の足立昌勝さん(関東学院大名誉教授)、反戦実行委の深沢一夫さん、また反基地、医療観察法、教育の各領域から発言がなされた。
 足立さんは、「共謀罪が出された。しかし我々の思想は自由だ。心の中は処罰できない。安倍政権は『テロ等準備罪』が制定できなければ、オリンピックはできないと主張する。それはウソだ。国民を欺き『テロ』という言葉で通そうとしている」と批判した。
 深沢さんは、「反戦実の課題の一つは、沖縄闘争だ。東アジア民衆とどう連帯するのかが問われている。沖縄の闘いもその中に位置付く。全ての人々と連携し、戦争法廃止・安倍打倒のために全力で闘おう!」と訴えた。
 集会の最後は、反戦実の松平直彦さんが、まとめ発言。「敵は社会をまとめられなくなっている。資本主義が民衆を包摂できず、社会を破壊する時代になったからだ。安倍政権は権力を行使して国民を弾圧し、監視社会を作ろうとしている。戦略的には楽観しつつ全力で闘う。若い世代と共に闘える、その闘いが必要だ」と訴え、闘争の構えを明らかにした。
 反戦実の山口優さんが、「3・13霞ヶ関デモで、安倍政権の戦争法発動をはね返していていく。多くの結集を!」と呼びかけ、「共謀罪の国会上程阻止!」等のシュプレヒコールで集会は終了した。(東京O通信員)

  3・14霞ケ関デモ

 3月13日、共謀罪新設への批判世論が広がり、安倍政権は閣議決定・国会提出をまだ強行できないでいる中、「戦争・治安・改憲NO!3・13霞ヶ関デモ」が打ち抜かれた。反戦実など総行動の仲間たちは、午後6時に日比谷公園霞門に約150人が結集し、出発前集会を行なった。
 総行動実行委から山中幸男さん(救援連絡センター)が挨拶、「安倍政権はまだ、共謀罪を国会提出できていない。我々は閣議決定も認めない。森友問題、南スーダン日報隠し、および先日10日の自衛隊5月撤収決定、我々は即時撤収を求めるが、これら安倍政権の動揺が始まった。一番大事なのは、辺野古の闘い、山城さんを奪還しよう。共同闘争を強め、今日を突破口に安倍政権打倒へ進もう!」と訴えた。
 辺野古実行委からは中村さんが、沖縄の反基地運動にも共謀罪が適用される、また本日7時からの埋立て阻止・山城即時釈放要求の首相官邸前行動に、デモ後は合流をと訴えた。
 日韓ネットからは尾沢さんが、現在、朝鮮半島・北東アジアで緊張が激化している、あらゆる選択肢を語り、三月から韓米合同軍事演習を強行している米トランプ政権に原因がある。民衆の国際連帯が必要だ。3・26サンケン本社デモに参加をと訴えた。
 デモに出発し、まず法務省、警察庁、続いて外務省、財務省、文科省、厚労省などに抗議して、霞ヶ関を一巡した。
 この霞ヶ関デモは、共謀罪阻止が中心課題であったが、文科省に対しては「道徳の教科化反対!日の丸・君が代強制反対!」、また厚労省に対しては「医療観察法の廃止!保安処分を許すな!」などの要求をしっかりとぶつけるものでもあった。
 3月21日、ついに安倍政権は共謀罪の閣議決定・国会提出を強行した。闘いはこれからだ!(東京W通信員)


森友問題
 安倍、松井ら極右政治家による政治・行政私物化
 追求と断罪はこれからだ

 森友学園問題とは、国有地売却や学校認可という国・地方の行政権限が、安倍首相夫妻や松井大阪府知事、またその政治的共鳴者たちによって私物化され、公共の福祉に反して、かれらに都合のいいように行政が執行されたのではないかという具体的問題である。
 また、安倍首相や森友学園・籠池理事長らの政治的傾向が、極右ナショナリズムや右派的改憲論において共鳴するものであるため、安倍政権が長期化する中で、首相と改憲右派勢力の癒着によって政治が支配・運用されているのではないかという、より深刻な問題としても提起されている。
 3月16日、森友学園を訪問した野党4党国会議員に対して、籠池理事長は「安倍首相の昭恵夫人から百万円寄付を頂いたことを伝達する」と語った。
 それまで自民党は、野党側の籠池証人喚問要求に対して、民間人の喚問は慎重にと言って反対していた。しかし籠池発言に対し、侮辱を晴らすなどと喚問理由にならないことも上げて安倍らが逆上し、自公与党が喚問容認に一転、それで3月23日、籠池理事長の証人喚問が、衆参両予算委員会で行なわれた。

  3・23籠池証言

 籠池は以下のように証言した。「百万円寄付」については、「2015年9月5日、昭恵夫人は園長室で、私と二人きりで『安倍晋三からです』とおっしゃって、寄付金として封筒に入った百万円を下さった。」「『黙ってて』ということだった」等々。
 「国有地格安売却」については、「8億円余りも値引きされたと聞いて、想定外の大幅な値下げに当時はびっくりした。」「神風が吹いた」。「この問題が国会で議論されるようになってから、わたしの妻に昭恵夫人から『私が関わったということは裏で何かがあるのではと疑われないように』という口止めとも取れるメールが届いた。」「昭恵夫人は政治的な方。財務省に多少の動きをかけて頂いた」等々。証言の後、昭恵付き政府職員が、財務省とのやり取りを籠池に報告したファクスも明らかになった。
 「小学校認可」については、「大阪府議会議長を務められた畠成章先生に、松井知事や府にお力添えを頂けるようお願いし、小学校設置の認可申請では、特別なお取り計らいを頂いた」。「小学校設立を応援していながら、はしごを外したと感じる政治家は、松井一郎府知事」等々。
 これに対し、維新の下地幹郎衆院議員が、「松井知事がはしごを外したのではなくて、知事はあなた学校ができるようにはしごをかけて、はしごから落ちたのはあなた自身だ」と反論し、籠池が安倍晋三記念小学校の名称で寄付金を集め続けたことを追及した。しかし下地も、松井知事がはしごをかけたこと、すなわち自己所有地を前提とする学校認可基準を知事がすり抜けさせたこと、これを認めているわけである。
 また籠池証言は、支援をお願いした国会議員として東徹、柳本卓治、鴻池祥肇元防災相、北川イッセイ元国交副相、「伝わっていなかったと思う」が麻生太郎財務相、と名前を上げた。
 籠池は参院で、「一連の経緯の真相を明らかにするためにも、私だけにトカゲの尻尾切りで罪をかぶせようとするのではなく、他の関係の方々も呼んで、真相の究明を心からお願いする」と証言を締めくくった。この部分はまったく正論であった。

  主犯は籠池ではない

 問題の核心は、「百万円寄付」にあるのではない。逆に籠池が首相夫人に百万円渡したのなら、贈収賄事件である。籠池は14年に、近畿財務局への口利きを期待して、鴻池議員に贈賄未遂をやっている。一説では、昭恵夫人講演の謝礼として百万円渡そうとしたが、それをマズイと感じた夫人が寄付に転じたものともいわれる。しかし籠池は喚問でこれを否定した。
 問題の核心は、籠池にあるのではなく、政治家と官僚にある。百万円寄付などに示されるように森友学園のバックに安倍首相夫妻がいたり、松井知事が応援していたことによって、近畿財務局が国有地格安売却を行ない、大阪府とその私学審議会が不適切な小学校新設認可を行なったことにある。
 しかし、これらは官僚が背景を考慮して行なうことなので、安倍や松井による売却や認可についての指示の具体的証拠を示すことは、かなり難しいとおもわれる。とはいえ、安倍は「私や妻が関わっているなら、議員も首相も辞める」と言っている以上、首相夫妻による森友学園支援の関わりが事実であるだけでも、辞めて当然の事態である。
 3月24日には、売却交渉時の責任者である財務省の迫田元理財局長、武内元近畿財務局長が、はじめて国会に参考人として招致された。これらは籠池証言以上に重要であったが、「報告を受けていない」との官僚答弁で押し通している。総元締めの麻生財務相も、知らぬ存ぜぬととぼけている。
 3月22日に、地元の木村真・豊中市議や市民らが、格安売却で国民財産に損害を与えたとして、近畿財務局を大阪地検に告発した(弁護士は中北龍太郎)。地検は告発を受理し、ただちに捜査を開始して起訴すべきだ。
 国会では、安倍昭恵、松井知事、大阪府私学審議会関係者らの証人喚問、また中央・近畿の財務省役人の証人としての喚問が問われている。
 安倍自民党は、「百万円」に焦点をずらして籠池を偽証罪で告発せよとし、その話題に方向を転じさせんとしている。松井らもこれに組みし、補助金不正請求なども加えて籠池のみを悪者に仕立て上げ、自己保身を謀っている。これらは森友問題を国会で幕引きにするためである。この問題が国会で炎上すると、共謀罪強行の予定も危なくなるからだ。
 籠池証人喚問が行なわれた3・23に、また3・30にも、国会前では総がかり行動実行委などによる「森友究明」行動が闘われた。追及と断罪はこれからだ。野党と市民による徹底追及を!(A)